ロッキー須山氏による「耳とイヤホン」

プロミュージシャン向けカスタムインイヤーモニターFitEarの須山社長が、耳の感度調整機能や、環境に応じたイヤホンの使い分けについて解説したプレゼンです。2010年2月にアップルストア銀座で行ったものをTwitter上で再現するという企画。 音楽は一日一時間までにというWHOの勧告について、規制される前に聴覚に意識を持ち、音楽を長く楽しめるようにしようという話もFacebookで述べられています。あわせてどうぞ。 https://www.facebook.com/keita.suyama.3/posts/918027028283071 続きを読む
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須山慶太 @kindo3

地下鉄乗車時から感度調整が聞き始めるため、それ程煩わしさは感じていません。そこに意識せぬまま騒音に対抗し得る音量までボリュームを上げていきますが、感度調整の「せい」で非常に大きな音が鼓膜に伝わっていても、それに「気がつかないん」です! pic.twitter.com/bufMUz52f9

2015-03-04 13:05:15
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須山慶太 @kindo3

音楽鑑賞と言う点でもノイズフロアの上昇で環境が許容し得るダイナミックレンジが狭くなる上、感度調整でコンプレッサーがかかったような状態ですので、音楽の持つダイナミックレンジの僅か一部しか受け止められません。なにより聴覚には大きな負担が。 pic.twitter.com/OA3IDGnUB9

2015-03-04 13:07:56
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須山慶太 @kindo3

こうなってしまうWHOの勧告の通り一生元に戻りません。またこうした騒音性難聴は、補聴器をもってしても非常に機能回復が難しい難聴です。音楽鑑賞でここまでになる事はレアですが、プレス工場や工事現場など、大きな音が継続的に出る職場では、耳栓により耳を守って下さい!必ず聴力低下します!!

2015-03-04 13:13:26
須山慶太 @kindo3

で、タイプの話に戻り、開放型(用語統一できてませんが=オープンタイプ)に対し、外耳道を遮蔽するのがこちら密閉型(カナルタイプとかとも言いますな)。耳穴形状やサイズに応じ、付属のイヤーチップから最も遮蔽性が得られるものを選び利用します。 pic.twitter.com/r7A5bFX7LL

2015-03-04 13:15:26
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須山慶太 @kindo3

開放型では、S/Nを改善するためボリュームを上げるしか方法がありませんでしたが、密閉型では先程と同じ地下鉄の車内でも、外耳道を封鎖して耳の中に「静かな環境」を作ることでN側を小さくし、大きくS/N比を改善する事ができます。

2015-03-04 13:17:11
須山慶太 @kindo3

あ、また画像が抜けた。えーとコチラ。完全に無音とまではいかないまでも、耳栓としても使える程度には静かな環境が得られますね。 pic.twitter.com/tmqivGZ0Tp

2015-03-04 13:18:28
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須山慶太 @kindo3

最初に説明した耳が持つダイナミックレンジにおいて、さっきの野球版で見た通常の守備範囲が真ん中の濃い部分、可変範囲が薄い部分といったイメージでしょうか(まーあくまでイメージと言うことで)。 pic.twitter.com/Fy5vDzo9jI

2015-03-04 12:37:15
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須山慶太 @kindo3

これならば静かな部屋で開放型を聞いていた時のように、ボリュームを下げても小さな音から大きな音まで音楽を表現できる環境が整います。内耳の感度調整も開放されますので、生理的ダイナミックレンジもフルに活かす事ができるようになります。 pic.twitter.com/c34Goi3hzI

2015-03-04 13:21:41
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須山慶太 @kindo3

密閉型での注意点としては、遮蔽の状況によりS/N比が大きく変化する事と同時に、音質、特に低域再生への影響が大きくなります。 pic.twitter.com/rrpZnMZQII

2015-03-04 13:23:38
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須山慶太 @kindo3

こちら、適正なイヤーチップと不適合の場合とを比較したグラフになりますが、500Hzを境に低域成分がゴッソリ失われています(ちなみに開放型はこれを補うためこのエリアをマシマシで設計してますので、カスタムとかにするとモコモコになります)。 pic.twitter.com/nhSKF3D6AH

2015-03-04 13:29:22
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須山慶太 @kindo3

1kHz以下の音はボリュームが大きくなったと感じる聴感への支配力が大きく、イヤーチップが不適合で遮蔽が不十分な場合、低域が足りないと思うのと同時に「音が小さい」と感じます。そこでまたボリュームUP! pic.twitter.com/Oln8yfdj3q

2015-03-04 13:32:29
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須山慶太 @kindo3

本来は青い周波数特性を持っているハズのイヤホンが、全く異なる赤いラインの特性に変わってしまいます。耳への装着がしにくいイヤホンやイヤーチップの選択肢が制限されるような機種で、時として評価が大きく分かれるのにはこのような理由もあります。 pic.twitter.com/BgpGE3r5A8

2015-03-04 13:35:32
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須山慶太 @kindo3

と言うことで、長々説明するまでも無い事ばかりでしたが、機種選択では環境や用途に応じ、適したタイプを選びましょう! pic.twitter.com/2zJ2WsT6Dk

2015-03-04 13:37:04
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須山慶太 @kindo3

そして密閉型では、自分の耳に最もフィットするイヤーチップの選択が肝心です!サードパーティーでより良い製品がある場合もありますので、是非チェックしてみて下さい。 pic.twitter.com/muFvZ9sS5Q

2015-03-04 13:38:19
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須山慶太 @kindo3

開放型、密閉型を問わず、環境に応じた適切な利用を考える上で大切な事は・・・ 「過度にボリュームを上げなくても音楽を楽しめる事!」 どこが「過度」かが分かりにくいですが、まずは「静かな環境をいかに用意するか」からお考え下さいませっ! pic.twitter.com/JTDZL5MrZn

2015-03-04 13:41:33
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須山慶太 @kindo3

ご清聴、ありがとうございました(ペコリ)。 pic.twitter.com/tUuEW0vwRt

2015-03-04 13:42:02
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質疑応答1

須山慶太 @kindo3

こちらが水圧の刺激を電気信号に変換する発電機となる有毛細胞ですが、その中で赤丸で示したー型のものが「内有毛細胞」です。どこの部位にある内有毛細胞が刺激されたか、どれくらいの強度かにより、その周波数と音圧に関する情報をキャッチします。 pic.twitter.com/c8Fi0oOB45

2015-03-04 11:57:44
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須山慶太 @kindo3

@TEy212121 まー音波や振動、水圧に加え、電気信号もアナログなんですが(笑)。でもこうしたトランスデュースを重ねることで、耳はそれこそ秒針や鈴虫の声とか微細な音までもキャッチしています。

2015-03-04 13:46:58

質疑応答2

須山慶太 @kindo3

で、早い話、これとおんなじよーな事を耳がしてる訳ですな(野球盤必要無かったな・・・)。入力される音圧により、各周波数帯ごとに感度調整が行われ、またそれが瞬時に変化することで、我々は広大なダイナミックレンジを得ているんです。 pic.twitter.com/vMB9YRiQIS

2015-03-04 12:31:28
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大沼 功(ユンボ操縦したい @myston

@kindo3 これって、脳が音と判断する前に行われている事ってことなのかな?

2015-03-04 12:37:59