
「新幹線は地方創生の「夢の切り札」ではない」というこの記事を今日、まさに上りの東海道新幹線の中で読んでいたのだが、ぶっちゃけ「うんなこたぁわかってる。で、どうすんだよ?」ってツッコミしか湧いてこない。 / “新幹線は地方創生に役立…” htn.to/H5D2F
2015-03-19 19:12:11
約6日間の今回の帰省で「地方の衰退」というのを痛烈に感じた。今回は帰省といっても弔いだったので観光気分が一切なくまた普段の帰省以上に実家の村のおっちゃんおばちゃんと話し込んだということもあるが、「大阪と京都の両方に40分で到着」という好立地なわが故郷でももう確実に「死んでる」
2015-03-19 19:15:41
シャッター通りが増えたとか、街に年寄りしかいないとか、どーたらこーたらっていう症状面もさることながら、若い人でも元気がないのよね。で、ぶっちゃけ「お金がない」「あったとしても使えない」感じ。 元気がないと一口でいうが、畢竟、「金がつまっている」ということなんだなと思った。
2015-03-19 19:17:08
で、これ、単に印象論でしかないのだけどね。。。「金が動かない地方」に「金」を巻いてもシャーないのではないかなとおもうのよ。例えばさ、「地方創生のために、人口10万人以下の自治体に住む人に年間10万支給する」という究極のバラマキ政策を想定したとして、この金きっと、東京に流れるだけ
2015-03-19 19:20:02
もっというと、「仕事がない」のだよ。「金がつまってる」というより「仕事がない」。仕事がないのになぜか「金はある」。「仕事がないのに」「金はある」から、「社会」として機能してない。「消費するだけ」な感じ。みんな目が死んでる。
2015-03-19 19:24:45
唯一元気なのは、40代の農業者だけ。彼らの場合は、「仕事」があるからね。そんなに収入ないけど。それにわが故郷の場合は、イチゴやスイカやブドウなどの現金になりやすい作物を育てているということもあろう。しかしそれ以外の人たちの「活気」がない。
2015-03-19 19:26:09
昭和49年に、奈良県の国中(くんなか)と東山中(ひがしさんちゅう)の間の中山間地域に生まれた僕は、かろうじて、「元気だったころの中山間地域と山間部と平野部」を垣間見れた。あのころ、人口は減り出してたはずなのに、街は元気だった。
2015-03-19 19:28:02
実質、もはや、わが故郷は「公共事業と役所しか産業らしい産業はありません」という状態になってる。無論それ自体が悪いことじゃない。だったら、公共事業に予算をつぎ込めば金は動くしね、格差是正にもつながる。ある意味正解なんだろう。しかしなぁ。。。。って話。
2015-03-19 19:30:17
。。。と、暗い話ばかりだが、唯一光明が見えた話がある。 「おお。これいけんじゃね?」「それも、我がふるさとだけじゃなく、全国的にいけんじゃね?」と思った話がある。
2015-03-19 19:31:17
光明が見えた話というのは、今年84歳になる、かつて大金持ちだったのに身を持ち崩してしまった古老の話。 彼は昭和30年代に親から相続した杉山から杉材を切り出し売りに売りまくって財を成したが、その後、木材が売れなくなって資産を食い潰し、昨年、その山を売り飛ばしたそうだ。
2015-03-19 19:37:58
成金が身を持ち崩して独居老人にない、山を売り飛ばす古老の話。。。なんてのは、字面だけみてたら悲惨極まりない話だが、彼の話は、示唆に富んでいた。最初僕も、「成金の成れの果て。。。」と聞き流していたが、「最近、国産材の方が輸入材より安い」という話をきいて驚いた。
2015-03-19 19:40:29
その話を聞いて僕は驚いた。ずっと「日本の林業がダメになったのは、貿易自由化によりアメリカからのものを中心とする安価な輸入材が大量に流れ込んで、国内材では採算があわなくなったから」だと思っていた。しかし、その古老は、「それは思い込みだ」という。
2015-03-19 19:42:01
彼は商機をつかんで財をなしただけあって、身を持ち崩し84歳になったが頭脳は明晰。「お前は思い込みすぎてる。俺も昔は輸入材のせいやとおもてた。せやけどそうやないんや。俺ら、売りすぎたんや」と、彼はいうのだ。「次の木が育つ前に売りすぎたの」と彼はいう。
