「中華システム」に関する、12月19-20日のつぶやき

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@medicalcloud

殷周時代、現実の「中国文明」が存在する前から、同化すべき目標として「中華」が認識されていたことになってしまって妙な感じなんですが、昨日、この辺りについて、妙な仮説を思いつきました。脳内で反芻中です。“@plastictakata: 初期の「中国文明」は事実の断片をもとに再構成

2010-12-18 11:44:11
@medicalcloud

反芻中の議論を提示する前に、「中華システム」の復習を。中華システムとは、中国文化(漢民族の文化)を身につけた人々を増加させる機能を持つシステムの一つである。但し、現在、チベットやウイグルで起こっている様な、中国政府による同化政策や侵略は、これに含まない。

2010-12-18 13:00:11
@medicalcloud

中華システムが機能している場所は必ずしも国家としての中国の領土と一致しない。現在、中華システムは、中国の東部(漢族が多数を占める地域)、特に中国の沿岸部、台湾、豪、露沿海州、米西海岸などであろう。

2010-12-18 13:08:49
@medicalcloud

但し、現在機能している中華システムが、過去のものと同種のものであるかについてはハッキリしない。中国が周辺諸国に比べ先進国であったことが、過去の中華システムの前提であった様に思われるから。そういう意味で、中華システムは清末に変質してしまったのかもしれない。

2010-12-18 13:33:33
@medicalcloud

また、「民族」という観念とも対立的である様に思えるから。

2010-12-18 13:34:10
@medicalcloud

「中華システム」の働き方は、マクロで見ると、2種類に分けて考えることが出来る。ひとつは、「中華文化圏」への大規模な移民であり、もうひとつは、「中華文化圏」からの大規模な移民である。

2010-12-20 11:43:30
@medicalcloud

前者の「中華」への移民は、多くの場合、その実力で、中国社会での主導権を握ることになる。中国社会は、その力を利用して政治的統合や、経済的な発展を実現しようとする。この部分は、アメリカ社会の移民の扱い方に類似している。

2010-12-20 11:45:54
@medicalcloud

後者の「中華」からの移民は、多くの場合、中国社会の貧困層の流出、中国社会での政治闘争での敗者の亡命と言ってもいい。こちらの動きは、中華文化圏の外に、中国人社会を形成することになる。

2010-12-20 11:47:51
@medicalcloud

「中国への流入」は、周代以前は、中原の西側で顕著であり、後に、華北全体で機能するようになった。ただし、中国が先進国でなくなった清代以降は、殆ど見られなくなった。

2010-12-20 11:49:36
@medicalcloud

「中国からの移民」は、周代以前は、中原の東側で顕著であり、後に、江南、華南全体で機能するようになり、民国以降、世界中に広がっている。

2010-12-20 11:50:58
@medicalcloud

ミクロで見ると、このシステムは、「漢族文化」を身につけた連中が、第一に、他文化を身につけている連中を自分たちの指導者として比較的簡単に受け入れること。第二に、他文化を身につけている連中を同化する力が非常に強いこと。を意味している。

2010-12-20 11:53:46
@medicalcloud

特に、漢族が極端に少数派であるときにも、他者を同化している様に見えることがしばしばある。

2010-12-20 11:56:12
@medicalcloud

もうひとつ、中華システム発足時に、「オリジナル漢民族」なるものが存在しなかった可能性がある。

2010-12-20 11:57:27
@medicalcloud

というわけで、疑問。1)あれは、本当に「同化」なのか?実は、漢民族の「文化」とみなされている振る舞いは、「民族文化」というより「異文化交流のためのプロトコル」なのではないか?

2010-12-20 11:59:42
@medicalcloud

疑問2)あれほど少数の漢民族が他者を「同化」することが可能なのであれば、漢民族が一人もいないところでも、「同化(文化間プロトコルの定着)」はおこりうるのではないか。周代に起こったことは、そういうことなのではないか?

2010-12-20 12:02:19
@medicalcloud

もうひとつ、よく分からないのは、「同化」は、漢族サイドの方が、経済的、政治的に劣勢であるときのほうが起こりやすく、漢族が優勢であるときには、「同化」は起こりにくい。

2010-12-20 12:16:53
@medicalcloud

暫定的仮説1。殷代、おそらく、たくさんの部族が経済的に交流するに当たって、それぞれの部族の間の交流のための「プロトコル」が自然発生的に誕生した。それが、漢字であり漢文であり、つまり、「華」の起源である。

2010-12-20 12:24:00
@medicalcloud

暫定的仮設2。この「プロトコル」は都市の商業のためのものであったから、周辺の牧畜や農耕を行っている者たちは、このプロトコルを身につける必要がなかった。これが、「夷」の起源である。

2010-12-20 12:26:17
@medicalcloud

暫定的仮設3。やがて、「華」が政治的な権力と結びつき、「天子」が誕生した。

2010-12-20 12:29:54
@medicalcloud

暫定的仮設4。権力に結びついた「華」の文化は急速に複雑化し、その結果、「華」の文化の中で育たなかった人々には身につけるのが難しくなった。そのため、周辺農村の「夷」には広まらなかった。

2010-12-20 12:33:36
@medicalcloud

暫定的仮設5。しかし、「華」が権力や経済的繁栄から切り離されると、再び、他文化と交流するための「プロトコル」に戻る。また、「華」は、自分たちの支配者の文化や言語の受け入れに熱心になる。

2010-12-20 12:41:10
@medicalcloud

暫定的仮設6。結果、新しい支配者が中国に同化せずとも不都合無いように「新支配者の文化にあわせたピジンプロトコル」が創りだされる。これが、新しい「華」となる。

2010-12-20 12:42:33
@medicalcloud

暫定的仮説7。「中華」は、支配者に合わせて変わりたいと思う程度に政治的苦境にあるときに限り、かつ、「中華」が先進文明である場合に限り、広がる文化である。

2010-12-20 12:44:59