江下先生×鈴木輝一郎さんによる「読書アドバイス」まとめ

「本の読み方」について、ご両者による一連のツイートをまとめました。 本の読み方から書店選びまで、大変参考になるツイートです。 続きを読む
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ESHITA Masayuki @massa27

今日の帰り道、本の読み方について質問された。読書の対象としてではなく、資料として「使う」ことを考えた場合は、どうしても量が必要になる。そして量をこなすには読むスピードが不可欠。だとすれば、読むのが遅い人はどうしたらいいか、という問題だ。

2010-12-19 00:36:48
ESHITA Masayuki @massa27

本を読むことの「常識」をまずは捨てること。本(資料)は「1回だけ読む」のではないし、「最初のページから読む」必要もないし、「全ページを読む」義務もない。べつに何度読み返してもいい。終わりから読んでもいい。目次を見て関係のあるところだけ読んでもいい。

2010-12-19 00:39:11
ESHITA Masayuki @massa27

あと、調査とか研究では本の役割も違う。一冊丸ごとしゃぶり尽くすように読む本もあれば、確認のためだけにさっと読むような本もあれば、使い物にならないことを確認するのに読む本さえある。もちろん勘所がつかめないうちは、ある程度の熟読は必要だけ、参考文献すべてを熟読する必要はない。

2010-12-19 00:41:43
ESHITA Masayuki @massa27

どんなジャンルやテーマでも考え方の核を教えてくれる本はある。それは隅々まで熟読し、文献ノートを取るべき。当然、ある程度の時間はかかる。そういう基幹本一冊に対し、批判的に読むためのネタ本を何冊か流すように読む。で、必要な都度、基幹本用ノートにコメントする。

2010-12-19 00:46:10
ESHITA Masayuki @massa27

ネタ本的な書籍だと、オレは本自体にがしがし書き込んでしまう。線を引くだけでなく、思いついたメモとか。で、そのページにポストイットを貼っておく。ただ、こういう習慣がつくと図書館で本を借りられなくなるし、共同購入もできなくなるので要注意(涙)。

2010-12-19 00:47:59
ESHITA Masayuki @massa27

なにが基幹本になるか。学生だったらセンセイに相談するのがいちばん手っ取り早いw あと、参考文献一覧が充実してる本も、とっかかりとしては重宝するよ。そういう点で案外とオススメなのが放送大学のテキストだな。これを出発点にすると、定番的な本に案外と簡単にたどり着ける。

2010-12-19 00:51:18
ESHITA Masayuki @massa27

ただまあ、やっぱりゼミの指導教員とか、興味のある講義の担当教員とかに聞くのが学生にはいちばんの方法だね。授業料払っているのだから、こういうことでどんどん質問しなくちゃ。

2010-12-19 00:52:23
ESHITA Masayuki @massa27

で、基幹本を決め、そこに載っている参考文献一覧からネタ本を集め、ついでにアマゾンのリコメンドを利用していくつかの関連本を集めたら(って、すべてを同時にそろえる必要はないけど)、役割に応じて読むときの速度を変えてやればいい。同時並行的に2、3冊読んだほうが効率アップすることも多い。

2010-12-19 00:55:13
ESHITA Masayuki @massa27

あと、読書一般のスピードに関することなんだけど、読むのが遅い人は、たいがい頭のなかで「音読」してるんだよ。だから物理的に読み上げるスピードとおなじ程度になってしまう。目だけで文字列を認識するようにするだけで、読むスピードは大幅にアップするはず。

2010-12-19 00:56:21
ESHITA Masayuki @massa27

それと、目で認識できる面積(というか領域)は案外広いので、一文字一文字拾っていかなくても、ある程度まとまった範囲を一気に認識できる。速読できる人って、そういうことに慣れている人だと思うよ。

2010-12-19 01:00:29
うらち / I.Yoshida @urati

これ、プリントのレイアウト力とかにも絡むスキルですよね〜:RT @massa27: それと、目で認識できる面積(というか領域)は案外広いので、一文字一文字拾っていかなくても、ある程度まとまった範囲を一気に認識できる。速読できる人って、そういうことに慣れている人だと思うよ。

2010-12-19 11:02:31
ESHITA Masayuki @massa27

慣れれば文庫本程度の面積は1ページ2〜3箇所見るだけでそのページの内容を把握できる。だから1冊20分ぐらいで読める。読み慣れている人って、自然とこういう読み方をしているんじゃないかね。

2010-12-19 01:01:24
ESHITA Masayuki @massa27

速く読むと内容が頭に入らないっていう人もいるけど、遅く読んだって前の内容を忘れてしまうので、頭に入らないのはおなじ。むしろ少しでも速く読み、読み終えたあと、なお気になる点があったら、もう一回読めばいい。おもしろい本は何度でも読める。

2010-12-19 01:02:55
ESHITA Masayuki @massa27

そんなわけで、オレにとっておもしろい本とは、より多く読んだ本だな。バローズの『火星のプリンセス』とかハミルトンの『時果つるところ』、平井和正の『狼男だよ』は、たぶん、どれも100回ぐらいは読んでいるはず。何度読んでもおもしろさのポイントが微妙に違うんだよね。

2010-12-19 01:04:26
ESHITA Masayuki @massa27

話を戻すと、資料は量を優先すること、すべてをおなじテンションで読む必要はないこと、なるべく複数を並行的に読むことを実践していけば、1冊あたりの読む速度は速くなっているはず。継続すればさらに速くなる。

2010-12-19 01:06:47
ESHITA Masayuki @massa27

読むスピードを上げるための学生向けの実利的トレーニングは、似たようなジャンルの新書をまとめてイッキ読みしてみることだね。オレの経験では、中公新書と講談社現代新書がこういう用途には適している。似たようなジャンルの本が何冊も出ているから、かもしれない。

2010-12-19 01:08:38
ESHITA Masayuki @massa27

わりとすらすらと読める本も多いしね。新書を数多く読んでおくと話のネタがたまります。学生にとって大量の本を買うのは経済的負担が大きいだろうから、駿河台に通う学生なら、ぜひ文庫川村に行ってみよう。校舎の近くにこういう古書店があるんだよ!→ http://bit.ly/fR9Eu2

2010-12-19 01:12:03
ESHITA Masayuki @massa27

時間をかけて読むべき本はあるが、単なる遅読にメリットはない。

2010-12-19 01:16:38
鈴木輝一郎@『何がなんでも長編小説が書きたい!』(河出書房新社)発売中! @kiichiros

@massa27 新書に関しては、「目次立てしてから本稿を書く」のが通例なので、目次だけ読むのが吉。

2010-12-19 01:50:25
鈴木輝一郎@『何がなんでも長編小説が書きたい!』(河出書房新社)発売中! @kiichiros

@massa27 漢字は表意文字なので、漢字だけを「見る」と早い。マンガの早読みと同じ要領。

2010-12-19 01:54:38
ESHITA Masayuki @massa27

まったくそのとおり。龍馬伝見て感動した学生は、個々の人物ごとの中公新書を読んでみるとええわ。RT @kiichiros: @massa27 中公新書は日本史に強い。

2010-12-19 01:59:40