2015年3月30日

囚人【パロディ……?】

囚人と紙飛行機、僕夢バージョンです。
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二次小説創作ぶどー。 @uminosati

【囚人〜レイ〜】 夏も終わりが近づく頃。涼しげな風が柵の向こうの草を靡かせた。 そんな風景を眺めながら重い土を運んで、穴に埋めていたあの日。 あの日……僕は、柵の向こうの少女に恋をした。

2015-03-26 02:20:12
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

まず、僕について自己紹介しよう。 僕は囚人番号1022。名前なんてない。囚人だから。 背は……大体160ぐらい。栄養をあまり多く摂れないからか、体は細い。……自分でいうのもあれだけど。 年は15。実は、ちょっとした記憶喪失にあっていて……10歳より前の記憶がない。

2015-03-26 02:23:21
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

だから、ここに入る前はどこの誰だったかも分からなく…… 「おい!1022!手を止めるな!」 ……見つかった。慌てて作業を始める。 今は穴を掘り、そこから出てきた土を別の穴に埋めるという作業をしている。何のためかは分からない。 だけど、穴と穴の距離が遠くて……とても重労働だ。

2015-03-26 02:26:32
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「おい、これ運んでくれないか?」 「はい」 同じ作業をしている囚人仲間に言われ、土を穴へ埋めに移動する。袋に詰めてそれを背負っているから……非常に重たい。 ……と、すうっと頬を撫でるような涼しい風が通った。 「大分、涼しくなったなぁ……」 無意識に視線を柵の外へとすべらせる。

2015-03-26 02:29:31
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

柵の向こう側では草原が広がっており、風がその草々を靡かせていた。 綺麗な緑色に染まっている、外。無機質な色が広がっている、中。 「(あんなに近いのに、こんなにも違うんだな……)」 そう思うと、何故だかとても遠いものに見えてきてしまう。

2015-03-26 02:32:13
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

ぼーっと草原を眺めていると、視界に緑色じゃない何かが入り込んできた。急に意識が覚める。 それはどんどんと柵へ近付いて来る。 それは白色をしていて……近付いて来て…… 「……人、だ……」 そう。それは紛れもなく人だった。しかも、僕と同じぐらいの年齢の……少女?

2015-03-26 02:34:28
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

近付いて来る。どんどん近付いて来る。 ……え、ちょっと。危ないって。その柵、高圧電流が流れてるって。 「あ、危ないよ!」 そう、口からポロッと出てしまった。すると、その少女がこちらを向く。 「……綺麗……」 第一印象は、それだった。

2015-03-26 02:37:51
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

まず、風が吹くとなびく髪の毛。とても綺麗な黒色をして、太陽の光がきらきらと反射して輝いていた。 そして、肌。透き通るような白色をしている。ワンピースの色にも負けないぐらいの…… 瞳は、アメジストのような紫色。その瞳もまたきらきらと輝いているように見えた。

2015-03-26 02:41:33
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……え、あ、あの、ごめん!ただ、その柵に近寄ると危ないよーって……」 何故か、心臓がうるさいほどにバクバクとなる。言葉が上手く発せれない。 「…………」 柵を隔てて目の前にいる少女は、口をパクパクさせて何かを伝えようとしていた。

2015-03-26 02:44:20
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

まさか、僕が囚人だと分かって……大声を出すと看守にバレると思ったのかな? そう思い、手で大きな丸を作った。……すると、その少女は安心したようにほっとため息をついた。 あ、り、が、と、う そう、大きく口パクをして少女に伝える。 ど、う、い、た、し、ま、し、て そう返ってきた。

2015-03-26 02:46:39
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

すると、また少女は何かを伝えようとしてくる。 ま、た、あ、し、た また明日? こ、の、ば、しょ、で この場所で……?目の前の少女は、また明日も僕と会ってくれると言っているのだろうか。 ……嬉しい。何故だか分からないけど、とても嬉しい。 わ、か、っ、た 大きく手で丸を作る。

2015-03-26 02:49:37
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

すると、その少女は安心したような笑顔をみせた。そして、手を振り じゃ、あ、ね としてくれた。僕は、手を振り返すだけが精一杯だった。 ……とても、胸が高鳴っていた。

2015-03-26 02:51:39
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

その夜。僕は必死に考えた。どうしたらあの子ともっと繋がれるか。 だけど、僕は囚人。柵を越えてあの子に触れる事もできないし、話し合える事すら出来ない。 どうすれば。どうすれば、もっと…… 「そうだ……!」 いい方法を思いついた。そして、紙とペンを取り出して手紙を書く。

2015-03-26 20:10:34
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

翌日。休憩の合間を縫って抜け出し、昨日のあの場所へ向かう。 どんどん走っていくと……緑色をした風景の中に、ポツンと小さく白いものが見えた。 あの子だ。 胸が高鳴る。そして、服と服の間にあるそれを確認するかのように、そっと抑える。大丈夫だ。ちゃんとある。

2015-03-26 20:13:46
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

あの子は、また昨日とは少し違う服装をしていた。白をモチーフにしたワンピースなのには変わりはないけど。 こ、ん、に、ち、は そう言い、小さく手を振ってくれた。僕も こ、ん、に、ち、は と返す。そして、用意してきたそれを取り出した。彼女は不思議そうな顔をする。

2015-03-26 20:16:00
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

い、く、よ そして、それを放った。飛んでいるのは……紙飛行機。 僕の投げた紙飛行機は、柵を越え、綺麗に彼女の腕の中へと収まった。彼女はとても驚いた顔をする。だけど、すぐに あ、り、が、と、う と笑顔で返してくれた。その笑顔だけで、心が舞い上がるような気分になる。

2015-03-26 20:19:27
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

そろそろ、休憩が終わる。名残惜しいけど、そろそろ帰らなくてはいけない。 じゃ、あ、ね そう言い、手を振った。すると彼女は ま、た、あ、し、た と返してくれた。……また、明日。明日もまた、会えるんだ。 そうして、彼女と別れた。 とても幸せな日だった。

2015-03-26 20:21:17

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