茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1475回「青春を処方する」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１４７５回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ああなあ、という感じ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日、仕事で京都を弟子の植田工 @onototo と歩いていて、ふと思いついて、高瀬川のほとりで、突然iPhoneを回し始めて、『東京藝大物語』の宣伝の動画を撮り始めた。youtube.com/watch?v=TrOopN…　植田のやつ、予告なしで、それなりに対応したのではないか。

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布施英利さん @fusehideto のおかげで、東京藝大で数年間教えるという機会を持った。ふりかえってぼくが一番感じるのは「青春」ということである。芸術という夢を見ているやつら。何ものかになろうとして、結局何ものにもなれない。そんなあがきが青春である。文句あっか、の青春である。

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ぼくは、自分の学生時代を振り返って、わけもわからず街をぶらぶら歩きながら、自分が将来どうなるのか、まったくわからずにああだこうだと言っていた、あの時代はかけがえがなかったなあ、と思う。ああすればこうなる、と予定調和では、青春の神さまが降りてきてくれない。

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ぼくの青春の頂点は、でぶの哲学者の塩谷賢と、夕暮れの隅田川のほとりでマグロのようにねころがって缶ビールを飲んでいたら、カップルたちが半径１０メートルくらいの円を描きながら汚いものでも避けるように歩いていった、あの時である。青春は無為で、しかしすべてを含んでいる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本という国は、だんだんきっちりしてきてしまっていて、進学でも、就職でも、結果が予想できることが大切となり、若者たちもまた、１８にしてもう年金の話までしているやつがいる始末。しかし、それは進化ではなくおそらく劣化であって、青春がどこかにいってしまっているんだなあと思う。

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青春を呼び戻すのは実は簡単で、未来を予想するのをやめて、「今、ここ」に生きればいい。それで、無限に向き合うのだ。無限に向き合っていたら、予想などできない。それに、無限は、「次がある」という「可能無限」でいい。青春を処方すると、元気になる人は世の中にいっぱいいると思う。

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以上、連続ツイート第１４７５回「青春を処方する」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。