地震予知と妖怪件とグダグダ話

書き散らしただけ。うろ覚えの妖怪談義。でも、妖怪はそれでいいんです。これ、学術研究ではない与太話なので。
1
物書きモトタキ @motoyaKITO

予言獣、件を知ってる? 件とは、くだんと読ませる。まあ、平安時代のなんやかやにも出てくるから、大昔から、くだんと読んでいたのだろう。人編に牛。妖怪件は、半人半牛の妖怪として描かれる。というか、人面牛な。

2015-04-13 22:41:17
物書きモトタキ @motoyaKITO

半人半牛なんていうと、真っ先に思い浮かべるのはミノタウロスかもしんないけど。件はね。人面牛。しかも、すげえ短命。なんかもう、生まれて10日とかで死ぬという話もある。3日ぐらいだったかもしんない。

2015-04-13 22:42:08
物書きモトタキ @motoyaKITO

件の特徴は『災害を予言する』んだよね。その予言をしたら死ぬんだけども。地獄先生ぬ~べ~では、鳥の件なんかも現れていたけど、実際、民話の件は牛しか居ない。予言獣自体はいろいろいて、人魚みたいなのもいる。アマビエ、アマビコ。そんな名前で呼ばれる。神社姫なんかもいる。

2015-04-13 22:43:41
物書きモトタキ @motoyaKITO

こいつら全員、「今から災害くるよ。くるけど、避ける方法があるよ。あのね、私の姿絵を描いて!そして、描いて広めて!そしたら避けられるよ!」っていうの。なんかね。Twitterで予言して拡散希望しているひとたちを見ると、件だなあと感じる。

2015-04-13 22:44:39
物書きモトタキ @motoyaKITO

広島だの、岡山だの、あのあたりで伝えられていたのが件。木原浩勝さんが所有している、件の剥製は拝見したことがあるけれどもね。まあ、不思議なものではある。物言い出しそうな顔だとは思う。 人面でなくとも、人語を喋る半人半獣はいるけれども、基本的に人面の獣は誰しも人語を解するよね。

2015-04-13 22:47:45
物書きモトタキ @motoyaKITO

人間ってのは、人間の顔をしているものを見れば、それが話しだすんだろうという妄想を抱くようになっているのかもしれない。人面獣たちは、それはもうそれだけで、喋れる怪異足りうる。逆に、人面ではない獣顔人体の化け物は喋れないものが多いような。ていうか、より兇悪に描かれているような。

2015-04-13 22:48:50
物書きモトタキ @motoyaKITO

勘違いなされるな。件は地震を予知するものもいたかもしれんが、基本は飢饉を予言する。まあ、牛だもんね。牛ってことは、農業で使われていたから、農耕神の使いとしての一面があるのよ。牛だから水ってのもあるし。ほら、牛頭天王とか水じゃん。ね。だから、牛は水。

2015-04-13 22:49:59
boxheadroom🍮 @boxheadroom

緒方洪庵による天然痘予防接種 (牛痘ワクチン)に対して祈祷屋が「牛痘ワクチンを接種すると頭から牛の角が生えるよー」ってネガティブキャンペーンを行ったとのこと。 件(くだん)の伝説がこれよりも後かどうか気になる

2015-04-13 22:49:59
boxheadroom🍮 @boxheadroom

小松左京「くだんのはは」に登場するそれは 疫病患者の描写に限りなく近い。関西方面には近世まで 「牛痘→牛になる」という都市伝説が残っていて、それを元にかかれたのでは、という疑問。もう確認できないけど。

2015-04-13 22:53:53
物書きモトタキ @motoyaKITO

件が現れる最古のかわら版は天保7年で1836年。ただ目撃例は文政10年で1827年。かわら版が出回っているころに、緒方洪庵が長崎遊学中だったはずなので、件の方がはやいかな。

2015-04-13 23:01:23
物書きモトタキ @motoyaKITO

ただ、面白いのは、B村に聞き取りにいくと、C村で生まれた件って話が残っているんだよね。だからC村にいくと、今度はA村で生まれた件。いや、件は何処にも居ないんだよ。でも、噂の中では、件はどこにでもいるんだよ。お前はシュレディンガーのネコか!いや、なんか違うけど!チェシャ猫?

2015-04-13 22:53:51
物書きモトタキ @motoyaKITO

豊穣を操ることが出来る存在だった牛だから、飢饉の予言はわかる。わかるんだけどさ。なんでか、件は大戦の集結も予言していたんだよね。それは、戦後に調査された何やかやで出てきた。A村で聞き取りをすると、B村で生まれた件が終戦を予言していた、みたいな。

2015-04-13 22:52:16
物書きモトタキ @motoyaKITO

件の元ネタとされるのは、ハクタクと言われてる。道中のお守りにと姿見を持つことが流行っていたんですよ。ハクタク。そうそう、今や鬼灯の冷徹によって、女好きとして広まっちまった、あのハクタクです。

2015-04-13 23:02:54
物書きモトタキ @motoyaKITO

中国の妖怪は、顔が人面でなくてとも、ガンガンに喋るよね。ハクタクもそうだけど、西遊記の化け物たちは、みんなガンガン喋る。日本のも喋るのだけれども、なんか喋ること自体びっくりさせるじゃない。猫又とかさ。ていうか、喋るやつはだいたい人間っぽさがある気がする。

2015-04-13 23:04:16
物書きモトタキ @motoyaKITO

喋る妖怪。まあ、真っ先に思い浮かぶのは油すましだけれども、あぎょうさんなんかはしゃべっていると見るべきなのか、否か。山男の類は喋らない。でも雪女は喋る。女の方がよく喋るかな。爺系は大体出会った時点で体調崩して、最悪死ぬのもいるような。

2015-04-13 23:05:26
物書きモトタキ @motoyaKITO

あ、あと、件は伝説ではなく民話です。伝説ってのは堅苦しい。民話ってのは、もっと柔らかい。その辺り、大事です。民俗学的には大事です。むかしむかしあるところではお伽話。伝説は時間と場所がきっちり決まっていると相場が。

2015-04-13 23:06:48
物書きモトタキ @motoyaKITO

件は、その性質的に伝説というべきものなのかもですが、江戸なので。江戸に生まれたものは、もうこれ黄表紙のネタともいうべきものなんですよ。ほぼほぼ冗談の類です。そう断じてしまっていいんじゃないの。鳥山石燕の描いた白うるりだの、ブルブルだの、あれはもう冗談だろう。

2015-04-13 23:08:01
物書きモトタキ @motoyaKITO

冗談は冗談でいいと思うんですよ。でも、厳かにしようとするのは、宗教じみる。弥三郎婆が、仏教にとっつかまって、説話にされちまったのでね。ぼくは、ああいうのは嫌いです。妖怪が好きなんです。宗教は嫌いなんです。かたっ苦しいから。教訓なんざ、妖怪にはない。

2015-04-13 23:08:56
物書きモトタキ @motoyaKITO

まあ、ね。いろいろ、ぐだぐだと回り道しまくっちまいましたが、ひとつ言えるのは地震予言をしたがるひとは、それはもう妖怪です。不可思議に形を与えるのが妖怪ですから、ナマズとかそのあたりの妖怪です。でも、妖怪だと思えば、なんとなく愛嬌も出てくるじゃあないですか。ね。

2015-04-13 23:10:25
物書きモトタキ @motoyaKITO

ぼくは、妖怪が好きなんです。だから、それでいいんです。

2015-04-13 23:10:39