セクハラ最高裁判決と実務上のポイント

被害者が明白な拒否の姿勢を示していなかったことを懲戒対象者に有利な事情として斟酌することは相当ではない。 研修などはセクハラに対する懲戒処分の有効性を補強する材料になる 事前の警告や注意がないことは懲戒対象者に有利な事情とは必ずしもならないこと。(がないことが抜けて反対になっていました。ご指摘ありがとうございます。)
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@inu_law

「最高裁判所は、ことばによるセクハラで会社が懲戒処分をしたのは妥当だとする初めての判決を言い渡しました。」 Reading:最高裁「ことばのセクハラ」懲戒処分は妥当 NHKニュース nhk.jp/N4I06c26

2015-02-26 19:07:01
@inu_law

判決の原文はこちら。懲戒対象者が行った卑猥な言動が別紙に列挙されている。 courts.go.jp/app/files/hanr…

2015-02-26 19:07:25
@inu_law

「発言等の内容は,いずれも女性従業員に対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感等を与えるもので,職場における女性従業員に対する言動として極めて不適切なものであって,その執務環境を著しく害するものであったというべきであり,当該従業員らの就業意欲の低下や能力発揮の阻害を招来する」

2015-02-26 19:08:09
@inu_law

ごもっとも。パワハラとセクハラの大きな違いは、パワハラは業務上必要な注意との線引きが難しいこともあるのに対して、セクハラ行為については、業務上必要な行為だという言い訳はほぼ通用しない点。

2015-02-26 19:10:10
@inu_law

実務上のポイント① 被害者らが明白な拒否の姿勢を示していなかったことを、懲戒対象者に有利な事情として斟酌することは相当ではないと判示された点。

2015-02-26 19:11:19
@inu_law

最高裁は、 「被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも,職場の人間関係の悪化等を懸念して,加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくない」 と指摘している。

2015-02-26 19:11:45
@inu_law

実務上のポイント② セクハラ禁止文書の作成・周知、毎年のセクハラ研修への参加義務付け、などの取り組みは、セクハラに対する懲戒処分の有効性を補強する材料になること。

2015-02-26 19:12:18
@inu_law

実務上のポイント③ 事前に会社から警告や注意等を行っていなかったことは、必ずしも懲戒対象者に有利な事情とならないこと。

2015-02-26 19:13:07
@inu_law

最高裁は、第三者がいない状況でセクハラ行為が行われていたため、被害申告前には、会社がセクハラ行為を具体的に認識して警告や注意等を行い得る機会があったとはいえないとして、 「懲戒を受ける前の経緯について被上告人らに有利にしんしゃくし得る事情があるとはいえない」 と指摘している。

2015-02-26 19:14:23
@inu_law

どうでもいいけど、セクハラ判決で  「斟酌」が「しんしゃく」  「躊躇」が「ちゅうちょ」 とひらがな表記されているのに違和感。

2015-02-27 02:14:15
@inu_law

常用漢字じゃないという理由なんだろうけど、「斟酌」「躊躇」と漢字表記をしている最近の最高裁判決もある。 courts.go.jp/app/files/hanr… courts.go.jp/app/files/hanr…

2015-02-27 02:14:56