2015年3月30日

囚人【レイカオル】

囚人と紙飛行機の(以下略)
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二次小説創作ぶどー。 @uminosati

次の日も、同じ場所へ行った。 あの子がいた。今度はあの子が紙飛行機を持っている。 い、く、よ そう言って紙飛行機を飛ばした……けど、そのまま地面へと落ちてしまった。 「……っぷぷ、あっははは!」 その光景がおかしくて、つい笑ってしまう。

2015-03-26 23:43:16
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

すると、彼女は真っ赤な顔で慌てて紙飛行機を拾った。そんな姿も可愛い。 もう一回投げたけど、僕の元へ届くことはなくそのまま地面へと落ちていった。 大きく手を振る。彼女がこっちを見た。 ま、ね、し、て そう言い、いつも紙飛行機を投げる時の動作をする。彼女も真似して紙飛行機を飛ばした。

2015-03-26 23:46:08
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

すぅ……っと僕の手元へとくる紙飛行機。 やっ、た、ね そう言い、ニコッと笑う。彼女も笑う。 ま、た、ね そう言い、手を振り遠ざかっていく彼女。僕も同じように手を振った。 その背中が消えかかった頃、仕事場へと戻っていった。

2015-03-26 23:48:28
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

仕事が終わり、楽しみにしていた手紙を取り出す。そして、そーっと中を開いた。 『お手紙、ありがとうございます!えっと、私の名前はカオルといいます。医者になるため、必死に勉強中です! 柵の向こうの貴方は、どんな名前で何をしているのですか?』 可愛い文字で、そう書かれていた。

2015-03-26 23:51:02
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

……手紙を読み終える。 カオルという名前。医者になりたい。 彼女の事が、知れた。それだけでとても嬉しくなる。心が温かくなる。 ……だけど、困った。僕には名前がない。何より、あの子……カオルさんは、僕が囚人だと分からなかったのだろうか?

2015-03-26 23:54:40
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

囚人だと分からなかった……のか?困ったものだ。何と伝えよう…… うんうん、と頭を捻りながら必死に手紙を書く。書いては消し、書いては消し……それをずっと繰り返していた。 そして、ようやく書き終わると綺麗に折りたたんで紙飛行機にする。……これで渡せる。 そして、ようやく眠りについた。

2015-03-26 23:57:55
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……はあ……」 「おうおうどーした悩める少年君よ。このリョウお兄さんに話してごらんー?」 何度もため息をついていた僕に話しかけてきたのは……看守のリョウさんだ。 「……いえ、別に」 「なんだいいっつも冷たいなー」 そう言い、すぐに僕の元を離れていった。意外とあの人は忙しいんだ。

2015-03-27 09:42:02
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

看守のリョウさんにあの子の事を話したらどうなるか。囚人とむやみに接触する事は禁止されていて、僕だけでなくあの子にも罰が下るかもしれない。そんなのは、絶対嫌だった。 ……だけど、あの子と会わないようにするのはもっと嫌だ。 わがままだよな……そう思いながら、また1つため息をついた。

2015-03-27 09:47:56
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

……だけど、最近あの子の様子がおかしい。 来る頻度が前より少なくなっている。来ても、紙飛行機を渡したらすぐに帰ってしまう。何より…… 「手紙の字が……読みにくくなってるよなぁ」 前は丸く可愛らしい文字だった。だけど、今は字が震えているような感じだ。

2015-03-27 09:50:30
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「忙しいのかな」 あの子は、医者になると言っていた。その勉強で忙しいのかもしれない。その忙しい間に時間を作って会いに来てくれているのかもしれない。そう考える事にした。 「やっほー1022君♪」 「うわっ!……ってあれ?リョウさん?」

