沖縄県の観光行政

国を治めるために最も重要なことは、余計なことをしないことである(老子)
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樋口耕太郎 @trinity_inc

沖縄タイムス | 空港業務の新会社検討 県、国際線増便に対応中国訪問で副知事表明 http://p.tl/Iv9Y いやな予感がする記事。戦略で最もしてはいけないことは、「対処する」ということである。戦略とは常に「待ち伏せ」でなければならない。沖縄県に戦略が存在しない理由である。

2010-08-17 12:32:18
樋口耕太郎 @trinity_inc

Reactive な「対処」に要する作業は、Proactive な「戦略」に比べて、どんなに少なく見積もっても10倍のエネルギーが必要だ。物事に「対処」し始めると、多忙になり、余裕がなくなり、視野が狭くなり、人をコントロールする必要性を感じ、健康を害し、なにより自分が疲弊する。

2010-08-17 18:47:22
樋口耕太郎 @trinity_inc

だから、県庁職員が常に超多忙なのは当然だ。そして、実際大量の仕事量をこなしている。・・・しかし、その状態にあまり同情を感じにくいし、そんなプロセスに県民を巻き込んでほしくない。

2010-08-17 18:49:55
樋口耕太郎 @trinity_inc

10倍の生産性を生み出すことは、実はとても簡単である。現在自分が重要だと思っていた仕事の9割が実は「無駄」かも知れないということを認め、1割を残して捨てること。誰も物理的に10倍働くことは不可能なのだから、10倍の生産性を上げるためには、まず、10倍楽をしなければならない。

2010-08-17 18:54:13
樋口耕太郎 @trinity_inc

「どんな仕事をすべきか?」ではなく、「どうしたらこの仕事をしなくて済むだろうか?」と常に考えているリーダーの元で働く従業員は本当に幸福だ。リーダーが自分の実績を作ろうと気張って新しいことに取り組む前に、コストを殆どかけず、既存組織の生産性を飛躍的に向上させる方法はいくらでもある。

2010-08-17 19:01:44
樋口耕太郎 @trinity_inc

リーダーにとって、「捨てる」ということほど生産性を生み出す決断はないのだ。そしてこれは、経営理論でも、ビジネスモデルでもなく、個人の行き方の問題である。経営とは本来きわめてパーソナルな行為でもあるのだ。http://www.trinityinc.jp/updated/?p=388

2010-08-17 19:06:41
樋口耕太郎 @trinity_inc

反面「捨てる」という生き方は、積み上げること、獲得すること、所有を増やすことによって現在の地位を得てきた経営者が最も苦手とする生き方でもある。世の中の大半の組織が低い生産性のまま放置されている理由はここにある。

2010-08-17 19:09:58
樋口耕太郎 @trinity_inc

トップセールスというより、大名行列というべきだろう。20人の面々と新報・タイムスの記者を引き連れ、沖縄のホテルを1泊5,000円で売りに行ったと聞く。 @ryukyushimpo 県要請団が中国入り 沖縄観光などPRへ http://bit.ly/9w6hmr

2010-08-19 05:26:27
樋口耕太郎 @trinity_inc

1泊最低2,000ドルするドバイの最高級ホテルブルジュ・アル・アラブの宿泊客は今や60%が中国人(http://1cc.jp/kczmnq)。同じ顧客(中国)に対して、沖縄で最も価値のある宿泊施設を、わざわざ税金を使い、メディアを引きつれ、大挙してダンピング行商に行く沖縄県庁。

2010-08-19 05:33:56
樋口耕太郎 @trinity_inc

これは事業経営の基本中の基本だが、価格の安さで顧客を捕まえても、それは一時的なものであり、顧客層を下げ、利益率を下げ、人件費が削られ、やがて事業は破綻する。低価格をアピールするのは営業ではなく、お年玉を持って観光旅行に行くのと変わらない。

2010-08-19 05:37:45
樋口耕太郎 @trinity_inc

一旦低価格を提示した後で、中国相手に価格を上昇させることがどれだけ難しいことか、ほんの少しでも理解しているのだろうか。それどころか、5000円で仕入れた沖縄のホテルの部屋を、彼らが自国の顧客に1万円~1.5万円で販売(転売)して利益を抜くのは国際ビジネスの常識だ。

2010-08-19 05:40:25
樋口耕太郎 @trinity_inc

上原副知事以下悪気があるとは思えないが、現実には、国際ビジネスを十分に理解もせず、税金を使い、20人もの大群で、メディアに宣伝させながら、沖縄の最も価値のある資産をどぶに捨てに行っているに等しい。沖縄県庁に個人的な恨みはないが、これでは沖縄の観光業界があまりに気の毒だ。

2010-08-19 05:44:15
樋口耕太郎 @trinity_inc

明言するが、今回の「トップセールス」は、沖縄県庁の観光行政の中でも最悪の部類のものだ。セールスを経験した者なら誰でも理解できると思うが、20万円で買う気満々の顧客に、5000円で商品を大量に販売し、営業成績をあげるスネ男のような営業マンは、組織では絶対に尊敬されない。

2010-08-19 05:53:52
樋口耕太郎 @trinity_inc

顧客はセールスがオファーした価格以上の価格では絶対に物を購入したりはしない。同じものを「5000円」というか、「20万円!」というかはセールスの誠意と、真剣味と、度胸による。経験すればわかるが、ここで「20万!」というのは本当に勇気がいるものだ。だからこそリーダーと呼ばれるのだ。

2010-08-19 05:56:58
樋口耕太郎 @trinity_inc

最大のダメージは、観光産業の収益構造を破壊したことだ。利益率10%そこそこの(シティ)ホテルで、価格を10%下げた瞬間に利益が吹き飛ぶ。単価が下がれば顧客数が増え、実質的に人員が不足し、現場が疲弊し、モラルが下がり、顧客層が低下し、クレームが増え、販管費が上昇・・・死に至る病だ。

2010-08-19 06:02:58
樋口耕太郎 @trinity_inc

そうは聞こえないかもしれないが、以上は批判ではない。本当に、本当に、観光産業のこと、顧客のこと、国際ビジネスのことを、深く、深く理解して、県民のために力を尽くして頂きたい。現場がどれだけ苦しい思いをしているか、生活のためにどれだけ戦っているか是非是非理解して、行動を再考頂きたい。

2010-08-19 06:06:17