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2015年4月5日

プロレスラーの自伝を読む~ブッチャーの話を中心に

twitterに書いて、その後ブログにまとめたので、http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150405/p3 このtogetterは内容的に前半がそれと重複しているのですが、いただいた反応がまた面白かったので、やはりまとめたくなりました。本がいまでも、簡単に入手できるかは分かりませんが、逆に入手できない場合はそれなりの資料的価値があるかもです。
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

1:一つの話題を最高140字に収めなければいけないtwitterを使って、さぼりがちな書評を書いてみるシリーズ、きょう時間があるので久々にやろう。 2003年に出版された「ブッチャー自伝 幸福な流血」(東邦出版) あれから10年以上たち、ブッチャーも既にリングを降りた。そして

2015-04-05 14:08:37
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

2:試合相手が「肝炎感染はブッチャーとの流血戦のせい」と訴えて勝訴。ブッチャーは莫大な賠償金を払う義務を背負い、今後をファンが心配してる… miruhon.net/?p=3471 という現状だが、その視点を入れても入れなくても大変興味深い自伝だ。(続く)

2015-04-05 14:13:08
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

3:180Pあまり長くない自伝だが、その中でも少年時代にかなりの分量を割いている。読んでけっこう驚くのは、太平洋戦争前にカナダで生まれたこの少年は、極めて真っ当で家族仲むつまじくも、厳格ともいえる家に育っているということだ。 いや実は、裕福なインテリお坊ちゃんの山田洋次監督が

2015-04-05 14:20:53
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

脳内で考え出した的な「男はつらいよ」に出てくる、「貧しいながらも筋の通った庶民」をしてたんですよ。カナダはウィンザー育ち 「黒人やイタリア人、中国人など雑多な民族が入り混じって住むその地域は・・・中流よりやや下だったがいつも活気にみち、毎日がとても刺激的だった」

2015-04-05 14:23:46
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

「両親と男女4人ずつの8人きょうだい…その家は10人で住むには小さすぎたから、食事時や就寝時はいつも戦争状態…だが皆どこかそれを楽しんでいて…」 なんでも月収27ドルの父親が、30年ローンの2700ドルで買ったのがこの家。だから文句を言う家族は一人もいなかったのだという。

2015-04-05 14:27:36
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

6:あ、言い忘れたが、ブッチャーは父親が先住民、いわゆるインディアン、母親が黒人。自伝は「インド系」という単純すぎる誤訳をしていて一時期少し混乱があったりした。この両者には民族的な葛藤があり、その混血は、双方から目をつけられたのだという。そのため家族の結束が強くなった面もあった。

2015-04-05 14:31:21
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

しかし父親は勤勉力行の末「フォード工場の労働者」(※カナダのウィンザーはデトロイトの川向かい)という職業につき、その地位を大変に誇りに思っていた。「自動車絶望工場」なんて言い方もされるが、少なくともその当時、有色人種で工場の定職につき、マイホームがあるのは勝ち組だったようだ。

2015-04-05 14:33:57
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

8:実際にフォード社採用時の父親は「大統領にでもなったように」喜んでいたという。 この一家の本当に「真っ当な庶民」ぶりはほほえましく、挿話は全部紹介したいぐらいだ。 メニューは貧困ゆえ毎週ローテーションが決定。 だから日曜の夕、教会帰りの家ではちょっとごちそうになるのが楽しみ。

2015-04-05 14:38:28
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

9:夕食時、父親は必ず食卓で「教訓」を語り、家族はそれを聞く。 「欲を持たず地道に生きろ」 「心と体が綺麗で、食べるものがあれば十分。それ以上の幸せは本当は無いんだ」 1日10回、どこであっても神様には祈る。 誰かがやらねばいけない仕事は残すな。食器粗いも掃除も、率先しろ。

2015-04-05 14:43:26
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

10:家事を父親が促す殺し文句は「お前がやらなかったら誰がやる?ママにやらせたいのか?」母親が大好きのブッチャーはそう言われるとやらずにいられない。 教育とは凄いもので、後年レスラーとして旅暮らしのブッチャー、本来ホテル任せにできる部屋の整理をどうしても自分でしてしまうとか(笑)

2015-04-05 14:46:54
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

11:本人の回想で美化もあるだろうが、こんないい家庭なのに「プロレススーパースター列伝」では崩壊家庭で育ったとされるんだからセンセイ・梶原一騎はすごいよ。これはたぶん、70年代にアメリカが混乱、「影」が報じられたからその影響があるとおぼしい。 だが、ちょっと根や葉はなくもない。

2015-04-05 14:49:42
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

12:というのは、すくすく育ったブッチャー、家族愛が高じて「貧しいながらも楽しい我が家」の「貧しいながら」に疑問を持ち始めたのだ(笑)。 いや、それにはもっともな理由があった。母親は働き者だがずっと腹部の痛みに苦しみ、あるときそれが激痛に変わり救急搬送される。その診察の結果、

