ギグメンタ2015「日本画のハードコア」展の開催について、企画者による事前ツイート

ギグメンタ2015「日本画のハードコア」 出品:岩田壮平、蝦原由紀(加藤由紀)、大浦雅臣、田中武、中村ケンゴ、間島秀徳 企画:小金沢智 会期:2015年4月7日(火)〜12日(日) 11時〜20時(最終日は18時まで) 会場:THE ARTCOMPLEX CENTER OF TOKYO 2階 ACT5 続きを読む
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日本画のハードコア @hardcorenihonga

一息ついたのでつらつら書いてみようと思う。

2015-04-05 17:36:24
日本画のハードコア @hardcorenihonga

展覧会の依頼が美学校校長の藤川公三さんからあったのが、昨年の10月くらい。日本画の展覧会をギグメンタ(美学校主催のイベント)の一環で考えているので、どうかということでした。特にこうしないといけないとか誰をいけないといけないということはなく、自由にやっていいと。

2015-04-05 17:39:24
日本画のハードコア @hardcorenihonga

そもそもは、美学校に間島秀徳さん講師の超日本画ゼミがあり、昨年春の超日本画ゼミの展覧会では、間島さん、藤川さん、僕の3人でトークイベントがありました。あれが僕が呼ばれたひとつのきっかけにはなっているのかなと思います。とはいえ、何やってもいい(あなたの考える日本画展を)というのは、

2015-04-05 17:43:04
日本画のハードコア @hardcorenihonga

それはそれで非常に悩ましい。これは僕が、ガロンや、イマジンというそれぞれ日本画のグループに関わってきての思いでした。かといって、藤川さんがトークで言ってたように、いくつもある素材技法の選択肢のうちに「日本画」というものがあるとシンプルに考えることも難しかった。それは僕が日本画に、

2015-04-05 17:49:24
日本画のハードコア @hardcorenihonga

「日本」の片鱗を嫌が応にも見つけようとしてしまうからで、それをどう解決するか、ということが一つの課題でもあったからです。それこそが、日本画を、ナショナルであり、伝統的な、国民絵画然としたものにしようとしている(実際そうであるかは別にして)。ゆえに、それを拒もうとする作家は、

2015-04-05 17:54:13
日本画のハードコア @hardcorenihonga

「日本画」ではなく「絵画」や「現代美術」といい、自らも「日本画家」とは名乗らなかった。ただし、そういったカウンターが日本画の歴史を省みたときに「本流」に対してあらわれているとするならば、彼もまた日本画の別の流れの中にいると見ることができる。辻惟雄『奇想の系譜』(1970年)が、

2015-04-05 17:58:10
日本画のハードコア @hardcorenihonga

当時美術史上で本流と考えられていた流派史に対し、伊藤若冲や岩佐又兵衛といった傍流の画家たちを「奇想」というキーワードによってカウンターを与えたように、なにが本流であるかーすなわちなにがそのジャンルや時代などの「ハードコア」(核心)であるかは、見方を変えれば一変する。ならば、

2015-04-05 18:02:26
日本画のハードコア @hardcorenihonga

今自分がなすべきは、なにが自分にとっての日本画なのかをしっかり見つめ考えた上で、それを「これが自分の考える日本画である」と断言的に展示することではないか、と思いました。実際はこのタイトルになるまではもっと紆余曲折あり、会場のスペースもあってお声がけのできなかった方もいます。

2015-04-05 18:07:27
日本画のハードコア @hardcorenihonga

結果この「日本画のハードコア」という癖のあるタイトルで、いろいろと訝しがられますが、それは某書籍や某展覧会の意識はあるにせよ、影響を受けたのは針生一郎が1966年に企画した「針生一郎の選んだ これが日本画だ」(日本画廊)です。自分がなにを日本画と考えるか言い切るということが、

2015-04-05 18:11:27
日本画のハードコア @hardcorenihonga

「日本画」という「大きく見えるもの」(少なくとも僕にとっては)を考えるとき、それを自分の感覚で考えるという意味で、大事なことではないかと思っています。歴史は大事で、学ぶことはきわめて多く、僕は無視できないですが、それに寄りかかるのではなく、しっかり主語をもって発言すること。

2015-04-05 18:14:26
日本画のハードコア @hardcorenihonga

したがって「日本画のハードコア」は「小金沢智の考える 日本画のハードコア」と書くのが、主旨的には正確です。もしかしたら、こうして個々が「日本画」観を表明し続けるとき、度々唱えられている「日本画の滅亡」は叶えられるのかもしれません。滅亡というよりは解体でしょうか。

2015-04-05 18:18:15
日本画のハードコア @hardcorenihonga

今こうして考えていることも、いずれ改められることでしょう。時代や社会の変化によって言葉の意味づけは変わります。東日本震災後の「東北」にそれまでとは異なる意味が(強く)与えられ続けているようき。しかし、美術の歴史を省みたとき、それでも時々で声を上げ続けるということが、

2015-04-05 18:25:20
日本画のハードコア @hardcorenihonga

積み重ねとなって、現在を別の段階へ進ませます。だから今回は展覧会準備の中で「ゼロ年代の日本画クロニクル」という日本画年表を作って、ウェブで公開しています。会場ではこの最新版を掲示予定。 hardcore-nihonga.weebly.com/data.html

2015-04-05 18:30:07
日本画のハードコア @hardcorenihonga

この年表は、準備をしながら、『20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から』(artdiver.moo.jp/?p=767)制作にも関わってきたことが大きいと思います。時代の変遷とともに美術を考えるということ。「日本画のハードコア」出品作家の、

2015-04-05 18:33:14
日本画のハードコア @hardcorenihonga

世代をできるだけ固めないようにしたのは、こういう意図があります。これも一様には言えない/代表させることもできないので暴力的ではありますが、日本画観の変遷を、異なる世代の作家の現在の作品を展示することで、一端を展望しようと試みること。

2015-04-05 18:38:58
日本画のハードコア @hardcorenihonga

話がバラバラしてきたので、このくらいで終わりますが、こういうことを考えながら、なにより自分がいいと思う作家の方々に出品をお願いし、結果出品を了承していただけたのが、とても嬉しいことです。明日の設営が楽しみです! ぜひ4/7からの展示をお楽しみに。

2015-04-05 18:43:22