濱岡 稔氏『マッサン』【待てば海路の日和あり】評論(仮題)

まとめました。
テレビ 連続テレビ小説 マッサン
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濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
①今さらながら先週の「マッサン」感想。先週の物語に関しては、戦争に対するスタンスが曖昧という意見があるかもしれない。でもそういう印象を受けるのは、戦争が引き起こす矛盾によって人生を弄ばれる人々を、制作者たちがひたすら誠実に描こうとした結果なのだとぼくは理解している。#マッサン
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②そもそも、マッサンのウィスキー造り自体が戦争に翻弄されている。余市で醸造した初のウィスキーがまったく売れず、社員解雇を決めたドウカウィスキーを救ったのは、海軍だった。つまり、ドウカは戦争に救われたのだ。一方でエリーは「敵国人」「スパイ」と呼ばれ、特高に連行されかける。#マッサン
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③その窮地を救ったのもまた、海軍だった。だが、マッサンが国産ウィスキーの未来を託そうとした一馬は、応召して帰らぬ人となる。そして、終戦後、海軍の庇護を失ったウィスキー工場に、新たな救いの手を差し伸べたのは、駐留米軍だった。#マッサン
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④しかも、空襲から必死の思いで守ったウィスキー工場は、戦後の利用を前提に爆撃目標からはずされていた。マッサンたちにとっての戦争は、否応なく自分たちを飲み込み翻弄する、理不尽で残酷な世界の現実そのものとしてあったのだ。#マッサン
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⑤そして、その無慈悲な現実に誰よりも引き裂かれ、耐え続けたのがエリーだった。終戦は、その呪縛からエリーを簡単に開放したりはしなかった。むしろ、無防備になったエリーに「私にとってこの戦争はなんだったのか」という答えのない問いを突きつけ、さらに深い呪縛へと追い込んだのだ。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑥先週の「マッサン」は、簡単に「曲がり角の先の希望」を語ることをまず禁じた。そして、深く傷つき、歩みだすことができなくなったエリーの心情にひたすら寄り添い続けようとした。ぼくたちは、そこにこそ、「マッサン」というドラマの誠実さを読み取るべきなのだ。#マッサン
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⑦結局、エリーを直接的に救ったのは、日本に帰ってきたキャサリンだった。あれは、本当はマッサンが果たすべき役割だったのではないか、と思った人がいるかもしれない。ぼくも最初はそう思った。だが、やはりあれは、キャサリンにしかできない仕事だったのだ。#マッサン
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⑧流産し、もう子供が産めないと知ったエリーの心を救ったのもキャサリンだった。それは、偶然ではない。鏡に映った自分の顔から眼をそむけ、「大阪には行けない」と足をすくませるエリーの前にキャサリンが現れたのも偶然ではない。キャサリンは、ある意味で、エリーの〝分身〟なのだ。#マッサン
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⑨キャサリンは、いわば、鏡の世界にいるもうひとりのエリー。だからエリーは、キャサリンの前では子どものように泣ける。弱い自分をさらけ出せる。そうすることでエリーは、ようやく自分をとらえていた戦争の呪縛から解放され、自分自身にゆるされたのだ。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑩「マッサン」が描こうとしたのは、エリーだけの心情ではないだろう。終戦による巨大な喪失の中から、それでも人々は静かに立ちあがり、この世界で生きていくための一歩を踏み出していった。「マッサン」に託されていたのは、名もなき人々が時代にしるした、その無数の一歩への思いなのだ。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
【こんな「マッサン」はいやだ】ふらりと出ていったエマが、天然ぼけの勇者と胡散臭い魔法遣いと暑苦しいもみあげオヤジを引き連れて帰ってくる。#マッサン
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