藤村龍至さんによる『権力の空間/空間の権力』山本理顕(講談社選書メチエ)についてのつぶやき(2015.04.18)

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Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

山本理顕『空間の権力/権力の空間』を読む。これまでの山本さんの活動の集大成であると同時にアレントの参照によって従来よりもだいぶわかりやすくなった。とても面白い。

2015-04-18 11:05:14
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

1章は集落調査、2,3,4章は主に住宅をめぐる官僚組織とそれに慣らされた社会の批判、5章は権力化した地域社会とそれに慣らされた官僚組織の批判。歴史的には1970-95(近代化)と1995以後(ポスト近代)に分節されるが山本さんの個人史のなかで少々ごっちゃになっている印象。

2015-04-18 11:25:03
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

山本さんの個人史のなかで2-4章の問題のピークは保田窪(1991)と緑園都市(1992-4)、5章の問題のピークは邑楽町市庁舎(2001)と小田原城下町ホール(2007)であろう。主題は日本の本格的な近代化(1970-1995)とポスト近代化(1995-)の移行も含まれるはず。

2015-04-18 11:31:15
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

権力の境界線を生きた人間はその変容を経験に基づいて語ることができる。1960年代から本格的な活動を開始した磯崎は1970年の前後、1995年の前後を語り、2020年以後を予想する。1970年以後に活動を開始した山本はここで1995年の前後を語っているが、変容に自覚的ではない。

2015-04-18 11:37:07
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

懇親会で山本さんにフーコーは参照しないのですかと聴くと、フーコーはアレントに影響を受けたに過ぎない、アレントのほうが素晴らしい、レッシグも知っているがアーキテクチャの議論には関心がない、という。アレントに対するあの思い入れの深さは、世代的なものもあるのかも知れない。

2015-04-18 11:39:03
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

ともあれ、山本さんがこれまでの活動を集大成され、歴史的パースペクティブのなかで明快な主張を打ち出したのは事実。建築家による権力論としては磯崎以来では。

2015-04-18 11:42:23
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

権力論として建築を読んでみたい向きには、磯崎新『ユートピアはどこへ』、山本理顕『空間の権力/権力の空間』、藤村龍至『批判的工学主義の建築』を並べてお読み頂ければ。要するに「人文社会学系の人でも理解可能な建築家の本」w

2015-04-18 11:47:30
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

70歳を迎えた山本さんは「ライトは落水荘とジョンソンワックスを70歳前後で作った。まずい」とおっしゃっていた。「君らもあっという間だよ」と。あと「文章は書き続けたほうがいい」とも。

2015-04-18 11:50:29
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

以前は山本さんの文章は思い入れが強すぎる印象があったが、アレントを精読するようになった? ここ3,4年でどんどんわかりやすくなっているのが印象的。学生時代、山本事務所に通っていたときにも締切前にぐっと入って高めていく感じがあった。山本さんのリズムかも知れない。

2015-04-18 11:54:53
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

ちなみに山本さんはライトの「ジョンソンワックス本社」の話を何度も出されていて、「ナミックステクノコア」のデザインの根拠がよく分かった気がしたw

2015-04-18 11:56:26
Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

山本理顕さん出版+古希祝いなう。 pic.twitter.com/7ixa2g3xer

2015-04-17 19:25:50
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