【着任初期:Ep.Rivea】

葛葵中将 @katsuragi_rivea

【着任初期:Ep.Rivea】 昼下がりの午後。 執務室でうなだれる二人がいた…木曾、そして葛葵。 神通から説教をされていた。と言えばその想像は容易いだろうか その説教が始まる前までいつものように言い争いをしていた二人だったが… その様子は今はない

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【着任初期:Ep.Rivea】 机の上に置かれていた手紙の封をりべあが切って開ける。 りべ「…木曾、読んでくれる？」 木曾「…お前が読めよ」 りべ「…おい(´ﾟωﾟ｀)」 再び火花を散らそうかという雰囲気だったが… 後ろで様子を見ていた神通が咳払いをすることで阻まれる

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【着任初期:Ep.Rivea】 木曾「は、早く読め！」 りべ「ひっ(；ﾞﾟ'ωﾟ'):わ、わかった！」 その手紙の主はーーー…かつての初代秘書艦から 葛葵と…かつての仲間達へ向けてのものだった。

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【着任初期:Ep.Rivea】 「拝啓、葛葵司令官さん。 電なのです。お元気にしていますか？」 りべ「ははっ(*‘ω‘ *)誰かに書き方教わったのかな？」 「着任から一年。その祝いをと思い筆をとらせていただきました。」

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【着任初期:Ep.Rivea】 「すぐにでもと思いお手紙を出そうと思っていましたが遅れてしまい申し訳ありません」 木曾「お前より字が上手だな」 りべ「(・д・)ﾁｯ」 「あの頃のことは短い間でしたが今でも思い出します。」

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【着任初期:Ep.Rivea】 「あの頃艦娘候補生だった大鯨さん、天津風さん、清霜さんをはじめとする方々も今もそちらにいると伺っています また、いずれ会いたいのです。」 りべ「そっか(*‘ω‘ *)あの時はまだ龍鳳も天津も候補生だったねぇ…」

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【着任初期:Ep.Rivea】 「葛葵艦隊の噂を聞くたびにまるで自分のことのようにうれしく思います。」 りべ「意外と知れ渡ってるのかな(*‘ω‘ *)？」 木曾「さぁな？」 「霧島さんや木曾さん、翔鶴さんの活躍を耳にすると心が踊ります」

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【着任初期:Ep.Rivea】 「いつか機会があればゆっくりと顔を出したいと思います。 また間宮であの時の四人、揃って"甘杯"をしましょう。 それでは短いですがこれにて失礼します。なのです！　敬具」 りべ「だってさ(*‘ω‘ *)！また会いたいなぁ。あれから一年かぁ…」

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【着任初期:Ep.Rivea】 木曾「…」 りべ「どうした？木曾(*‘ω‘ *)センチメンタルになっちゃった？」 木曾「そんなんじゃない。"甘杯"か…懐かしいな」 木曾は思い出す。目を閉じ、思いを巡らせる。あの時の思い出、そして決意を…

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【着任初期:Ep.Rivea】 場所は鹿児島県、鹿屋基地。 港からは少し離れた位置にある航空基地。 季節は春に近いが肌寒い時期。 新設されたばかりで慌ただしく人々が動いていた。 そんな中、艦娘が一人。提督不在の執務室で退屈そうに外を眺めていた。

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【着任初期:Ep.Rivea】 白を基調とするセーラー服に眼帯を右目につける艦娘、軽巡洋艦「木曾」。 とあることに悩みを抱えていた。 木曾「秘書艦さんよ。葛葵…いや、あの指揮官。 今、一体何をしているんだ？」

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【着任初期:Ep.Rivea】 その問いに秘書艦「電」は首を横に振り答える 電「わからないのです。ずっと三日間見当たらないのです…」 悩みの原因は最近着任してきた「提督」葛葵と名乗る男。 三日間、この艦隊の前に姿を見せていない。

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【着任初期:Ep.Rivea】 木曾「全く…電にまで心配させやがって。こっちが不安になるぜ」 木曾は少々の呆れを含んだ顔で文句を垂れる 電は覗き込むようにして木曾に質問を投げかける 電「何か聞いていませんか？どこに行ったかわかれば…」

