場の量子論の数学的定式化

@yujitach さんによる場の量子論の数学的定式化についての一連のツィートをまとめました。
18
りょう @ryo_njn

From vertex operator algebras to conformal nets and back arxiv.org/abs/1503.01260 おおお!

2015-03-05 12:58:32
🥑 @yujitach

RTした arxiv.org/abs/1503.01260 は、場の量子論の数学的定式化として長らく別個に研究されていた「頂点作用素代数」と「作用素環的場の量子論」とを二次元共形場の場合に自然に結びつける記念碑的論文、まだ読んでないですけど。数学的に厳密な場の量子論の夜明けも近いか。

2015-03-05 22:11:02
🥑 @yujitach

もう少し解説すると、物理学科で学ぶ形式の場の量子論は、結合定数の形式的ベキ級数としてしか数学的には正当化されないだろうというのは戦後すぐぐらいの大昔からわかっていたので、公理系を定めて外枠からやりましょうとはじめたのが公理論的場の量子論(axiomatic QFT)。(つづく)

2015-03-05 22:58:39
🥑 @yujitach

(ちなみに、形式的ベキ級数として数学的に正当化する、というのは、ようやく数年前に Costello によってなされて、本になっている: ams.org/bookstore-geti… )

2015-03-05 23:01:20
🥑 @yujitach

公理論的場の量子論はその初期にCPT定理やスピン統計性定理(整数スピンはボゾン、半整数スピンはフェルミオン)を一般的に示して、有用なのだけれど(たとえば、スピン統計性の一般的な証明ははっきり言って物理学科用場の量子論の教科書にかいてある意味不明な議論よりよほどわかりやすい)、

2015-03-05 23:02:33
🥑 @yujitach

公理系を満たす実例が自由場しか作れない問題が長らく続く。公理系を作用素環が時空の各領域に存在する形に発展させた代数的場の量子論(algebraic QFT)に進化して、色々一般的な結果を証明している。(この辺りはHaagの"Local Quantum Physics"が詳しい)

2015-03-05 23:07:34
🥑 @yujitach

代数的場の量子論という名前だけれど、代数というよりは解析だと思う。さて、物理屋はそんなことは気にせず色んな例を研究していたが、その中でも二次元の共形場理論は性質が良いので、それを代数的に定式化しました、というのが頂点作用素代数(vertex operator algebra)で

2015-03-05 23:09:50
🥑 @yujitach

こっちは本当に代数的な定式化だけれど、Borcherds がもともと書きくだした公理系( en.wikipedia.org/wiki/Vertex_op… )は背後の場の量子論を知らないと意味不明に見えると評判だったりする。で、こちらは沢山非自明なものがある。

2015-03-05 23:12:55
🥑 @yujitach

(代数的場の量子論の兄弟というべきか、構成的場の量子論のほうでも、二次元だと Glimm-Jaffe がスカラー場で勝手な多項式ポテンシャルの理論を構成しているので、まあ二次元はやりやすいのでしょう。これを代数的場の量子論で見た仕事はあるのでしょうか?識者のコメントを求む)

2015-03-05 23:15:22
🥑 @yujitach

ともかく、AQFT と VOA は、双方とも、物理屋がいう二次元共形場理論の場合には、数学的に厳密に適用できるべき枠組みなのだけれど、その間の関係がわかっていなかった、のです。それがとうとう解決した、というのが、さっきの論文に書いてあるはず。

2015-03-05 23:17:19
🥑 @yujitach

共形場理論よりもっと情報のすくない場の理論のクラスに位相的場の理論というのがあって、これも二次元のばあいは Atiyah-Segal による公理系が昔からあって、最近は高次元のばあいに拡張されていますが、そうすると n-圏とかいうのが出てきて頭がいたいです。

2015-03-05 23:21:57
🥑 @yujitach

しかし、我々を含む現実を記述している場の理論は、もっと情報の多い hard analysis を要するものだと思われて、目指すべき真の定式化は、n圏的なものと、作用素環的なものと、頂点作用素的なものを全て含んだ何者かになっているはずです。

2015-03-05 23:24:06
🥑 @yujitach

四次元の場合で、場の量子論の公理系を満たす非自明な例に、現実の量子色力学のもととなる、Yang-Mills 理論がなっていることを示せ、というのが、Clay 賞金問題のひとつなので、それが解ければ、四次元の場の理論も数学的な第一歩が踏み出せることになります。

2015-03-05 23:24:23
🥑 @yujitach

ただし、僕自身は、そういう数学的厳密化を目指しているのではなくて、物理屋的に場の量子論をいい加減に調べて、数学者が後に定式化すべき題材を提供する、ということですので、数学的に厳密に場の量子論をやりたい人は僕の研究室に来ないように願います。

2015-03-05 23:27:06
🥑 @yujitach

日本では代数的場の量子論なら駒場の河東先生門下、頂点作用素代数ならつくばの宮本先生門下が世界的権威ですので、皆さんぜひそちらに行きましょう。代数幾何でグロタンディークがやったことに相当する仕事を、場の量子論に関して、きっと今の若い人がやってくれて、

2015-03-05 23:28:48
🥑 @yujitach

我々を記述する標準模型がきちんと数学的に定式化された論文を、僕が死ぬまでに読めるようになることを信じているので、一連のツイートを RT / favorite している皆さんはよろしくお願いします。

2015-03-05 23:30:55

コメント

お嬢様 (Ojou-sama) @ojousama_JP 2015年3月6日
非常に有益なツイートを、まとめて頂いてありがとうございます。
1