2010年12月18日

2010年年間ワースト候補 選評のようなもの(評:後藤和智)

2010年の年間ワースト本候補(ほとんど若者論)に関する書き込みです。なお、秋の俗流若者論「御惨家」についてはこちらを。 http://togetter.com/li/71002
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後藤和智@技術書典オンライン・盛岡CRUSH参加予定🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto

原田曜平が『近頃の若者はなぜダメなのか』(光文社新書、2010年)なんていうくっだらねー本を出した。47都道府県1000人にフィールドワークしたことを売りにしているけれど、明らかに「30代以上には信じられない若者の心理」を強調しているとしか思えない書きぶり。

2010-01-17 12:41:24
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要するに評価が不公平だということだ。とある年代以上の「常識」を所与のものとして捉え、そことは違うものを、社会に対する影響への評価を勘案せずに騒ぎ立ててみるという笑える本である。

2010-01-17 12:43:11
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コミュニケーション論への偏重、そしてその変化を生み出したのが「携帯電話」による「新村社会」というのもありがちな分析。しかも最終章で「「若者のことを知りたい」という好奇心はどこへ行ってしまったのか」なんていっちゃってる。

2010-01-17 12:44:12
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はて、その好奇心は果たして純粋なのか?というか純粋故に暴走しているんじゃない?そう思わざるを得ない本であった。

2010-01-17 12:45:25
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中川淳一郎『ウェブを炎上させるイタい人たち』(宝島社新書、2010年)の第5章が思想的に超展開すぎる。とりあえずp.223の8~11行目に関して言わせてもらうと、「フリーター」という言葉がポジティヴな響きで迎え入れられたのはその言葉が創出された1980年代終わりくらいで、(続く)

2010-02-15 23:09:22
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(承前)「ニート」に至っては、少なくともメディア上においては圧倒的に否定的なイメージが多数。『「ニート」って言うな!』(光文社新書、2006年)の第3部を書いた私が断言する。

2010-02-15 23:10:25
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それよりも超展開なのは、現在の30~20代くらいの人を、上の世代によって与えられたインターネットという遊び道具によって劣化させられた世代だ、というp.224以降の主張だ。こういうのは結構斬新(かつ無意味)な世代論である。

2010-02-15 23:11:34
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(承前)常識的に考えて、特定の世代をそういう風におとしめる歴史教科書が存在しうるか?いずれにせよ、こういう世代論が、インターネットの「敗北」を声高に主張する論者によって展開されたのが興味深い。研究の余地があるかもしれない。

2010-02-15 23:15:23
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(承前)ま、もちろんこの人が現在の経済や労働環境について全く無視して語ったところで、そのような世代論には何の意味もないのだが。pp.251-252には、このままでは自分たちの世代はこういう風に歴史教科書に書かれてしまう、という文言があるけれども、

2010-02-15 23:13:18
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ま た 門 脇 厚 司 か<今月の岩波新書の新刊。この人は森昭雄、正高信男、岡田尊司の「理論」の信奉者。新刊『社会力を育てる』(岩波新書、2010年)pp.54-59においても、岡田理論を真に受けてメディア悪影響論をぶちまけている。

2010-05-22 13:04:35
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続いてワーストを。1:楡『衆愚の時代』(新潮新書)。いったい何に1年半もかけたらこんな愚痴ばっかりの本ができるの?2:関沢『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)。何が言いたいの?としか言いようがない。そんだけ内容がない。

2010-07-03 23:59:11
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(承前)3:原田『近頃の若者はなぜダメなのか』(光文社新書)。この手の「寄り添う」スタイルの本は概ねダメな質的調査の見本になっちゃってる。とはいえ、今のところはワースト候補でもまだ一部しか読んでいない本多数。田母神、戸塚『それでも、体罰は必要だ!』(WAC)とか、(続く)

2010-07-04 00:01:46
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(承前)村上、川島『遺伝子学者と脳科学者の往復書簡』(くもん出版)とか、宮台『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)とか。まだ今年の若者論の真髄には触れていないんだろう、私は。

2010-07-04 00:04:28
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光文社新書の片田珠美の新刊、内容は私が飽きるほど読んできた俗流若者論のオンパレードなんだが、タイトルがすごい。『一億総ガキ社会』て。「ガキ」て。なんで近頃の若者論って、「バカ」とか「ガキ」とか「ゆとり」とか、下品な物言い・言い回しを好むの?

