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病理医ヤンデル @Dr_yandel
日本での解剖件数が減少している原因は多岐にわたりますが、放射線科医と話すと「まあ解剖って基本いらんよな」と思うばかりです。MRIでの死亡前・死亡後診断で十分。しかしそれをわざわざautopsy imagingと名付けて、「組織採取が主目的の病理解剖」と比較するのは論理の飛躍です
病理医ヤンデル @Dr_yandel
化学療法によって耐性獲得した腫瘍を死亡時にnecropsy(死後生検)することで、腫瘍が獲得したあらたな形質を探る。あるいは急死に近い状態で「臨床診断ツール間におけるdiscrepancyが生じた場合」に直接臓器観察を行う。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
こういった作業はそもそも画像診断で完遂するのが現状困難であり、そこを補完するための「赤字覚悟の学術ツール」が病理解剖です。それなのに、わざわざAiを一部の病理解剖と比較して「病理学会は既得権益によりしなくてもいい病理解剖をしている」とアジる姿勢は非常に下品だと思います
病理医ヤンデル @Dr_yandel
ただ、こうした現状を広く理解する医療者は実際少ない。その意味で「チーム・バチスタ」には功績があります。すなわち、「議論を始めとする巻き起こしたこと」。ぼくは海堂尊さんをこのように評価しています。「下品な必要悪」。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
おまけですが、チーム・バチスタシリーズなどで書かれているAiはもっぱら「異状死事案」であり、本来病理解剖ではなく法医解剖と比較されるべきものです。付け加えるならば、日本の「よき法医学講座」はとっくにAiを学術として検討していました。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
そもそもが「病理学会憎し」で展開されている、「Ai論・病理解剖不要論」は幼稚であり、何より学術を感じません。現場で努力を続ける学術探求者にとってはなはだ失礼だろうというのが、ぼくの正直な「チーム・バチスタシリーズ評」です。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
@Dr_yandel 始めとする どっから紛れ込んだ……
病理医ヤンデル @Dr_yandel
おまけ。「病理は最終診断」という認識は、「疾病を割り切って分類する現代の医療」において決して間違ってはいません。保険に対する病名設定、がん登録などを担うのはやはり病理診断です。しかし、この言葉は正確では決してない。「病理検査」はあくまで「最強の検査の一つ」でしかない。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
例えば肝細胞癌では、病理診断抜きでMRIなどの結果によってのみ「腫瘍を焼き切る」ことを行います。このとき、病理診断は関与しません。画像と病理の対比データに基づき、「画像診断の精度が病理診断と並んだ、あるいはそれ以上である」ことがわかったからです。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
私がよく言うのは、「病理診断は『ものすごい画像診断』の一つである」ということです。形態学的所見は強力ですが、血流情報などの評価にはやはり弱いところがある。優れた病理医は、「病理検査」の結果に「臨床の診察」や「画像検査」、「血液検査」を総合して「病理『医』としての診断」を行います。
病理医ヤンデル @Dr_yandel
臨床で患者一人一人に寄り添う医療というのは分類の先にあります。だからこそ、最強の分類ツールである病理診断学の使い手である我々は、統計学のような数字にも、「臨床の直感」にも、「画像の使い分け」にも習熟すべきです。それが、治療も維持も行わない、診断の専門家としての矜持だと思うのです。

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