濱岡 稔氏『マッサン』【一念岩をも通す】を推察する(仮題)

 
連続テレビ小説 マッサン テレビ 濱岡
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濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
①先週の、澤田の「独りよがりで日本初のウィスキーを造った自分に酔ってた」って言葉、辛辣すぎるというか、マッサンのウィスキー人生の否定とさえ言える。一方で澤田は、スモーキーフレーバーによって、マッサンが造った三級酒が、妥協や迎合の産物ではないことも即座に見抜いている。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
②ウィスキーに熟成期間があるように、人間にも、時を経たことによる〝熟成〟がある。理想のウィスキー造りにしゃかりきになっていた数十年前のマッサンに、この酒は造れなかった。そして、その後どこかで信念を曲げ、ウィスキー造りに妥協していたとしても、やはりこの酒は造れなかった。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
③愚直に、自分が思い描くウィスキー造りにかけてきた年月があって、初めてこの酒ができた。澤田は、マッサンのウィスキー人生を否定したのではない。香り立つスモーキーフレーバーに、数十年を経ても揺るがなかったマッサンの信念をかぎ取り、たどりついたその味を認めたのだ。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
④思えば、「大衆が求め、喜ぶウィスキーを造る」というのは、鴨居の大将がずっと言ってきたことだ。でも、自分にとっての理想のウィスキー造りをゆずれないマッサンは、一度は我を折ってウィスキーの味を変えてはみたものの、結局大衆の心はつかめず、かえって自分を見失ってしまった。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑤そして、マッサンは、もう一度自分が理想とするウィスキーと向きあうため、大将と袂を分かち、余市でウィスキー造りに心血を注ぐ。そして、ついに人々の心を掴むウィスキーを完成させる。それは、三級酒だった…って、おい、そりゃなんだよ、と思う視聴者がいたとしてもおかしくはない。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑥でも、マッサンが三級酒造りの腹をくくるまでの描写は、とても丁寧だったと思う。制作者は、単に出資者に迫られてマッサンが信念を折る、というのではなく、マッサン自身の決意につながるプラスαがほしかったのだろう。そのプラスαが、「酒に偽物も本物もない」という悟の言葉だった。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑦シベリア抑留によって心に傷を負った悟。彼はいわば、燃えさかる戦火を生き延び、あるいは前線で死線を乗り越え、〝生き残ってしまった〟という悔恨や〝自分は生きてここにいていいのか〟という問いに苦しみ続けた人々の代弁者だ。そんな彼を救ったのは、一杯の三級酒だった。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑧日本に帰り着き、手にした三級酒を飲み干したとき、喉から胃に流れ落ちるその安酒によって悟は、初めて〝自分はゆるされた〟と思うことができたと語った。〝自分は今、生きることをゆるされてここにいる〟と。その言葉によって、マッサンは「命の水」というウィスキーの語源に思い至る。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑨自分が目指してきたのは、人々の喉を潤す〝命の水〟としてのウィスキーではなかったのか。だとすれば、自分が今造るべきなのは、戦後の混乱から復興へ向かう日々の中で、心の糧としての酒を求める人々が、気安く手に取れて、心底「ああ、うまい」と思える、そんなウィスキーではないのか。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑩葛藤の果てにその思いへと至り、マッサンが三級酒造りを決意する。その過程は、きちんと説得力のあるものとして描かれていたと思う。特に143回。三級酒であろうと、いっさい妥協しないマッサンの信念。父・政志の、愚直な職人らしい気遣いと助言。キーモルト探しにかける執念。#マッサン
濱岡 稔@ひまわり探偵局でお茶を @hamatch2
⑪父、マッサン、俊兄、そして、一馬の思い。その傍らで何かを心に刻む悟。ウィスキー造りは、一粒の麦が芽生え、花をつけ、次の実を結ぶように、人々の思いをつむぎ、未来へ結んでいくものなのだというドラマのテーマが、すべてのシーンに込められているような、忘れがたい回だったと思う。#マッサン
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