プロポーズ？（丸山さんと彼女シリーズ8）

∞すみれ∞ @magic88word

1 外から帰って総務のフロアをのぞくと たまたま居合わせた△△さん "彼女定時で帰っちゃいましたよー" 小声で言ってくる 「あ、そうなん」 せやせや… 確かニシキドリョウのCD フラゲする日や

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2 最近いっぱい買い込んできてた雑誌 俺も見てるから知ってるで こと"リョウちゃん"に関しては 驚くべき行動力を発揮する彼女 今日も朝からソワソワして 定時で飛び出して行ったんやろな あー可愛い ほんでそんなことぐらいで もう拗ねへん俺 んー成長した

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3 「もしもしー」 『隆平さん、お疲れさま』 遅く帰ってもちょっとだけでも 電話で声聴くと落ち着く 「なぁ次の日曜日どっか行こか？」 『え？』 「最近ずっと土曜日も仕事入ってたし どこも行ってなかったやろ」 『うん…』

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4 あらあんまり気乗りせん⁈ それも想定内やで 日曜日からリョウちゃんのドラマ 始まるもんな 昼間もいろんな番組に出るんやっけ 知ってんで… ほんで敢えて誘ってんねん 俺っていけず…⁈ 「行こうや、なっ⁈」 『うん』

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5 ちょっと強引に話を決めた だってどうせ録画すんねんで 久しぶりにデートしたいやん どこ行こっかなー？ 車で遠出もええなぁ どことなーく テンション低い彼女を尻目に 週末までウキウキ過ごした

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6 土曜日の午後… ようやく目が覚めて電話する 「もしもーし」 『もし…もし』 「声、どしたん？」 『か…ぜ、ひいたみたい』 ゴホゴホ咳き込む君 カァー！そうきたか？ これは正直想定外 そんなニシキドリョウが観たいんか？

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7 そんな嫌がったら よけと意地悪したなるで 「風邪⁈大丈夫⁈あかん！ すぐ行くから待っといてー」 『い、いいよ… 隆平さんにうつっちゃうし…』 またまたぁー もうミエミエやってー 「とにかく行くから！ ちゃんと寝とくんやで！」

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8 出かける準備をしながら考える そんなに観たいんか… 俺と会うよりテレビ選ぶ…て ちょっとへこむわ そういえばあいつから 好き…て言われたことあったかな あれ？あったかな…？ #エイトで妄想 pic.twitter.com/nmnpGAPd3S

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9 家にいてもどうせ ゴロゴロするだけやし 今夜は彼女んとこ泊まろ 思わぬ展開やけど 逆によかったやん 不安な気持ちは閉じ込めて 途中でスーパーに寄って いろんなものを買いこんだ ビーフシチュー煮込むには 時間が足らんし 風邪やっていうてるから やっぱ粕汁か？

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10 合鍵使うん初めてや なんか悪いことしてる気分… なるべく音立てんように入ったら 薄暗いしシーンとしてる 「○○〜、来たでー」 …… ベッドで寝てるん…？ 近づいて名前呼んでも起きひん そっとおでこに手を当てて びっくりした むっちゃ熱い…

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11 ほんまに熱あるやん…！ 体温計どこいった？ てかその前に冷やすもん 冷蔵庫にあった アイスノンを出してくる このままじゃあかんか タオル、タオル… あっち行ったりこっち行ったり バタバタしてベッドに戻ると 彼女が目を覚ましてて

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12 『りゅう…へいさん』 「あー起きんでええって」 ベッドに寝かせて タオルを巻いたアイスノンをあてる 『ごめんなさい』 「なにゆうてんねんなー」 謝るのは俺の方… 仮病かもって思ててんもん

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13 「起こしてごめんな…また寝とき その間に粕汁作っとくから… あ、おかゆさんの方がええか⁈」 『ん…両方…』 「おぉ両方か？よっしゃ任しとき」 彼女が甘えてくれたんが なんか嬉しくて 腕まくりする俺

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14 慣れへん料理するから めっちゃ時間かかって できた頃にはすっかり日が暮れてて 起こすのもかわいそうやから しばらく寝顔みてたら 俺も眠たなってきて… ちょっとだけ寝よかな そーっとベッドに入って くっついてみたら 彼女の身体が熱い

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15 そらそうやわな熱あんねやから でもちょっとだけ荒い息遣いとか ほんのり紅いほっぺたとかが 妙に色っぽいねん な、なにムラムラしてんねん 俺はこんなときに… #エイトで妄想 pic.twitter.com/KLgIYwQemT

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16 熱出して寝込んでる子に 変なことできひんし 顔だけ彼女の腕あたりにくっつけて そばにあった薄くて頼りない ニシキドクッションを抱きしめて 目をつぶった… カシャッ！ 「うーん…」 片目を開けたら すぐそばで横になったまま 彼女が携帯を構えてた

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17 「…なにぃ…」 『かわいかったから撮っちゃった』 「なにがぁ？」 『だってそれクッション抱っこして』 もう…人の気も知らんと でも少し寝てたみたい 「気分どう？」 『もう大丈夫、頭痛くなくなったし』 おでこを触ってみたら まだちょっと熱い

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18 「まだあかん、熱いで」 『お腹すいた…』 「ほなごはんにしよ ちょっと待っといてな…」 粕汁とおかゆを温めてると 彼女が起きてくる 「あーベッドまで持って行くのに…」 『そんな重病人じゃないよ〜』 そう言って笑いながら椅子に座る

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19 「喉渇いてない？CCレモンあるで」 『ありがと』 「ごめんなー、おかゆさん ちょっとふやけてもうたわぁ」 すぐそばに椅子を持ってって座ったら 袖で口を覆ってめっちゃ笑う 『なんで…近いよ』 「はい、お口あけ」 『自分で食べれる…』 「あかん、あーん」

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20 『恥ずかしいからー』 「やりたいの！ホラ、あーん」 顔真っ赤にしてちっさく口を開けて 『おいしい…』 って上目遣いでもじもじして言う 口元ばっかり見てるからかな なんかやらしい 今すぐちょっと開いた口に しゃぶりつきたい気持ちを ぐっと抑える

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21 『ごちそうさまでした、ありがとう』 「よろしおあがり せやデザートもあんねんで」 冷蔵庫からアイスを出してきたら 『リョウちゃんが CMしてるのばっかり…！』 「あ、ほんまや」 ふたり顔見合わせて笑う いつのまにか毒されてる俺 恐るべしニシキドリョウ…

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22 「あんまり無理したらあかんで」 ベッドに寝かせて布団をかける 『隆平さん…今日はほんとにごめんね せっかくのお休みに…』 「なに言うてんの」 『私ね…明日出かけるのちょっと 気乗りしなかった…ドラマが観たくて だからバチがあたったんだね』

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23 「俺もやで」 『え？』 「仮病なんかな…て思てた…ごめん」 『ううん…』 「○○とおったらどこでも幸せやねん それだけでええ…」 『うん…』 「一緒に住もか」 『え…⁈』 #エイトで妄想 pic.twitter.com/BcyKZCysnC

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24 一緒に住も…て言うたら めっちゃびっくりしてる 「いま急に思いついたんちゃうで ちびが来たときから考えててん」 「今日みたいなことあったら 心配やし…」 ちっこい手を両手ではさんで 見つめたら 目泳がせて 必死で思いめぐらせてる

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25 『私ね…結婚するまでは 別々でいたいの』 「ん…前もそんな事言うてたな… …ほな結婚しよ」 『……』 固まってる 「なんか言うて？…あかん？」 『…あかん』 身体を起こして首に抱きついてくる 返事と行動が合うてへんよ