2015-04-05 14:52:59
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

13:過去の帝王切開時、針を体内に置かれる医療ミスだったのだ。取り除いて事なきは得たが、弁護士を雇い病院を訴えるような資金力はなく泣き寝入りとなった。母親がなくなるかも、という心配もあり、社会の矛盾に気付いていく・・・、また学校に上がると徐々に人種や貧富の差を感じるようになる。

2015-04-05 14:57:19
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

当時は栄養管理か、家庭環境の調査か、朝に学校で「みんな今日は何を食べてきた?」と聞かれる。 オートミールと脱脂粉乳しか食べてこないブッチャーはクラスメートに合わせ「ソーセージ、トースト、ベーコン、卵2つ…」とでまかせを言う。嘘に一番厳しかった父親も「その嘘に関しては寛大だった」

2015-04-05 15:00:24
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

15:「私は家族を愛している。今よりもっと幸福にさせる必要がある」と考えたブッチャーは父以上に勤勉な母方の祖父からの影響も受け、それを実行に移す決心をする。それは「小銭稼ぎ」であった。 この小銭稼ぎがまた、おもしろいんだわ。後年の「ガメツイブッチャー」はここから始まる?

2015-04-05 15:06:50
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

16:新聞売り・・・それも最初は普通に売ってたが、のちに「泣き売」を始める(洋の東西を問わずあるんだね…)「要らないものはなんでも頂戴」と街中を回り、その廃品を転売する。1個1セントで飴を仕入れ級友に2セントで売る。現金が無いときは借用書で売る(笑)。ついた仇名が「物売り小僧」。

2015-04-05 15:16:43
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

17:徐々にそれが「慈善バザーをします」と貰ったものを普通に販売し、新聞沙汰になったり、雨どいを油で汚しておいて「プロの刷毛はちがいます」と実演して掃除したりと、どんどん悪がエスカレートしていく。 しかし、少年ブッチャーのこの「商売奮闘篇」 は、後年のレスラー生活にも

2015-04-05 15:18:54
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

18:すごく影響を与えているようだ。 貧困や差別が影することで犯罪は上昇するが、ブッチャーは子供のころから「猛烈に勤勉に動き、常に創意工夫をして悪いことをする」というスタイルで生きてきたのだ(笑)。実はこの時…のちに第二の故郷となる日本の、ある人物に大きな影響を受けた。

2015-04-05 15:21:23
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

それは少年時代、たまたまクラスメート全員が招かれた白人の子のうちで、当時珍しかったテレビを見ていたとき。豪州で皿洗いから始めた日本人が飲食店で成功したという話題で、その日本人はこういった。 「自分は、目で料理の技術を”盗んだ”。物を盗めば捕まるが、技術は盗んでも捕まらない」

2015-04-05 15:23:52
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

20:偶然ブッチャーが聞いたこの日本人の言葉は 「のちの人生で私が成功するためのキーワードになった」 とまでブッチャーは語っている。 さらに勤勉かつ工夫を重ねたブッチャーは、朝夕に靴磨きをしつつも「私の前に靴を出すお客で、私以上の週給を貰っている人はいない」とこまで人気になる。

2015-04-05 15:31:51
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

21:しかし聡明なブッチャーは、いくら靴磨きで十分に稼げるといっても、限界があることを肌で感じていた。何かに打って出なければ、運命は拓けない。 そんな彼はウィンザー警察学校で当時無料で!開かれていた柔道と空手教室に通っていた(タダだから)。その後、七段をあやしげな男から貰う(笑)

2015-04-05 15:37:08
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

青年ブッチャーは、肉体労働で自然と鍛えた筋肉を持つ180センチ90キロの男に育っていた。そしてデトロイトには、あの「ザ・シーク」がいた。入場料を支払わず(またタダか!)会場に忍び込んで観たプロレス。有色人種の活躍も嬉しい。そのうち「自分もできるんじゃないか?稼げるんじゃないか?」

2015-04-05 15:39:48
イエデビ【黄色い悪魔】 @yelldevi

@gryphonjapan 偶然にも、私も最近2000年に発刊されたスタン・ハンセン自伝「魂のラリアット」(双葉社)を読みました。今思えば思い切り流智美文体ですがw興味深かったのは、プロモーターにあることないこと告げて現場を混乱させる「ストゥージ」の存在。ハンセンは新間をそうだと

2015-04-05 15:41:58
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

ここからレスラー・ブッチャーが誕生し、多くの名レスラーと愛憎をもちながら日本で、プエルトリコで、トップとなっていく。 だが構成を例によって失敗し、本番に行く前に膨大に書いてくたびれた(笑)。 続編を書くかは分からないが、 『「ブッチャー自伝」書評~その少年時代篇』ここで終了。

2015-04-05 15:42:12
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コメント

未知神明(みちがみ・あきら) @ontheroadx 2015年4月5日
格闘家の自伝なんて、大山倍達を筆頭に大抵がアングル(ホラ)なんですけどね。
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イエデビ【黄色い悪魔】 @yelldevi 2015年4月5日
ただのホラ話やアングルというよりも、そこに垣間見える真実を読み解くのが「プロレス者(死語)」だと思うのですが。ブッチャー、ハンセンの自伝は、梶原=大山路線とはまた違います。
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