2015.04.13米オンライン外交専門誌『The Diplomat』に掲載された生活・小沢一郎共同代表の寄稿論文の全訳（改訳と日本語原文読み比べ）

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米外交安全保障オンライン専門誌『The Diplomat』に掲載された2015/4/3付け小沢一郎寄稿論文の全訳 辺野古問題で稚拙な対応をみせる安倍政権 Abe’s Botc… twishort.com/9Jbic pic.twitter.com/h6FCbUpFwV

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米外交安全保障オンライン専門誌『The Diplomat』に掲載された生活・小沢一郎共同代表の寄稿論文の全訳（※改訳） 辺野古問題で稚拙な対応をみせる安倍政権 米軍基地移設問題での首相の対応は、 長い目でみれば日本に高くつく。 小沢一郎 2015年4月3日

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改①米海兵隊普天間飛行場を沖縄県内の名護市辺野古に移設する計画の一環として海底掘削調査を再開するに当たり、安倍政権は高圧的な対応に打って出た。

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改②海上保安庁は過剰に強行的な手段で地元住民を現場から排除しており、なかにはキャンプ・シュワブの警備兵により移設に反対する市民らが拘束されるといったケースも見られた。この重要な政治問題に対して繰り返される安倍政権の過剰なほどに高圧的な政治戦術は、きわめて重大な危険を孕んでいる。

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改③人びとの意思を尊重し、民意に基づいた政治を行うのが、民主主義の基本原則である。むろん、世論というものがかならずしも常に、国民あるいは国そのものにとって最善の指針となる訳ではない。

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改④政治家には時に、国民のため、国のために、敢えて多数意見に逆らってでも行動しなければならないことがある。これが、議会制民主主義の実情である。 したがって、多数の支持があるからといって、政治家は無条件に特定の行動をとるべきだと断ずることはできない。

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改⑤このことを留意しても、安倍政権がとっている高圧的な対応が、国民の利益に寄り添うものであるとは言い難い。普天間から辺野古への移設を強行することは、沖縄県民にとって、あるいは国全体にとっても利益とはならない。むしろ、我が国及び日本国民に対する評価を著しく損ねることに繋がるだろう。

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改⑥日本政府は、普天間から辺野古に施設を移設することに関わる問題は、日米関係に悪影響を及ぼすと主張する。しかし、わたしはこれは間違っていると思う。

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改⑦中国の軍事的拡張に対する米国の懸念は、当然ながら日本を含めた周辺国により共有されている。そのために、沖縄に米国の軍事的プレゼンスが必要であるのは明白である。しかし、米国は目下、アジアだけでなく欧州からも前方展開戦力を撤収させているところである。

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改⑧これは、米国が駐留戦力による展開から即応戦力による緊急展開へと軍事戦略をシフトさせたことによるものだ。在沖縄海兵隊部隊をグアムその他へと再配備する計画も、この戦略の一環として行われているのであり、日本のみ、あるいは沖縄のみに配慮して実施されているのではない。

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改⑨わたしは、こうした米国の軍事戦略が転換されているなかで、普天間の代替施設を辺野古に建設したり、あるいは滑走路を建設したりする必要はないと思う。

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改⑩もし仮に、滑走路がどうしても必要だというのであれば、沖縄県内や本州に他にも適した代替移設先となり得る候補地は存在する。したがってわたしは、辺野古の土地の埋め立てや建設準備を強行する安倍首相の姿勢ややり方には、どのような形であれ全く賛同できない。

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改⑪またわたしには、在日米軍基地の74パーセントもの基地が存在する沖縄の住民の反対に手荒く対応し、辺野古に滑走路を建設することが米国の利益になるとは思えない。

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改⑫仮に滑走路の建設が軍事的に理に適うものであったとしても、それは、美しいサンゴ礁や、マナティに似た希少な海洋ほ乳類であるジュゴンの北限の自然生息地である澄みきった海を、ただの埋め立て地にしてしまうことを意味する。沖縄の貴重な自然環境を、なんとしても守り抜かなければならない。

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改⑬それでも安倍政権が辺野古の移設に固執するのであれば、政府はまず地元行政当局と十全な協議をすべきだ。 沖縄県民により正当に選ばれた現在の県知事は首相との面会を求めている。

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改⑭問題に対する見解の相違があるからという単純な理由で県知事に会わないというのは、あまりにも子どもじみた対応。首相として相応しい振る舞いではなく、道理にかなった話し合いなど不可能ではないかと思わせる稚拙な行動である。

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改⑮仲井眞前知事は移設を承認したが、その後の県知事選で沖縄の住民らは彼の計画にこの上ないほど明白な「ノー」を突きつけた。 現在の翁長知事は、中央政府との対話の門戸を再び開くことで沖縄の民意に応えようとしている。知事との対話を拒む安倍首相の姿勢は、民主的な政治手続きの否定である。

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改⑯日本政府がまず何よりもいますべきことは、沖縄の人びとの話を聞き、米国と問題解決のための協議に入ることだ。

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改⑰仮に、その協議の結果として、在沖縄米軍が撤退するということになった場合は、我が国が自身で国防を担い、どのようにしてその隙間を埋めるかを考えなければならない。安倍政権はこの問題を避けており、米国政府が望むままにしたいとしか考えていない。これもまた、政治的手続きの放棄である。

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改⑱沖縄が戦略的・地政学的な要衝であることは論を待たない。在日米軍が撤退した時に、いかにしてその責任を負うのか、日本国民一人一人が考えなければならない。米国を当てにするのではなく、いかにして負担を分かち合い、責任を担うかを覚悟すべきなのである。

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改⑱わたしは、沖縄における在日米軍のプレゼンスは可能なかぎり最小限に留めて減らすべきだと考えている。日本が応分の負担に応じる強い決意を示すことができれば、米国は必ず議論に応じる。

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改⑲辺野古の移設を行う現行計画の失敗が、日米関係にただちに重大な影響を及ぼすという考え方にわたしは与しない。

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改⑳むしろ、普天間基地の移設について中央政府が高圧的な戦術を続けることは、人びとの反感と不信を増大させ、反対を増長させる結果を招くことになる。 昔ながらの格言である「急がば回れ」は、この場合にも当てはまる。

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改㉑安倍首相は、どんなに時間がかかろうとも、徹底的な議論を尽くすべきなのである。これなしに突き進めば、ことは失敗に終わり、日米関係に更なる悪影響が及ぶことになるだけである。安倍首相とその内閣は、広範な視野に立って、より慎重なアプローチを採るべきである。 小沢一郎