耳とイヤホン:耳が持つ感度調整機能
さて、これまで耳の感度調整機能とダイナミックレンジについて見て来ましたが、これからが本題。えー、オープンタイプを耳に納めた状況ですな。同タイプは密閉感が無く軽快な使用感が得られ、ワイドレンジな音を得やすいというメリットを持っています。 pic.twitter.com/Oc37NCge26
2015-03-04 12:48:36開放型は基本「静かな環境」での利用を想定し設計されています。音楽(S)に対し騒音(N)が小さいため、適正なボリューム設定で音楽のダイナミックレンジと耳が持っている生理的なダイナミックレンジの整合がとれ、音楽を存分に楽しむ事ができます。 pic.twitter.com/ZNaK0gkMsD
2015-03-04 12:53:57今度は開放型を地下鉄の中で聞いてみましょう。その名の通り、外耳道は開放された状態ですので、周囲の環境騒音は外耳道に侵入し、鼓膜へ伝えられます。当然静かな環境で聞いていた音量では、音楽を楽しむ事ができません。 pic.twitter.com/B4OxJBcLM7
2015-03-04 12:56:32おのずと「エイヤ!」とばかりボリュームを上げる事になりますが、これによりS/N比は改善され、音楽情報部分が耳に伝わるようになってきます。でもそれって、もしかするとスゲーでかい音なんじゃ・・・?がっ!ここに先の感度調整機能の罠がっ!! pic.twitter.com/I9CBjxYfkj
2015-03-04 12:59:48地下鉄乗車時から感度調整が聞き始めるため、それ程煩わしさは感じていません。そこに意識せぬまま騒音に対抗し得る音量までボリュームを上げていきますが、感度調整の「せい」で非常に大きな音が鼓膜に伝わっていても、それに「気がつかないん」です! pic.twitter.com/bufMUz52f9
2015-03-04 13:05:15音楽鑑賞と言う点でもノイズフロアの上昇で環境が許容し得るダイナミックレンジが狭くなる上、感度調整でコンプレッサーがかかったような状態ですので、音楽の持つダイナミックレンジの僅か一部しか受け止められません。なにより聴覚には大きな負担が。 pic.twitter.com/OA3IDGnUB9
2015-03-04 13:07:56@kindo3 ノイズキャンセリングについて昨日言及がありました。私も難聴ぎみでノイズキャンセリングに変えたら小さな音で十分音楽を楽しめるようになりました。誤解とわかって質問ですが、並行して逆転の位相を聴くこと(では無いと思いますが)は耳に悪くないのでしょうか?
2015-03-04 13:15:33@up_your_bum 位相反転、高速道路や発電機のノイズを消すような場合には実際に逆相の音波をスピーカーから発して行いますが、ノイズキャンセリングヘッドホン/イヤホンではモニターした騒音から逆相信号を合成し、一つの発音体から音波を出すため、ご心配のような事は無いかと思います。
2015-03-04 13:52:30@AudioM200 スピーカーでも鼓膜面上音圧が高くなればイヤホンやヘッドホンとリスクは変わりません。スピーカーの優位点があるとすれば、あまりに大きな音で聞いていれば、お母さんとかお隣の人が「うるさいっ!!」と教えてくれる事です(笑)。それくらい過大音って気づきにくいんですよ。
2015-03-04 13:56:06こうなってしまうWHOの勧告の通り一生元に戻りません。またこうした騒音性難聴は、補聴器をもってしても非常に機能回復が難しい難聴です。音楽鑑賞でここまでになる事はレアですが、プレス工場や工事現場など、大きな音が継続的に出る職場では、耳栓により耳を守って下さい!必ず聴力低下します!!
2015-03-04 13:13:26@myston 過剰刺激による細胞破壊とか癒合によるようです。音響外傷以外にも、ストレプトマイシンなど非常に強い抗生物質の投与により生じる場合もあります。
2015-03-04 13:54:05@kindo3 なるほど。ストレプトマイシン難聴とか副作用たしかにありましたね。過剰刺激だと耐えられずに細胞破壊されちゃうんですねぇ。犬猫のように耳を自由に動かして過剰刺激避ける機構がない人間の身体機能の足りない部分ですなぁ。
2015-03-04 14:02:01@myston それだけに自分で耳を守らなければならないんですが、皮肉な事に環境適応や危険察知のために進化した耳の感度調整機能が、時としてそうしたリスクを気づかせないと言う問題が・・・。でもそうした事を知っていれば、「あ、そうだ」というちょっとしたきっかけになるのではと思います。
2015-03-04 14:06:39で、タイプの話に戻り、開放型(用語統一できてませんが=オープンタイプ)に対し、外耳道を遮蔽するのがこちら密閉型(カナルタイプとかとも言いますな)。耳穴形状やサイズに応じ、付属のイヤーチップから最も遮蔽性が得られるものを選び利用します。 pic.twitter.com/r7A5bFX7LL
2015-03-04 13:15:26開放型では、S/Nを改善するためボリュームを上げるしか方法がありませんでしたが、密閉型では先程と同じ地下鉄の車内でも、外耳道を封鎖して耳の中に「静かな環境」を作ることでN側を小さくし、大きくS/N比を改善する事ができます。
2015-03-04 13:17:11あ、また画像が抜けた。えーとコチラ。完全に無音とまではいかないまでも、耳栓としても使える程度には静かな環境が得られますね。 pic.twitter.com/tmqivGZ0Tp
2015-03-04 13:18:28これならば静かな部屋で開放型を聞いていた時のように、ボリュームを下げても小さな音から大きな音まで音楽を表現できる環境が整います。内耳の感度調整も開放されますので、生理的ダイナミックレンジもフルに活かす事ができるようになります。 pic.twitter.com/c34Goi3hzI
2015-03-04 13:21:41密閉型での注意点としては、遮蔽の状況によりS/N比が大きく変化する事と同時に、音質、特に低域再生への影響が大きくなります。 pic.twitter.com/rrpZnMZQII
2015-03-04 13:23:38こちら、適正なイヤーチップと不適合の場合とを比較したグラフになりますが、500Hzを境に低域成分がゴッソリ失われています(ちなみに開放型はこれを補うためこのエリアをマシマシで設計してますので、カスタムとかにするとモコモコになります)。 pic.twitter.com/nhSKF3D6AH
2015-03-04 13:29:221kHz以下の音はボリュームが大きくなったと感じる聴感への支配力が大きく、イヤーチップが不適合で遮蔽が不十分な場合、低域が足りないと思うのと同時に「音が小さい」と感じます。そこでまたボリュームUP! pic.twitter.com/Oln8yfdj3q
2015-03-04 13:32:29本来は青い周波数特性を持っているハズのイヤホンが、全く異なる赤いラインの特性に変わってしまいます。耳への装着がしにくいイヤホンやイヤーチップの選択肢が制限されるような機種で、時として評価が大きく分かれるのにはこのような理由もあります。 pic.twitter.com/BgpGE3r5A8
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