日本の自殺率について

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樋口耕太郎 @trinity_inc

日本の自殺率が主要国中最悪であるのは周知のこと。10年連続で3万人を超えている。異説(http://p.tl/t69N)では年間10万人という推測も可能だが、仮にこれを前提とすると、毎年原爆が投下されているのと同等の死者数だ。日本は社会的に戦時中といっても過言ではない。

2010-10-06 05:59:30
樋口耕太郎 @trinity_inc

日本でこれほど自殺者が多いのは不景気による失業・倒産が主な理由だとされているようだが、世界的に失業率と自殺率に強い相関はなく、北欧諸国でも景気後退期に自殺者数が改善した事例も報告されている。本当に不景気が理由だろうか?我々は本当に問題を理解しているのだろうか?

2010-10-06 06:12:24
樋口耕太郎 @trinity_inc

私の仮説は共同体の崩壊によるというものだ。日本は高度成長期を迎えて、農業基本法によって、農村人口(主に次男以下)を都市に集中させたために、地方の農村共同体や大家族は崩壊した。この共同体の新しい受け皿になったのが、家族主義的なカイシャ共同体であり、都市部で急成長した新興宗教団体だ。

2010-10-06 06:17:11
樋口耕太郎 @trinity_inc

1995年以降、超・資本主義が加速し、企業が利益を生み出せなくなり、人件費を削らざるを得なくなる。正社員を派遣に切り替え、新規採用を抑制し、大企業の終身雇用は崩壊し、カイシャ共同体が消滅する。

2010-10-06 06:19:24
樋口耕太郎 @trinity_inc

カイシャに人生を捧げてきた人々が共同体の支えを失っている。仕事一筋に生きてきた仕事の虫は家族に対しても距離感があり、カイシャや仕事以外の人間関係は存在せず、リストラによって生き甲斐と行き場所を同時に失う。カイシャ共同体における正社員としての地位は、他の仕事や収入で代替できない。

2010-10-06 06:25:24
樋口耕太郎 @trinity_inc

人間は人間と関わらなければ生きて行けない存在だ。共同体を失えば、健康を害し、自殺が増え、疾病率が高まり、医療費が上昇し、生産性が著しく低下する。政府は景気対策や社会保障が処方であると考えているようだが、万一これらに成功したとしても、この問題は解決には至らないだろう。

2010-10-06 06:30:26
樋口耕太郎 @trinity_inc

資本主義社会の最大の問題の一つはここにある。社会がお金の論理を優先するために、人間が生きるために最も重要な共同体(人間関係)を解体する機能が、システムに内在されている。社会が完全に崩壊してしまう前に、我々は共同体を再興しなければならないのではないか。

2010-10-06 06:36:49
樋口耕太郎 @trinity_inc

日本において、共同体が最も有効に機能したのはカイシャと農村だ。そうであれば、この二つの産業を組み合わせ、両者を融合経営することで社会の大問題の解決糸口にならないだろうか?例えばリゾートと農業の一体経営だ。ホテルに従事する数百人の従業員が援農すれば、手間のかかる自然農も可能だろう。

2010-10-06 06:44:24
樋口耕太郎 @trinity_inc

最大の問題は、この厳しい競争環境においても生産性を上げることができる強力な経営力をどうするかだ。そもそも生産性が低下したことによってカイシャ共同体が解体したのだから、全く異なる経営イノベーションが必要だということになる。資本、資源、時間を使わずに生み出す「第二の生産性」だ。

2010-10-06 06:52:14
樋口耕太郎 @trinity_inc

資本主義の事業モデルは突き詰めると、質を量に転換して収益を上げてきた。質と原価と価格を下げ、資本を大量調達し、投資やM&Aによって事業規模を拡大し、シェアで利益率の急速な低下をカバーする。・・・このモデルはもはや機能不全を起こしている。人間中心の経営イノベーションが答えだろう。

2010-10-06 06:59:42
樋口耕太郎 @trinity_inc

事業における最大の費用は人件費ではない。「嘘のコスト」と「コントロールのコスト」だ。もちろんそんな勘定項目はないのだが、例えば嘘を管理するための人件費、システム保守などの費用項目に分散記帳されたり、無駄な投資を行って資産項目になったり、機会ロスのように簿外費用であったりする。

2010-10-06 07:03:17
樋口耕太郎 @trinity_inc

人間中心の経営によって、これらの費用が根こそぎ消滅するだけでなく、従業員同士や顧客との人間関係が改善することで、リピート率が高まり、口コミが広がり、顧客層が高まり、稼働率が平準化し、運営レバレッジによって莫大な生産性が生まれ、破格の収益が実現する。資本、資源、時間は不要だ。

2010-10-06 07:07:10
樋口耕太郎 @trinity_inc

世の中には、セムコ、パタゴニア、サウスウェスト航空、Wゴア、(そしてサンマリーナ!)などの事例が生まれ始めている。50年前にダグラス・マグレガーがY理論を提唱して以来、現在に至るまでオカルト扱いだったこの経営イノベーションも、あと5年もすれば世の中の先端を走ることになるだろう。

2010-10-06 07:11:15
樋口耕太郎 @trinity_inc

推定自殺数について補足。死因が特定できず法規上警察への通報が義務付けられた遺体の内、犯罪の疑いのあるものを除外した「非犯罪死体」は14万6千体(08年)で、その数は過去11年間で1.6倍に増加している。一方、同期間の自殺者数はほぼ3万強で変動なし。以上が事実。結論はそれぞれ。

2010-10-06 13:00:48
樋口耕太郎 @trinity_inc

私が引用したのは、クーリエジャポン2010年3月号88pのコラムなど。ただ、文脈を読んで欲しい。推定自殺者数の多さが論旨ではなく、自殺の多さの主因を考え、治癒方法を導くことが何よりも重要だ。議論の趣旨は仮に自殺者が3万人であろうと、10万人であろうと変わらない。

2010-10-06 13:04:23