2010-07-17 13:44:28
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そーいや、今月は藤田紘一郎も『カイチュウ博士のオトコ強化論』(双葉新書)を出してたのよね。書店で見かけて即刻購入余裕でした(もちろん年間ワースト候補として)。

2010-07-29 00:14:28
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岡田尊司は年末に大変なネタを置いていきました:『なぜ日本の若者は自立できないのか』(小学館、2010年) http://www.amazon.co.jp/dp/4093881618/ 読んでれぅ

2010-12-08 23:51:40
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岡田尊司、早速新刊のp44にて「凋落し続ける日本人の学力」とか言って、PISAの「順位」(爆笑)出してやがんの。もうこれだけで税込み1,365円の元がとれたよ。

2010-12-09 00:21:50
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岡田の新刊、3分も経たずに読めた。結局超超超ありきたりなリベラル系の「現代教育批判」(日本の教育は子供達の個性をつぶしている!的な)+「視覚空間型」「聴覚言語型」「視覚言語型」というなんぞそれ分類+ありがちな現代偉人伝+統計いっさいなし、という萌え萌えの1冊。初心者向けですね。

2010-12-09 00:26:30
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豊田『就活エリートの迷走』(ちくま新書、2010年)、これ結構俗流若者論の色彩が強いんじゃない?香山リカとか土井隆義とか平気で引用されてるし、ありきたりな「就活」批判+コミュニケーション能力礼賛、っていう。まあ御惨家とか片田某と比べればたいしたことないけど。

2010-12-09 00:32:43
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何はともあれ、今年は俗流若者論は豊作だな。バッシングから擁護まで、期待の新人からまたお前かまで、初心者向けからマニア向けまで、そろいまくっている。

2010-12-09 00:37:32
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@satoruishido 科警研といったら、著者にそこの中の人が加わっている『インテリ公害』(グラフ社、2010年)なんていう残念な本が今年出てましたね。まあ、偽史系(インテリの思想によってもたらされた近代化で青少年が堕落した)俗流若者論の入門書としては最適なんですけど。

2010-12-17 23:56:54
後藤和智@技術書典オンライン・盛岡CRUSH参加予定🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto

私のMediamarkerに「2010年年間ワースト候補」タグがついている本が38冊もある…。

2010-12-18 12:27:23
後藤和智@技術書典オンライン・盛岡CRUSH参加予定🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto

今年のワースト候補本から。石戸諭に紹介した中里、松井『インテリ公害』(グラフ社、2010年)のほか、初心者向けと思える本を何冊か。小浜『人はひとりで生きていけるか』(PHP研究所、2010年)は「思想」系の、(続く)

2010-12-18 12:35:38
後藤和智@技術書典オンライン・盛岡CRUSH参加予定🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto

金澤『電子メディアは子どもの脳を破壊するか』(講談社文庫、2010年。文庫書き下ろし)は「脳科学」系の、澤口ほか『発達障害を予防する子どもの育て方』(メタモル出版、2010年)は「子育て」系の、いずれも俗流若者論の入門書として最適。(続く)

2010-12-18 12:37:54
後藤和智@技術書典オンライン・盛岡CRUSH参加予定🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto

(承前)もちろん、青少年犯罪とか教育とか若年雇用とか経済とかの基礎的な知識があることを前提とするけど。真に受けるようであれば、それはあなたの基礎知識の不足による。

2010-12-18 12:38:47
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コメント

後藤和智@郡山ADVP申し込み済み/ファイザー2回接種済🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto 2010年12月24日
2010年ワースト候補選評に、原田『近頃の若者はなぜダメなのか』など、過去のtweetを追加しました。
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後藤和智@郡山ADVP申し込み済み/ファイザー2回接種済🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @kazugoto 2010年12月30日
ワースト候補書評に、三浦『愛国消費』(徳間書店、2010年12月)について追記しました。
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