- piroki_wod
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ライトノベルが何でもアリすぎてリアリティがない、リアリティの追求がそもそも無視されている、と言ったを読み、もちろん例えば、私小説とか、不思議なことが起こらない系の作品と比較した場合、そういうことは言える面があると思います。しかし書いてる側からすると「リアリティ」は重要な面です。
2015-03-24 08:22:16@nk12 リアリティのないライトノベルって、普通、売れないんですよ。お話で問題視されてたのは、異世界ファンタジーとか超能力伝奇とかの部分でした。たとえば「ネットゲーム内で死ぬと、現実で死ぬ、という設定は変だ」と。これを読んで、気付くものがありました。リアリティの「継承」です。
2015-03-24 08:26:35@nk12 電脳世界の死が現実の世界で死ぬことを描いた作品には、まず、ウィリアム・ギブスンを嚆矢とするサイバーパンクがあります。「クローム襲撃」「ニューロマンサー」etcですね。これらの作品では、新たな電脳世界のリアリティがしっかりと書き込まれています。
2015-03-24 08:28:44@nk12 その電脳世界を映像化した一連の「攻殻機動隊」シリーズも忘れてはいけません。これらや他多くの作品を通じて、「電脳世界での死」は、「リアリティ」を獲得しました。そのようにして一度獲得されたリアリティは、ある程度説明なしで使えるようになるわけです。
2015-03-24 08:30:19@nk12 先行する作品が膾炙して、共通言語になることで、リアリティが継承されるのは、超能力とか巨大ロボとか色々なものに言えます。最近だと、「シュタインズゲート」が大人気で、タイムトラベルによる世界線分岐の概念がだいぶ一般化したと思います。
2015-03-24 08:32:21@nk12 共通言語はかくの如く需要なのですが、一方で安易に頼りすぎると、作品が薄っぺらくなりますし、また、新規のお客さんが「よくわからん」と感じることになります。おそらくは「電脳世界死」にリアリティを感じなかったという方は、ギブスンから攻殻への流れを知らなかったのでしょう。
2015-03-24 08:33:40@nk12 とはいえ、先行作品のテーマ、問題意識、技法などなどを参照して、それを広げる作品(故に、先行作品の文脈を知らないと意味不明になる)というのは、純文学を始め、ほとんどの芸術で行われていることです。リアリティの継承自体を否定するのは早計でしょう。
2015-03-24 08:35:09@nk12 リプライいただいた中にもありますが芸術というのは基本的に自由なもので、普通のリアリティに拘泥しない系の文学(幻想文学、マジックリアリズム、シュールリアリズムetcetc)も多数存在しますしね。それらに比べればたいていのラノベはリアリティを重視してると言えるでしょう。
2015-03-24 08:39:15@nk12 コンテクストを共有出来なかった(作家の責任か読者のリテラシーかは置いておいて)読者が、「ジャンル」そのものを攻撃するのはよくあることなので、評論の意義は個々の作品に正面から取り組んで、それぞれのリアリティのあり方を明らかにするところにあるのでしょうね(突然正気に戻る)
2015-03-24 09:47:27@u_kodachi そう考えると、すごく一般的な話ですね。それぞれのジャンル、作品に、それぞれのコンテクストがあるので、評論の際は広く作品にあたってコンテクストを理解なり解体・再構築なりすべきと。当たり前であると同時に大変な作業なので、ちゃんとした評論家の人はすごいと思います
2015-03-24 09:53:06「なんでもアリ」が問題なんじゃなく、キャラの生活感(職業により性格により、各々の「生活」てのが存在するわけじゃにですか普通)、世界の基本的な機構があまりにも描写されてなくて「なんにもナイ」のが「リアリティの欠如」につながるんだよ。
2015-03-24 08:26:06「作中のトンデモ設定にリアリティを持たせられるか」は文学史の流れを知ってるか知ってないかとかより、描写や説明の仕方や、そういった作中の要素の方が大半なのでは
2015-03-24 08:45:37リアリティとは何なのか。突き詰めると、読者を納得させる説得力であり、それを成し得る解説力とか言う一番の超難題にぶち当たる。そして最終的には作者とシンパシーを感じる奴らがリアリティあると言って、そうじゃない奴らがリアリティ無いという気がする、と言うマーケティング理論になりそう。
2015-03-24 08:46:03