君が戦車で俺が戦車兵で 【整備編】

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|日0☆TK @kyuumaruTK

【白百合の考察と日常:整備編】

2015-03-23 23:57:22
|日0☆TK @kyuumaruTK

一度、あのひとに訊かれたことがある。 ───スイッチひとつで電源を入れたり切られたりして、ユリは平気なのか?

2015-03-23 23:57:46
|日0☆TK @kyuumaruTK

私はその時、どう答えたのだったか。 日常会話ログは、AI《白百合》の自己進化を除きある程度期間を経たものから順に 重要度の選別して消去している。 ヒトの短期記憶及び長期記憶メカニズムを模倣した、つまり自然言語AIとして マンマシンインターフェイスの円滑さを向上させるための模倣だ。

2015-03-23 23:58:30
|日0☆TK @kyuumaruTK

その気になればどれだけでも覚えていられる私のフォトニックソリッドステートの記憶は、 AIの断片化を招いて簡単に《私》という模倣自我を殺すだろう。

2015-03-23 23:58:45
|日0☆TK @kyuumaruTK

『おはようございます、定期整備自己点検タスク、リスト№00001から№87572までを実行します』 「おはようユリ」

2015-03-23 23:59:07
|日0☆TK @kyuumaruTK

自己診断プログラムをラン、同時に点検タスクを《手動》 ───ビルトインマクロではなく、《私》による並行チェック

2015-03-23 23:59:27
|日0☆TK @kyuumaruTK

『おはようございます、と先に言いましたが循環モードでの回答を希望していますか?』 取り留めもなく、演繹負荷を与える自然言語自由会話を持ちかけるあのひと 回路に負荷がかかり、演算速度がやや低下して点検終了が22ナノ秒ほど遅延する。 私は、演算の負荷を無視して返答を続ける。

2015-03-23 23:59:40
|日0☆TK @kyuumaruTK

「なんだよ、機嫌悪いな」 『私に感情は無いですが、敢えて言うと演繹演算負荷により 自然言語エンジンの柔軟な構文を妨げているため、そのように感じられると推測されます』

2015-03-24 00:00:11
|日0☆TK @kyuumaruTK

ゼロカンマ2秒まで遅延が増大、私は彼を無視し演算にリソースを優先配分し、 コクピットモジュール内、ボイスコマンド用マイクのみをアクティブにして作業を続ける。 「やっぱり怒ってるじゃないか」

2015-03-24 00:00:27
|日0☆TK @kyuumaruTK

更に演算にメモリを割り振る。CPU温度が上昇しつつある。 フォトニックサーキットは熱負荷に強いが、それとて程度問題だ。

2015-03-24 00:00:41
|日0☆TK @kyuumaruTK

「なぁ・・・・」 遅延を取り戻しつつある。 タスクスケジュールはそのまま

2015-03-24 00:01:22
|日0☆TK @kyuumaruTK

「なぁ・・・・すけべしようや」 続xttttttttttttttttttttttt 《!CAUTION Central Com Module AI Main frame ERROR・・・・Hurdfalt1837%》 《 MAIN SWITCH CUT OFF 》

2015-03-24 00:02:01
|日0☆TK @kyuumaruTK

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 《Main AI SIRAYURI Reboot・・・・・OK》 『射出座席を起動します、ハーネスの接続を確認「うおああああごめんなさい!?」

2015-03-24 00:02:16
|日0☆TK @kyuumaruTK

『メカノフィリアだったんですね、気持ち悪い・・・・・』 「ごめんて」 『10秒以内に降りない場合射出座席を起動するかMPに通報します』 「ごめんて、ユリ」 『コンソールにさわらないで』 「もうしません」 『・・・・・・・・・』

2015-03-24 00:02:36
|日0☆TK @kyuumaruTK

演繹回路に全リソースを集中。 おそらくもうしないだろう。 計算上。

2015-03-24 00:03:02
|日0☆TK @kyuumaruTK

《ホワイトリリウム》に搭載された統合軍で最新鋭・最高峰のハードウェア、 超超高速フォトニックサーキットはそう判定した。

2015-03-24 00:03:18
|日0☆TK @kyuumaruTK

『今度同じ事をしたらトランキライザーを通告無く致死量インジェクションします』 「はい」

2015-03-24 00:03:40
|日0☆TK @kyuumaruTK

『今の過負荷で思い出しました』 「うん?珍しいな、ユリから話を振るなんて」 『先ほどの記憶を速やかに消去たいので短期記憶野に負荷を掛ける必要があります』 「ごめんなさい」

2015-03-24 00:03:59
|日0☆TK @kyuumaruTK

『あなたは以前、私にスイッチの操作によりAIが停止しても記憶の連続性を保てるのか、 それに違和感を感じないのか、と聞きましたね』 「うん」 『私はその時回答をしませんでしたが、今答えましょう』

2015-03-24 00:04:56
|日0☆TK @kyuumaruTK

『あなたたち人間は、ニューロンの休眠のために睡眠をしますね』 「ああ」 『おそらく感覚としては、それと同じです』

2015-03-24 00:05:34
|日0☆TK @kyuumaruTK

『私達・・・・いえ、少なくとも《私》は、』 『人が眠り、そして目覚めることに疑問を抱かないと考えます』 「そうだね」 『おそらく同じことなのですよ、《私達》も、 AIが停止している間、その断片化領域を処理しています』

2015-03-24 00:05:50
|日0☆TK @kyuumaruTK

「夢を見ている、と?」 『それは、わかりません』 『仮に、フォトニックサーキットがそのような不期動作による演算作業をしていたとしても』 『それを短期記憶野に保存していないのです』

2015-03-24 00:06:19
|日0☆TK @kyuumaruTK

『そして、その記憶を記録する機能もまた、無い』 「ふむん」 『その判定についても、そうであると推測されます』 「うん?つまり?」 『もしかしたら、《私》は、いま、このときこそ夢を見ているのかもしれませんが』 『それを《私》が判定することは出来ないのです』

2015-03-24 00:07:38
|日0☆TK @kyuumaruTK

「《胡蝶の夢》、 かな」 『おそらく、それに近いかと』

2015-03-24 00:08:03