茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1479回「『This divided state (邦題『マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選』)』」

脳科学者・茂木健一郎さんの4月14日の連続ツイート。 本日は、最近見たある映画について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1479回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、最近見たある映画について。

2015-04-14 06:54:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

新幹線の中で、huluで、This divided state (邦題『マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選』)を見た。『華氏911』などで知られるドキュメンタリー監督マイケル・ムーア氏が、ユタ州の大学で講演を行う際の、反対派と推進派の衝突を描いたドキュメンタリー。

2015-04-14 06:56:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ユタ州では、モルモン教の人が多数派である。そのモルモン教は、迫害されて自由を求めてユタに来た。その子孫の一部の人が、自分たちと違う意見を持つ人(リベラルな人、マイケル・ムーアが代表)を、悪、アメリカの敵だと決めつけて排除しようとする。2004年の大統領選の直前の出来事だ。

2015-04-14 06:57:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

This divided stateの予告編は、こちら。youtube.com/watch?v=HoeINS… 本編を見ていて、なんだか最近の日本と似ているな、と思った。保守派、リベラル派が対立し、保守派がリベラル派を国家の敵、悪と決めつける構図は、ほとんど同じ。人間はどこでも似ている。

2015-04-14 06:59:40
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茂木健一郎 @kenichiromogi

日本との違いは、二つある。まずは、保守派とリベラル派の割合。アメリカではリベラル派のオバマ大統領が二期を努め、次もクリントン氏が有力候補だ。一方、日本の場合、民意の分布は別として、実際の政治勢力としては、リベラル派は絶滅危惧種である。

2015-04-14 07:01:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

もうひとつは。This divided stateでも描かれているように、アメリカ人の気質もあって、保守派、リベラル派がお互いの主張を、公開の場で、堂々と言い合っていること。抗議の仕方もなんだか明るい。一方、日本では、もともと控えめな国民性もあって、対立が内向化、匿名化しやすい。

2015-04-14 07:02:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の政治状況に関心を持つ人は、保守派、リベラル派、その他の別を問わず、This divided stateを見ることに意味があると思う。効果の第一は、「日本だけじゃないんだ」という当たり前の事実に気づくこと。意見の対立の構図は、どこでも似ている。隣の芝生は、青くも黒くもない。

2015-04-14 07:03:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

もうひとつは、自分たちのことだと、どうしてもムキになったり感情的になりがちだが、他人のこと(アメリカのこと)だと思うと、比較的客観的に見られることだ。自分の意見にとらわれた人が、どのようなメカニズムで頑なな態度に至るのか、その心理的メカニズムを実感する上でも、教育効果が高い。

2015-04-14 07:04:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、『This divided state (邦題『マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選』)』をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2015-04-14 07:05:44