田崎先生が、ICRPのがん死リスクの考え方で『0.5%上がる』の意味を説明する部分

田崎先生が ”やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識” ( http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/ ) のなかで、ICRPのがん死リスクの考え方で『0.5%上がる』の意味を説明。「0.5%上乗せ効果は数万人のひとが関わって見つかる。誰が増えた赤玉を引いたか解らない。」
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◯田崎先生の ”やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識” ( http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/ ) のなかの記述から、ICRPのがん死リスクの考え方で『0.5%上がる』の意味を説明する部分。(onkapiによるまとめ http://togetter.com/li/382524 から)

onkapi @onkapi

基礎知識の田崎さん( http://t.co/hhh5COt6 )、白玉150赤玉50抽選赤玉引く確率25%。白149赤玉51で25.5%。抽選人数多くしないと違いは見えない。0.5%上乗せ効果は数万人の人が関わって見つかる。また誰が増えた赤玉を引いたかわからない(区別不可!)

2012-09-30 15:16:01

・田崎先生は余計な被曝がない時の人のがんにかかって死ぬ確率をまず25%と仮定された。緩慢に1Svを被曝すると5%確率が上乗せされ25%が30%になるというのがICRP見解の意味であると教えてくれました。
 しかし事故後の日本では緩慢な被曝は1Svより少なく、100mSvを考えたほうが現実的と。1/10なので0.5%確率は上乗せされ25%は25.5%になる、この考えのほうが現実的。
 この25%と25.5%の違いを白玉赤玉で例えて説明されています。
(”緩慢に1Svを被曝すると5%確率が上乗せ”というICRPの見解、どうしてそうなるかというときには、余計な被曝がない時の人のがんにかかって死ぬ確率を20%と仮定されて説明されています。これはひとえにわかりやすく説明されるためだと思います。)

○今回の福島の事故で発生した放射性ヨウ素によるこどもたちの甲状腺等価線量はちゃんと測定されていなかった。しかしながら緊急に1000人程度の子供たちの一応の測定はされたという。その結果こどもたちの甲状腺等価線量は少なく、最大でも35mSvとの結果だったといいます。
 その最大といわれる甲状腺等価線量の値35mSvを実効線量に治すと1.4mSvになります(35*甲状腺組織加重定数0.04)。100mSvには遠く及びません。被曝による甲状腺がんでなくなるという可能性はたいへん低そうです。

○福島の甲状腺がんの検診は30万人の規模なので、上記の意味でがん死リスクは0.5%上がる状況ではないけれども、仮に甲状腺がん死リスクが0.5%上がるような状況だとしたならば、「0.5%上乗せ効果は数万人のひとが関わって見つかる」のだから、放射線影響がみえてくる規模なのだとは考えることができます。
(そして「誰が増えた赤玉を引いたか解らない。」ということだから、どの甲状腺がんが放射能影響によるものかは判断はできない。)

*私はこの記述から、『0.5%の上昇』を深刻に考えなくてもよいのではないかと印象、時間をかけて被曝する量が生涯で100mSvぐらいにおさまるなら、原子力緊急事態における放射性物質飛散をがまんしてもよいのではないか、と思いました。
 この考え方は変わってませんが、放射線計測器表示値計算による被曝量とガラスバッジの示す被曝量との違い、放射線作業者の基本的な基準は5年で100mSvなこと、医療における大量の放射線による治療など、いくつかの事実を知り、ほかの考え方もありそうだと聞き耳はたてています。