最終話放送直前・TVアニメ『ローリング☆ガールズ』 広島/岡山編(第9~11話)+α プチ考察まとめ

知る人ぞ知る?深夜アニメ『ローリング☆ガールズ』最終話の放送が近いという事で、本作の最終章である広島/岡山編の前半部(第9~11話)への感想ないし考察ツイートをまとめた内容になっております。 なお、各話の描写をひとつひとつ網羅していくわけではなく特定のシーンに言及を絞った構成となっております(※作品全体への総括的な感想を後日改めて書く予定です)ので、予め御容赦ください。 ちなみに、本文中の「広島国と岡山国をめぐる因縁…についての仮説」および「岡山国民の血税はどこへ? ~九鬼温羅の目的~」の項は第11話が放送される前に書かれた文章ですので、既に本作を最新話まで御覧になっている視聴者の方々は、筆者の予想の盛大なハズレっぷりをお楽しみ下さい。 続きを読む
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はじめに

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

「最終話放送直前・TVアニメ『ローリング☆ガールズ』 広島/岡山編(第9~11話)+α プチ考察まとめ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/800730

2015-03-29 09:30:16
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

記事の解説文にも書きましたが、ローリングガールズ最終話が放送間近という事で広島/岡山編 前半部(第9~10話)の感想ツイート+αをまとめました。 あくまで個人的なロリガ解釈の備忘録となっておりますので読まれる方は御留意を。なお第11話の感想は最終話の関東放送前に追加する予定です。

2015-03-28 19:31:16

第9話 ~ノゾミとアイとキビ団子の機微~

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

『ローリング☆ガールズ』第9話を視聴。 今回から最終章?の広島編に突入という事で幾つかの謎の解明も含め展開が大きく動いたが、導入部としてはこれまでのエピソード中で最も手応えを感じられる内容だったかと。特に望未と逢衣がきび団子を発端に口喧嘩を始めるシーンが秀逸なので以下解説。(続

2015-03-10 23:30:09
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

ロリガ第9話、手元にひとつ残ったきび団子を見つめる望未。あの場面は何を意味しているか?普通に見ればなんて事のない日常風景だが、残った団子を「どう配分するか決める(提案する)権利」を行使できない望未の“問題”を示した表現として考える(続 pic.twitter.com/Ux0kfSWYXq

2015-03-10 23:35:10
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有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→ あるいは残った団子を「石」に置き換えれば分かりやすいかもしれない。これまでの話数でも何度か描写されてきたが、望未は「強い(と見做される)人間が、何故そうたり得るか?」の理由・内実を余り理解していない(そもそもそういう立場を背負いたがらない)人物として描かれている節がある。(続

2015-03-10 23:35:55
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→勿論、東京編の第4話でやはり逢衣と口論になった際、望未はモサの真茶未を「強くなくても諦めないよ!…だから強くなれたんだよ、きっと」と評しており、“強き者”がそうある為の根拠や基本を心得てはいるが、「もし自分がその立場を背負ったら」という所までは具体的な想像がつかないのだろう(続

2015-03-10 23:36:55
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→だからこそ、愛知三重編で姫子がマッチャグリーンの話題を出した時に望未は開口一番「実はそれがまーちゃんで…」と言うし(直後に逢衣が“石”への興味を示している点も重要)、姫子から譲り受けた石を水戸黄門の印籠が如く(それだけで権威が発生するかの様に)三重の副団長に振り翳すわけだ。(続

2015-03-10 23:37:25
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→つまり望未は「強い人間が背負うもの」に関して初歩的なイメージは掴んでいながらも、その先の責任と行使にまつわる部分には「なんかピンと来ない」認識のまま生きていて、そうであるのも真茶未という強き者に庇護されその勇姿を傍観し続けてきた自分の立場を良くも悪くも弁えているからだろう。(続

2015-03-10 23:38:40
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→そうした性格の望未であるから、残ったきび団子を見て「これをどう扱うべきか」その決定権の行使に戸惑う…という見方が出来るのだが、その葛藤に遠慮なく割り込むのが逢衣で、彼女の場合は望未とは違い「強さ“それ自体”への素朴な羨望」を隠さないので、「団子を取る」という決定に迷わない。(続

2015-03-10 23:41:45
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→一般道徳的に見れば逢衣の行動は普通にズルいという事になりそうだが、残った団子の扱いを決め倦ねていながら、いざそうした結果が起きてから逢衣への不満を後出し的に表明する望未にもまた別のズルさがある。実際この場面では両者が「ズルい」と言い合っており、その言葉の差異が肝になっている(続

2015-03-10 23:44:32
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→即ち、団子のシーンを筆頭にこれまでの話数で描写されてきた望未と逢衣の性格の対比は、直後に石(モサ)をめぐる口論へと発展する事からも判るように「“強さ”を獲得する際に伴う責任の内実」をそれぞれ異なるベクトルで理解し切れていない二人の(本作の主題にも繋がる)問題を象徴している。(続

2015-03-10 23:45:18
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→今回の第9話含め、これまでの話数で望未は何度か「私たちに何か出来る事はないか」と口にするが、そう言えるのも、その行動や決定に関する具体性や責任へのイメージが薄い(≒あくまでモブで居続ける)立場にあるからという見方もでき、その意味では口論の最後、逢衣からの指摘は一理あると言える。

2015-03-10 23:48:08
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→望未には前述した様な「強さを背負うこと」への認識の薄さ故に「決定的な振る舞いや言葉を持てない」という課題がある、しかしその事を自覚し、身の程を弁えているからこそ「喧嘩したら仲直りすればいいんです」といった単純な言葉でさえも意を決して他者に投げ掛ける…そこが彼女の良さだろう。(続

2015-03-10 23:49:01
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→一方、望未に「石で楽に強くなろうとしてズルい」と言われ「じゃあモサは全員ズルいじゃん!」と返した逢衣は強さを背負っている人間の内実をイメージ出来ていない、そうであるが故にモサ志望者の割には戦闘能力が著しく低く、所沢編では北多摩デンジャーズのモブにさえ軽く投げ飛ばされている。(続

2015-03-10 23:50:01
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→望未と逢衣、両者はそれぞれ言行不一致的な問題を抱えており、それはある種の呪縛の様にも見える。逢衣は先述した通りで、望未はモブの中のモブ…いわば“普通”の檻から脱け出せず、東京編や京都編では石の再発見まであと一歩の所まで接近しても事態解決への決定的な手柄は取り逃してしまう。(続

2015-03-10 23:51:12
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

→そんな二人の、必然的とさえ言える衝突の蓄積を「ひとつだけ残った食物」の処理をめぐる考えの違いという極めて日常的な場面を用いて自然かつ効果的に統合させた脚本は見事と言う外ない。きび団子に引っ掛けるなら、このままでは望未も逢衣も“桃太郎にはなれない”という事だろう。 >ロリガ第9話

2015-03-10 23:52:11

※ ↑ 少し補足、というか訂正。 “桃太郎にはなれない” と言うよりは “桃太郎のお供(助け)にさえなれないかもしれない” と表現した方がより適切かもしれません。特に望未の場合は元から「モサになりたい」と思っているわけではないので。



第10話 ~石作ストーンズの野望~

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

『ローリング☆ガールズ』第10話。各シーンへの詳細な言及は後に回すとして、最終章である広島編、そして本作全体の構造を考える上で重要なのは「なぜ石作ストーンズの様な集団が最後の敵として設定されているのか?」任侠や仁義といった伝統、ランドマークとなる象徴を破壊する事の意味は何なのか。

2015-03-16 02:23:52
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