2015年3月30日

囚人【レイカオル】

囚人と(ry
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二次小説創作ぶどー。 @uminosati

それから、僕の日常は変わった。 心に大きな穴が空いたような……とてもつまらない日々を過ごしていた。何をしても、何を見ても感動しない…… けれど、彼女の手紙を見ている時だけは違った。心が温かくなった。その瞬間だけが、僕の唯一の楽しみだった。

2015-03-30 02:16:39
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

ある日の夜。僕は、いつものように手紙を大事に眺めていた。 すると、部屋の外で物音がする。人の話し声もする。 「……ここだ。開けろ」 冷たい声。この声は聞いたことがある。 そして、僕のちいさな部屋の扉が開いた。立っていたのは、ソウタさんとリョウさん。それと看守が数人だった。

2015-03-30 02:18:55
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……見つけたぞ」 両腕を看守の人に掴まれる。身動きが出来ない。 「な、何するんですか!」 「証拠」 そう言い、手紙を手に取る。ソウタさんの瞳はいつにもまして冷たい。 「外部と繋がっている確実な証拠だ」 「そんな……」 そう言ったのはリョウさん。信じられない、という顔をしている。

2015-03-30 02:21:25
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「リョウ、これでいいだろ」 ソウタさんのその問いかけに、何も答えないリョウさん。 「……もういいな?」 そして、黙って頷いた。……待ってよ、ねえ。なにするつもりなの。 ソウタさんは手紙を重ね、両端と両端を持つ。 待って。それ以上は。……ねえ。 そして……思いっきり、右手を下へ。

2015-03-30 02:23:59
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「やめろ!!」 僕のそんな声も虚しく……手紙は、ビリビリと音をたてて破れてしまった。僕の目の前で、ビリビリ、ビリビリ……半分に。 「う、うわああああああ!」 手を振りほどこうとするけど、力が強く中々解けない。だけど、必死に解こうとする。

2015-03-30 02:26:41
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

目の前のやつはもう一度、手紙を重ねて上下へとひいた。そして、どんどん細かくしていく。文字が見えなくなるぐらいに。思い出が見えなくなるぐらいに。どんどん、どんどん小さく。 「え、あ、あの子の……手紙が……」 もう、僕は声も上げられなかった。 そして、手紙は紙くずとなった。

2015-03-30 02:28:50
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……離せ」 目の前のやつがそう言うと、僕の両腕は自由になった。急いで紙くずと化した手紙を集める。 「ま、だ……まだ、くっつければ……読める……読める、よ……」 集める。風が吹く。飛ぶ。 「あ、待って……」 思い出が、飛んでく。 「いか、ないで……」 彼女が、離れていく。

2015-03-30 02:30:48
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「行くぞ」 そう呟いたそいつは、看守とリョウさんを連れて僕の部屋を出ていこうとする。 ……おい、どこへ行くつもりだよ。彼女との思い出を粉々にして……どこへ行くんだよ。 「ま、待て……待てええええ!」 憎いそいつへと飛びかかる。彼女との思い出を壊したそいつへと飛びかかる。

2015-03-30 02:33:41
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「ソウタっ!」 咄嗟にリョウさんがそいつと僕の間へと入ってくる。看守も、武器を手にとった。 ……そんなの、知るか。僕はそいつを倒さないといけないんだ。彼女との思い出を壊したんだ。 心の中で声がする。 やれ。 全てを排除しろ。 邪魔する奴は……ゼンブコワセバイインダ。

2015-03-30 02:38:05
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「分かってるよ」 そして、一旦そいつらと距離をとる。一対七。でも、やれる。 まずは看守。剣を持ってる。避ける。蹴る。殴る。壁に叩きつける。それを繰り返す。 ……いつの間にか、立っているのはリョウさんとそいつと僕だけになっていた。僕の手は真っ赤に染まっている。

2015-03-30 02:40:37
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「っ、ソウタ!逃げろっ!」 そう言い、銃を構えた。銃。少々厄介だ。 ……まず一発撃ってくる。それを避ける。間をあけず、もう一発撃ってきた。肩に当たってしまう。撃った奴は、少し安堵していた。 ……こんな傷、問題ない。まだ動ける。 そして、そいつに向かって走り近付いた。

2015-03-30 02:43:16
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

そして、思いっきり顔面を殴った。右目に拳が当たる。 そいつの体は3メートルほど吹っ飛んで、跳ねて、止まった。 「う、うう……」 ……外したか。だけど、もう動けなさそうだ。 そして、とうとうそいつと向き合う。 「お前……」 「覚悟は、いいよな?」 そう言い、床を蹴るようにして走る。

2015-03-30 02:46:03
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

そのまま拳をつくり……そいつの顔面に、当てた。左頬に当たる。そいつはよろける。 ……力が弱かったか。もう一発。そう思った瞬間だった。 「はい、終了」 その声と同時に、首に強い衝撃がはしる。視界が一気に暗くなる。 その声は、ノドカさんのものだった。そして、そのまま僕は意識を失った。

2015-03-30 02:49:14
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「……っ……」 目が覚める。体が重く、頭がズキズキと痛む。 「あ、れ……?」 手を動かすと、ジャラッという音がした。ついでに言うと、足も。 見てみる。両手首手足に、鎖がついていた。 「な、なに……」 それを見た瞬間急に意識が冴え、慌てて辺りを見回す。見慣れない場所だ。

2015-03-30 12:38:38
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「ああ、起きた?」 いつの間にか、目の前にはノドカさんが立っていた。いつものように微笑んでいる。だけど、僕にはその表情がとても怖かった。知らない。こんなノドカさん、知らない。 「君の処分が決まったから、伝えに来たよ」 ……は?処分? 何を言っているのだろうか。意味が分からない。

2015-03-30 12:41:45
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「外部との接触、看守への暴力。 ……これで、処分が無いっていうのは有り得ないよねぇ」 そう言い、また微笑む。 「の、どか、さ……」 信じられない。今まで、仲良くしてきたと思ってた。 なのに……それは、それは…… 「僕を安心させるための……嘘だったって、事ですか……?」

2015-03-30 12:44:21
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「そうなるねぇ」 さらり。何でもない風に、さらりと言う。 「う……そ……」 「嘘じゃないよ?……ああ、今までの私の行動は全て嘘だけど。君を安心させるための、ね」 何かが。何かが壊れていく。 「……僕は……何の為に、生かされていたんですか……?」 震える口で、必死に言葉をつなぐ。

2015-03-30 12:46:49
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「あの子を長く生かすため、さ」 ……へ?あの子……? よく分からない。でも、それって、その言葉って、つまり…… 「実験として利用させてもらったよ」 そして、崩れ去る。ギリギリまで踏ん張っていた理性も、心も何もかもが。 「あ、ああ……あああああああああ!!」

2015-03-30 12:49:36
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「おや……まあ、大丈夫だよ。君はもうすぐ何も関係が無くなるから」 そう言い……ノドカさんの顔から、表情が無くなる。 「じゃあ、後は頼みましたよ」 そう言うと、看守の人が出てくる。そして、両手足の鎖を外し、手首についた鎖を持った。

2015-03-30 12:51:48
二次小説創作ぶどー。 @uminosati

「さっさと立て!」 そう言われ、僕はフラフラと立つ。 その様子をノドカさんがじっと見つめている。そして、何かを思い出したようにこう言った。 「そうだ。前、レイ君にあげたあの花。あれ、アメリカイヌホオズキって花だよ」 ……何故、今それを言ったのか僕には理解できなかった。

2015-03-30 12:55:38

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