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【着任初期:Ep.Rivea】 木曾「さぁな。よく考えていることがわからない奴だからな」 電「そうなのですか…やっぱり、あのことを気にしてらっしゃるんでしょうか？」 電がため息をつきながら言う 木曾「…魔王や零戦虎徹が飛び回っていた空の下で指揮をとりたかったってやつか？」

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【着任初期:Ep.Rivea】 着任したその日。葛葵はうなだれて「ラバウル泊地に着任したかった」と艦娘達にボヤいていたのである。 木曾「その件は解決しただろ？鹿屋の空も虎徹が飛び回ってたと教えたら目を輝かせていたじゃないか」 しかし、既にそれは解決済。余計に謎は深まった

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【着任初期:Ep.Rivea】 電「電がいなくなった後が不安なのです」 初期艦と呼ばれる艦娘、彼女達は新人の士官達に初期のノウハウを伝えた後、本来の持ち場へと帰る 例外はあるのだが、葛葵艦隊においては次の秘書艦が着任することが既に決まっていた

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【着任初期:Ep.Rivea】 木曾「こんなんじゃ…俺も他の艦隊に移りたいものだな…」 思わず本音を口にすると電は目を見開いて近づいてくる 電「それはダメなのです！！」 大人しい電が珍しく声を荒らげたことに木曾は驚きを隠せなかった。

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【着任初期:Ep.Rivea】 電「木曾さんまでいなくなったら司令官さんが悲しむのです…だから…」 先程の怒号と裏腹にうっすら涙を浮かべ訴える姿に動揺した 木曾「わ、悪かったよ…冗談だ」 そう答えるしか出来なかった。

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【着任初期:Ep.Rivea】 そうしたやり取りをしている中、それを一変させる足音が慌ただしく近づいてくる。 バン！と音を立て開いたドア。その中央には緑色の髪のポニーテール。軽巡「夕張」が立っていた。 木曾「よぉ、夕張。指揮官サマならいないぞ？新しい兵装を試したいなら…

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【着任初期:Ep.Rivea】 夕張は言葉を遮るように口を開いた 夕張「そうじゃない！提督なら間宮にいるわ。二人を呼んでる」 思わず電と顔を合わせる。安堵の表情を見せる電に木曾は「やれやれ」と頭を掻く 　 木曾「全く、心配かけやがって…それじゃ、お呼びならば向かおうか」

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【着任初期:Ep.Rivea】 食事処、間宮。各司令本部に一軒、大本営からの計らいで経営される場所がある その座敷に彼女達の司令官たるその男は座っていた 電「司令官さん！心配したのです！」 葛葵「ごめんねーw」 まるで反省もしていない様子に木曾は少々苛立つ

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【着任初期:Ep.Rivea】 少しむっとした表情をしていたのに気づいたのか葛葵は正座をし、改まってこちらに向けて頭を下げる 葛葵「…すまなかった。」 それを見て夕張がこちらに笑いながら話しかけてくる 夕張「まぁまぁ、いいじゃない。そんな怒らないでさ」

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【着任初期:Ep.Rivea】 怒ったわけではないが表情に出たことは認めつつ葛葵に問いかける 木曾「三日間もどこに行ってたんだ？もうすぐ電も元の艦隊に行ってしまうぞ」 葛葵「いや、本当にすまない。実はだね…」 謝罪の言葉を重ね、葛葵は語り出す

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【着任初期:Ep.Rivea】 葛葵「ちょっとだけ、赤レンガに行ってたのさ(*‘ω‘ *)とある交渉をしてきたよ」 木曾「赤レンガに？なんでまた…」 赤レンガ…ここでは大本営のことを指す。 普段招集がかからない限りはあまり向かうようなところではない

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【着任初期:Ep.Rivea】 葛葵は屈託のない笑みを浮かべ話を続ける 葛葵「戦力増強だ！我が艦隊に新戦力が加わるぞ！」 木曾「ほう、艦種は何だ？軽巡か？重巡か？」 提督とは呼ばれるが新米中佐である葛葵。 着任したての士官に回される戦力はそういった巡洋艦が主である