2015-03-27 09:53:20
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

背後から突然話しかけてきたのは……さっき話しかけてすぐにかえってしまったはずのリョウさんだった。 「ほら、紙。最近夜中に何かを書いてるだろー?」 バレてた。 「は、はい……ありがとうございます」 「またそれが無くなったらいつでも言えよー」 そして、今度こそ本当に帰っていった。

2015-03-27 09:55:47
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

リョウさんは明るく、囚人の中でも人気のある(と言ったらおかしい?)看守だ。しかも、副看守。双子のソウタさんも一緒の副看守だ。 ソウタさんは逆に凄く厳しく、囚人に恐れられている。リョウさんとは真逆の存在だ。 でも。リョウさんが僕にここまで良くしてくれるのは意味が分からない。

2015-03-27 09:58:14
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「不思議な人だよなぁ……」 そして、また作業を再開した。 雨の音が聞こえる。どうやら、外は雨が降ってきたみたいだ。 今日はあの子は絶対来ないか……そう思い、少し落ち込んだ気分でその日は作業をしていた。 段々、段々と何かが壊れていくのには、全く気付かずに。

2015-03-27 10:00:53
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

……翌朝。僕は何故か副看守へと呼ばれた。 大きな扉の前に立つ。……手が震える。緊張しているという事が、嫌でも分かる。 大きく深呼吸をし、扉をノックする。 「入れ」 冷たい声が、扉の奥から聞こえる。 「し、失礼します!」 扉を開ける。中には、リョウさんとソウタさんだけがいた。

2015-03-28 01:10:37
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

護る人はいないのだろうか。そんな疑問を胸に抱きながら、2人の目の前に立つ。 「あの……」 ハッキリ言おう。とても怖い。特に、ソウタさんが。 ソウタさんは椅子に座ってて、リョウさんは机に軽く座っている。座っている、と言うよりかは乗っている、と言った方が近い。

2015-03-28 01:13:25
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

ソウタさんは……真顔で、何を考えているのか分からない。一方、リョウさんは苦笑い気味でこちらを見ていた。 「……囚人No.1022」 「は、はいっ!」 ソウタさんが口を開く。冷たい声、冷たい瞳。……あれだけの言葉を言っただけなのに、何故か体が震える。

2015-03-28 01:16:23
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「お前、外の奴と繋がってるんだってな?」 「は!?」 僕より先に、リョウさんが反応した。一方の僕は、ただただ絶句していた。 「……その反応、図星か」 「は、ちょ、ちょっと待てよソウタ……コイツが、アイツだって言うのか!?」 「ああ」 ……2人の会話の意味が、よく分からない。

2015-03-28 01:18:15
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……っ、おい、1022!」 リョウさんに肩を掴まれる。 「嘘だよな!?嘘……」 僕は、何も言わない。ただリョウさんの目を見つめる。 「……は……お、おい……マジ」 「なーんて、ね」 被せるように、言葉を放つ。そして、ニコッと微笑みかけた。

2015-03-28 01:20:13
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「僕が、外の人と?どうやって繋がるのでしょう?手紙?それとも、直接脱獄して?……ははっ、ここの刑務所の警備のかたさは、あなた方が一番よく知っているでしょう?」 呆気にとられているリョウさんを無視し、ソウタさんに、笑いかける。

2015-03-28 01:22:38
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……それが、お前の反論か」 「反論も何も……真実を言った迄ですよ?」 ねえ、リョウさん。と突然話題をふる。 「……え、あ、ああ!ソウタ、コイツがアイツのわけねぇよ!」 アイツ、の意味はよく分からないけど。どうやら信じてくれたみたいだ。

2015-03-28 01:24:15
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……いいだろう。ならば、確定的な証拠を掴むまで、だ」 「証拠?何のことやら……僕はこれで、失礼しますよ」 そう言い、無理やり副看守室を出ていった。 扉を閉め、その場にへたり込む。緊張した。 「……あ、今日はあの子に、会えるかな……」 そう期待し、あの場所へと向かっていった。

2015-03-28 01:26:46

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