カタクリスム・ナウⅡ

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マトリクス @3atrix
暗い部屋。机の上のランタンを唯一の光源として、一人の男の手がウイスキーの入ったグラスを揺らす様子のみが見える。「我々は、今後百年の人類全体の存続にかかわる仕事をしているのでね。一日二日のずれをいちいち指摘しないでくれ給えよ。」-2
マトリクス @3atrix
ランタンを中心とした円形に切り取られた暗黒の中で、男はグラスを揺らし、揺らした。「え?11日もずれていた?」男はグラスを揺らした。「同じことさ。本来は人類全員が我々のような時間間隔を持っていてもらいたいが、そうもいかない」男はグラスを揺らした。「食い扶持、だな」-1
マトリクス @3atrix
男はグラスを揺らし、揺らし。「実を言うとね、数日前、すでにこれは出来ていたのさ。」ランタンが消える。「"ホビロン"はいい仕事をしてくれたよ。括目せよ!と言いたいくらいだ。」男の背後に四角い光=スクリーン。0therphobia......
マトリクス @3atrix
さく、さく、と音を立てて、白い土を踏む。本州の人間は一面の雪を銀世界と評するそうだが、雪の色はどうみても白である。苫小牧は今日も今日とて雪であり、白く濁った起伏の少ない景色は朝起きてなお夢の中のようだった。2
マトリクス @3atrix
ずんずんまっすぐ歩いていくと、いつものT字路で、制服を着た小柄な姿が見えた。腰のあたりにオカルト雑誌『ヌー』を持ち、かがみこんで顔を本に近づけているので、本に顔を吸い込まれているように見える。背中と後頭部に雪が積もっているが、大丈夫だろうか、と毎朝思う。3
マトリクス @3atrix
「その読み方は将来猫背になるからやめろって、いつも言ってるだろ」あいさつ代わりに声をかけると、杜朗は水飲み鳥のように起き上がった。「あ、おはようございます、先輩」雪が落ちてどさりと鳴るところまでが、柴礼 徹(しばれ とおる)と藍麻 斗朗(あいま とろう)二人の平日の朝であった。4
マトリクス @3atrix
そしてとりとめのない話をしながら学校に向かうのだ……たとえば今日は、こんな風に。「なんか学校から聞こえないっすか?」「何だろうね、ガン!ガン!ってさ」「耐震工事……?」「ニュースで見るよね」5
マトリクス @3atrix
「ところで変な夢見たんだよね」「どんな夢ですか」「あれ……忘れちゃったけど、なんかすごいリアルだったんだよね……でも変なとこばっかで……」「先輩、訳わかんないっす」6
マトリクス @3atrix
「それより見てくださいよ!この記事!」記事には「貿易センタービル倒壊に絡む米軍のエイリアンテクノロジー利用計画」と書かれていた。割とよく見るタイプの記事だ。というか「半年前に見たぞ、それ」7
マトリクス @3atrix
「我々が忘れないようにリマインドしてくれてるんですよ!あとこことここは新たに発見された新事実です」紙面を指さしている。藍麻は実直すぎてこういう話を真に受けてしまうのだ。8
マトリクス @3atrix
彼の実直な性格は剣道にも表れており、実際柴礼は引退した後剣道部を背負っていくのは藍麻だろうとまで考えていた。だからこそこういう、反応に困ったりする趣味趣向は密かにやってほしいと思っていた。9
マトリクス @3atrix
「えー、今日は皆に転校生を紹介します、突然のことですが」担任の丸山先生はいつもこういう連絡を欠かさない人の筈だ。なにかワケありの生徒かもしれない。ざわめく教室では皆口々にそんなことを話していた。11
マトリクス @3atrix
「入ってください」「アミーゴ!」ワケありの生徒が来た。名をバリントン・モラレスという。12
マトリクス @3atrix
5時限目は数学だ。モラレスも柴礼の前の席に座って先生の話を聞いているが……隠し切れない、いや隠そうともしていない違和感。何なんだこいつは?黒人だし(こんな考えは良くないとは彼も思っていたが)、どう見ても中年だし、昼休みには当たり前のようにカポエイラの演武を始めるし……14
マトリクス @3atrix
「えーでは今から小テストを開始します。解答時間は5分間。」先生の声が現実に引き戻す。前からプリントが配られる。柴礼にプリントを渡すのは当然モラレスだ。「テンキュー」笑顔を造り受け取るが、掌に違和感。15
マトリクス @3atrix
掌に収まるほどのマスクと、メモだ。"いやなよかんがする もっておけ"と書かれている。こんなマスクを何に……マスク?なぜこれをマスクだと思ったのだ?被ることはできないし……その時。16
マトリクス @3atrix
グワッシャァァアアンン!教室のガラスが割れヘリコプターから特殊部隊がロープ降下!教室はパニック!だが激流のうちの巌のように落ち着いている男が一人。モラレス!「おいおい、荒っぽい真似はしないんじゃないの?」17
マトリクス @3atrix
『トーアの安全が第一だ』特殊部隊の一人に護衛され――何故か日本語で――虚空に話していた。特殊部隊員は手に手にライフルを持ち、狙う。先生を。「え?」「ばれては仕方ない……」先生から黒いオーラ!刺々しい金属パーツが皮膚を突き破って生え、窓から飛び降りる!飛び降りついでにヘリ撃墜!18
マトリクス @3atrix
着地するころには、先生の身体は校舎三階と同じくらいの高さまで拡大していた!機械の巨人……!「ま、オレにはこの展開が似合ってるかな!」モラレスは懐から茶色の"マスク"を取り出し、上に掲げて叫んだ!「Come-on!P-body!」19
マトリクス @3atrix
突如として校庭の地面がひび割れ、中から何か大きなものが這い出てきた!機械の巨人……!「埋めておいてよかったぜ」それが、校舎に手を伸ばす!掴むのは、モラレス!胸のハッチが開きそこに乗り込む!「Awake!」カメラアイ発光!20
マトリクス @3atrix
"P-body" "Toa-type6"などと刻印された茶色の装甲を持つ巨人はカポエイラじみたステップを踏む!一歩ごとに校舎が揺れる!「おとなしく降参するか?それとも大地のビートを食らいたいか」21
マトリクス @3atrix
「コウスルネ!」元先生はおどろおどろしい声とともに逃げそびれた体育授業中の生徒を掴む!人質!柴礼がよく見ればその生徒は……「藍麻!?」『これも運命か』誰だ!?『マスクを通じて、君の心に直接語りかけている。』俺は、俺はどうすればいい!?『屋上に行け』22
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