5年間滞在した日本を離れるドイツ人ジャーナリストの告白

一部だけ取り急ぎ訳そうと思ったけど、略すところがなくて大部分になってしまった。いずれちゃんとした全訳がでると思うので、それまでのメモ代わりに。
209
Koichi Nakano @knakano1970

英語ですが必読です。安倍のもとで外務省が海外メディアに対してしていることについて、ドイツ保守紙特派員の真摯な離任メッセージ 。海外の日本研究者の多くからも同様の話を聞きます。 fccj.or.jp/number-1-shimb…

2015-04-09 06:10:07
naoko @konahiyo

5年にわたり東京からドイツの読者に記事を届けてきた外国特派員の告白 Carsten Germisフランクフルト・アルゲマイネ紙――以下、取り急ぎ抜粋拙訳。 On My Watch fccj.or.jp/number-1-shimb…

2015-04-10 11:41:25
naoko @konahiyo

1) 日本のエリート[ここでは主に政治エリートと外務官僚を指している]と外国メディアの報道との認識の溝は深まっている…。溝が生まれている理由は、安倍晋三首相の指導の下で起きている、明らかなシフト――歴史をごまかそうとする右派の動き――にある。

2015-04-10 11:41:57
naoko @konahiyo

2) …日本の新しいエリートたちは反対意見や批判への対応に苦労しているが、外国メディアのこうした批判は今後も収まりそうもない。

2015-04-10 11:42:26
naoko @konahiyo

3)  5年経っても、私のこの国への愛情は変わらない。…しかし外務省の官僚の見方はまるで異なり、一部の日本のメディアも外務省と同じように感じているようだ。彼らにとって私は、ドイツの報道関係者ほぼ全員がそうだが、辛辣な批判しかできない日本叩き屋だった。

2015-04-10 11:42:58
naoko @konahiyo

4) フランクフルト・アルゲマイネ紙は政治的には保守で自由経済・市場志向の新聞だ。…ドイツでは、自由民主主義者が侵略戦争に対する責任を批判することは想像できない。ドイツでの日本の人気が下がるとすれば、それはメディア報道のせいではなく、ドイツの歴史修正主義への嫌悪によるものだ。

2015-04-10 11:43:29
naoko @konahiyo

5) (日本赴任時の)2010年は民主党政権だった。私が取材報道した3つの政権(鳩山・菅・野田)はいずれも、外国プレスに自らの政策を説明しようとし、政治家たちは「私たちはもっと頑張って国をもっと上手く動かせるようにならなくてはならない」といったことをよく口にしていた。

2015-04-10 11:44:17
naoko @konahiyo

6) 岡田克也副首相は、例えば意見交換などのために外国人ジャーナリストをよく招待した。官邸では週1で会合が開かれ、当局者らは進んで、ほぼオープンで当面の問題を議論した。特定の問題に関する政府のスタンスを私たちは遠慮無く批判したが、当局者は自らの立場を理解してもらおうと努力を続けた

2015-04-10 11:45:53
naoko @konahiyo

7) 2012年12月の選挙後まもなく、後退が起きた。首相はFBなどの新メディアを積極的に受け入れるにも関わらず、彼の政権のどこを探してもオープンさを尊重している証拠はない。麻生太郎財務相は一度も、外国人ジャーナリストと話をし膨大な国債についての質問に答えようとしたことはない。

2015-04-10 11:46:31
naoko @konahiyo

8) 外国人特派員が官の見解を聞きたい事柄は沢山ある――エネルギー政策、アベノミクスのリスク、憲法改正、若者世代の機会、地域の過疎化。だが政府の代表が外国プレスと話をしようという意志はこれまでほぼゼロだった。

2015-04-10 11:47:02
naoko @konahiyo

9) だがそれと同時に、首相の呼びかける素晴らしい新世界を批判する者はだれであれ、日本叩きと呼ばれるのだ。 新しく起きていること――5年前と比べれば考えられないようなこと――は、外務省から攻撃の的にされていることだ。私直接のみならず、ドイツ本社の編集部に向けた攻撃だ。

2015-04-10 11:48:18
naoko @konahiyo

10) 私の安倍政権の歴史修正主義についての批判記事が掲載された後、社の外交担当編集主任を日本の駐フランクフルト総領事が訪ねてきて「東京」からの異議を伝えた。中国が私の記事を反日プロパガンダに利用している、との苦情だった。

2015-04-10 11:48:58
naoko @konahiyo

11) 編集主任は、記事が間違いだという事実を証明する情報を総領事に求めたが、無駄だった。総領事は「金銭が絡んでいるのではないかと疑わざるを得ない」と言い、私、編集部、新聞社全体を侮辱した。

2015-04-10 11:49:28
naoko @konahiyo

12) 総領事は私の記事の切り抜きをまとめたフォルダーを出し、私が中国寄りプロパガンダを書かなくてはならないは、ビザ申請を承認してもらうのに必要だからと理解しているとして、そんな私の事情にご愁傷様と述べた[訳注:哀悼の意を表す、とあるが実際どう言ったかは不明」。

2015-04-10 11:52:50
naoko @konahiyo

13) 私は中国に行ったこともなければ、ビザを申請したこともない。これが日本の目標を理解してもらおうという新政権のやり方なら、問題山積だ。勿論、親中国との非難を編集部が受け入れることはなく、これまでどおり報道を続けるようにとの応援を得た。

2015-04-10 11:53:51
naoko @konahiyo

14) 2012年の民主党政権時に、韓国に出かけて元慰安婦にインタビューし、竹島を訪問した。もちろん韓国側のPRだったが、論争の中心を自分の目で見るまたとないチャンスだった。(その後)私は外務省に呼ばれ、食事と話をして、島が日本領土であることを証明する数十ページの資料をもらった。

2015-04-10 11:55:00
naoko @konahiyo

15) (安倍政権初期も同様だったが)2014年に状況は変化したようだ。外務省関係者は今や、批判的報道をあからさまに攻撃しているようだ。首相のナショナリズムが対中貿易に及ぼす影響について記事を書いた後呼び出された。公式統計を引用しただけだと説明すると数字が間違っていると反論された

2015-04-10 11:57:19
naoko @konahiyo

16) [だいぶ省略] 同僚の中には違う見方もあるが、私は日本の報道の自由は脅かされていないと考える。批判的な声は民主党政権時よりも聞こえなくなっているが、確かに存在する。しかも、多分以前よりも数は増えている。

2015-04-10 11:59:35
naoko @konahiyo

17) 他の外国人特派員たちから、自民党には広報部門に英語を話す者や外国人ジャーナリストに情報提供する者がいないと言われても、もう面白いとは感じない。世界を飛び回っていると自慢する今の首相が、ちょっと外国人特派員協会まで来て話をすることは断っているという事実も、笑えなくなった。

2015-04-10 12:00:13
naoko @konahiyo

18) 実際のところ、政府が外国プレスだけでなく、自国民に対しても隠し立てする状況に、悲しみしか感じない。 この5年間、日本列島を駆け回ったが――東京とは違い――北海道から九州まで、日本に敵対的だと私の記事を非難されたことは一度もなかった。[以下、日本への愛に溢れる思い]

2015-04-10 12:05:08
naoko @konahiyo

以上、フランクフルト・アルゲマイネ紙東京特派員Germis氏の離日に際した赤裸々な告白の一部を拙訳しました。日本はまだ報道の自由はある。ジャーナリストも国民も意見をちゃんと言いましょう、とのメッセージ。 On My Watch fccj.or.jp/number-1-shimb…

2015-04-10 12:24:05