2015-03-19 19:44:31
「よう、ニュースとか新聞で、日本の林業は技術が高い。植林は日本の伝統とかいうやろ?あれ、嘘やから。俺ら、昭和40年代になるまでに売り物になるもん、全部切って売ってももうたの。需要あったしな。もちろん植林もしたよ?そやけど、追いつくかいやー」と彼は言う。
2015-03-19 19:46:04
「嘘やから。みんなな、輸入材のせいやいうてるけど、もし輸入材がはいってこーへんでも、昭和50年代には売れる木みたいなのこってなかった。林業が昔から盛んな奈良でもこの有様やで?植林の技術が未熟やった近畿圏以外の林業とかもっとひどいやろうな」と彼はいうのだ。
2015-03-19 19:47:54
しかしその説明でも「なんで国産材の方が輸入材より安いのか」の説明にならない。いかに、木が育ってなくて売り物がない状態でも国産材にこだわる需要がある以上、価格はつりあがるはず。なので彼の説明は、国産材の安さの説明にならない。しかしそれにも理由があると彼はいうのだ
2015-03-19 19:50:33
「山で木を切った段階では、輸入材の方が数段安い。そやけど、丸太はごつい。ごついもんを運ぶとなると、輸送に手間かかる。日本についたころには、輸入材には輸送費用がのっかとる。そやから日本についたら値があがっとる。」と彼はいう。
2015-03-19 19:52:03
「それにな。。。昭和40年代ごろになるとな、林業が儲かる 林業が地方の主要産業やと国も気づいて、木材産出地の周りにはええ道路がぎょうさんできた。そやから日本の材は、昔より輸送費用が下がった。下がったのに運ぶ木がそもそもないんやからおもろいのー(大笑)」と彼はいうのだ。
2015-03-19 19:53:43
彼の話をまとめるとこうだ。 ・最近は国産木材の方が輸入木材より安い。輸入木材より安い以上、輸入木材によって日本の林業が壊滅したというのは誤り ・輸入木材が高いのは輸送コストのせい ・国産木材が安いのは道路整備のおかげ ・しかし国産林業は売る木が育ってない
2015-03-19 19:58:40
つまり、「売る木が育てば日本の林業が復活する」可能性はあるというこのなのだろうと思った。で、実際、「昭和40年代ぐらいに植えたのがそろそろ50年になるから切れるはず」と彼はいう。「花粉症も減るんちゃうか」とw
2015-03-19 20:02:39
田舎に育った人ならお分かりいただけるとおもうが、昭和のころの田舎の金持ち序列って 林業家>大規模農家>土建屋>公務員>一般自営業>サラリーマン=小規模農家 って序列だった。 林業が死んだので、序列最高位の金持ちが地方から消えていたのだ。 しかし、復活の兆しはある
2015-03-19 20:05:36
彼の話をそのまま鵜呑みにすることはできないので、裏をとった。なんせ「身を持ち崩した元成金」だしなw 裏をとったっていってもネットでちょこと資料を探しただけだけど。
2015-03-19 20:09:23
帰りの新幹線に揺られながらネットで資料を漁っていたら彼の証言を裏付けるようなドンピシャの資料があった 富士通総研が2009年に出してる「森林・林業再生のビジネスチャンス実現に向けて」というレポート PDF注意 jp.fujitsu.com/group/fri/down… これ、彼の話のまんま
2015-03-19 20:11:08
この富士通総研のレポートは目から鱗だった。 「木材はバルキーな商品だから需要地と消費地が近いほど利益が上がる。すなわち林業こそ先進国型産業」というわけ で、「ドイツの林業従事者数は100万人で、電子産業や自動車産業の従事者数より多い」 jp.fujitsu.com/group/fri/down…
2015-03-19 20:16:47
で、このグラフ。「俺ら、高度成長のころに木を売りすぎたんや。植林してもおいつかなかった」という古老の話と見事に符合する。日本の山にはいま「あと十年もすれば売り物になる木が」育ちつつあるわけ (出典前掲レポート) pic.twitter.com/AXUjZ8pKcW
2015-03-19 20:20:02