工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第八期【2013年4月-6月】20首

工藤吉生の動向 @mk791122

【第八期】2013年4-6月。42首。 NHK短歌へ投稿を開始。山形での歌会に参加した。結社から歌集評の執筆依頼がきた。初めての原稿依頼。

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〈1〉 とりあえずビール運ばれとりあえず生きてるオレはカルピスを飲む

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〈2〉 エアリプのつもりだろうか相手する気にもならんと入力し消す

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〈3〉 道場で揃って受け身をとっている透明選手の透明投げに

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〈4〉 四種類小袋つけば面倒なカップ麺だと嘆きたくなる

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〈5〉 自転車にクルマにそっちの人達に踏みつけられて木の葉晩年

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〈6〉 ブレーキが雀の声で鳴く朝の長い下りの坂道を行く

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〈7〉 戦場に細川たかしの笑い声　ハッハッハッドカーンハッハッハッドカーン

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〈8〉 全否定された生き方貫いてどこまでだって不幸になる気

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〈9〉 うぬぼれはオレを支える一本のえらく丈夫で長すぎる杖

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〈10〉 マジックで腕に直接書き込んだ時計によれば午後３時です

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〈11〉 消防士が横から洗う消防車　春の夕べのやさしい水で

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〈12〉 上を向きコンビニに行く空こそが唯一の自然物と見込んで

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〈13〉 飛行船彼方に浮けば一日をその影響の元に過ごそう

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〈14〉 電線のわずかなたるみこのくらい余裕がないといろいろつらい

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〈15〉 自転車に乗る練習をした空き地アパート二つの広さだったか

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〈16〉 強風に乗ったら空を飛べるかと木の葉一枚くらいのロマン

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〈17〉 暗闇にわれ背後より近づけば女学生の足やや速まりぬ

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〈18〉 右から来た仕事を受け流さずにやるムーディー勝山の手を握りしめ

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〈19〉 携帯の充電コードに猫がじゃれ引き離したりしている土曜

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〈20〉 触ったら噛みつく場所を知っていて触って噛みつかれている月曜