人形峠のウラン鉱床

化学研究者であり鉱物にも詳しい@fluor_doublet氏が「言い伝え」とウラン鉱床の関係について検証。
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発端


桑ちゃん @namiekuwabara

奇怪な山;山に入った人が奇怪な現象で死んでいった。村人に恐れられ子ども達に「入ってはならぬ山」と言い伝え、聞かぬものが入山して死んでいった。「入っては成らぬ」という掟を破った報い。後に放射能の存在である事わかる。

2015-03-21 22:03:06
桑ちゃん @namiekuwabara

この内容に私が昨日TWした「奇怪な山」のたたりにまつわるものが記載されてますね。デマと報じたRT即ブロックしたが、デマでない事が分るだろう。「月の輪」ニセ科学者でない事が理解できます? @namiekuwabara 「他人事でした」blog.goo.ne.jp/nonasi8523/e/7…

2015-03-22 16:01:16

ここから検証に入る。


山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

どうも、人形峠鉱床界隈の入らずの山の話は、方面(かたも)の梨農家、榎本さんの言う「地元の言い伝え」らしい。んで、榎本さんは、小出氏監修で以下の本を出している。 amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E5%B… この本に、その言い伝えがあるのだそうだ。

2015-03-23 03:54:43
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そこには、こうあるらしい。 「<方面の奥の山にも昔からの言い伝えがありました。ここの所にはあまり手を出してはならない(略)“月の輪”と呼んでいるところで、入っちゃならん、掘っちゃならん、いろったり(いじくったり)したらタタリがある……>」

2015-03-23 03:55:45
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

これが、ツイッタラーの手にかかると、こう変化する。 「奇怪な山;山に入った人が奇怪な現象で死んでいった。村人に恐れられ子ども達に「入ってはならぬ山」と言い伝え、聞かぬものが入山して死んでいった。「入っては成らぬ」という掟を破った報い。後に放射能の存在である事わかる。」

2015-03-23 03:56:54
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そこに大きな話の飛躍がある。

2015-03-23 03:58:58
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そして、この記事では、当の榎本さんが、ウラン鉱を扱っているのだな。 geocities.jp/out_masuyama/e…

2015-03-23 04:04:01
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

引用「茶筒型の鉛製ケースのふたを外すと、直径7~8センチの岩石が現れた。くぼみに、黄緑色の粉末のようなものが散っている。ウラン鉱石だ。  「紫外線を当てると黄金色に光ります。放射能は体を突き破りまっせ。記者さん、今ちょっと被ばくしました」 (続く)

2015-03-23 04:04:24
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

(承前)鳥取県湯梨浜町方面(かたも)のナシ農家、榎本益美さん(75)がさらりと言う。放射線の線量計(ガイガーカウンター)を当てると、 針が振り切れるそうだ。」

2015-03-23 04:04:45
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

で、当の榎本さんはこの記事で御年75。入らずの山とウラン鉱床の関係ははっきりと言ってはいないが、にもかかわらず、人形峠鉱床の高品位鉱(ウラン鉱としてはかなり貧弱なもの)を扱っていることに注意されたし。

2015-03-23 04:08:19
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

「いろったり(いじくったり)したらタタリがある」んではなかったの?

2015-03-23 04:09:32
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

こうなると、月の輪の伝承とウラン鉱の関係は、当の榎本さんも相関づけていないということがわかる。というか、そもそも本当にそういう言い伝えがあるのかどうか。湯梨浜町の民話をウェブ上で見る限りは他には見いだせなかった。そもそも民話をウェブで探すという行為もヘンなのだが。

2015-03-23 04:12:32
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そこを考えると、入ってはならぬ山に入った報いで山に入ったものが放射能で死んでいった、という解釈は飛び抜けて超越している。

2015-03-23 04:16:04
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

この「月の輪」の話は、榎本さんしか知らないらしい。他のソースが出てこない。まぁしかし、言い伝えなんてそんなものだ。

2015-03-23 04:19:03
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

民話の採録は、いつ、どこで、誰から採ったかという記録は重要なのだけれど、榎本さんの著書「人形峠ウラン公害ドキュメント」にそれが記載されているだろうか。ちょっとここはわからない。

2015-03-23 04:21:33
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

んで、方面(かたも)の集落奥に、件のウラン鉱床(東郷鉱山方面鉱床、麻畑鉱床)がある。この位置ははっきりわかっていて、原子燃料公社によって試掘され、昭和37年に撤収されている。この場所を国土地理院の空中写真閲覧システムで、開発前の米軍の写真(1948年)で見てみる。

2015-03-23 04:35:33
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

すると、その2鉱床のあたりって、ウラン鉱が見つかる前から、開発されている里山で、棚田があったり、植林があったりするのがはっきりと見て取れる。明らかに人が入っている山のようだ。

2015-03-23 04:38:26
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そこを考えると、榎本さんの言う入らずの山「月の輪」は、ウラン鉱床とは関係のないところにあるらしい、という結論にたどり着く。

2015-03-23 04:40:04
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

ちなみに、このあたりの鉱床付近の放射線量は、ベタ歩き回ってカウンターを持ってマンボーンで調べつくされ、異常放射線マップが作られている。これは原研の「日本のウラン資源 II」にもあって、見落としはまず考えられない。

2015-03-23 04:47:26
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そうだよね。もしそんな伝承が開発前にあったら、原子燃料公社は喜んで鉱床探査するよね。

2015-03-23 04:48:51
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

なんかアレだ。川口浩探検隊の「人跡未踏の地に人喰い虎を見た!」みたいなオチになりそうな予感・・・。

2015-03-23 05:00:35
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

(まとめ)湯梨浜町方面(かたも)伝承 ①湯梨浜町には、入らずの山の伝承を語る人が(少なくとも)一人いる ②湯梨浜町のウラン鉱床近傍は、開発前から人が出入りする里山 ③湯梨浜町の奥に未発見の放射線異常区域があると考えるのは困難 (結論)湯梨浜町の言い伝えは、ウラン鉱床とは関係ない

2015-03-23 05:09:37
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

(参考)たぶんここらへんが閲覧が容易 動燃「日本のウラン資源 I~II」 地質調査所報告第190号「日本におけるウランの産状 その1」 地質調査所報告第232号「日本におけるウランの産状 その2」 国土地理院空中写真閲覧システム mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do

2015-03-23 05:17:30
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コメント

Love Shinto @revolteaware 2019年1月10日
昔、どこかで聴いた話と似ていると思ったら。 ホピやアボリジニの聖地が、神聖にして畏れるところだから立入禁止になっていた話とどこかでミックスされちゃったんでしょうか? ネット民話のいちヴァージョンとしてなら興味深いかも。
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