《三原順「Die Energie 5.2☆11.8」と、安齋育郎氏らを描くETV特集。「ALARAの原則」を巡って》

自己ツイートをまとめました。 「ALARAの原則」の「R」は、通常「合理的な」と翻訳しますが、誰にとっての、どのような「合理的」なのだろうか、を考えてみました。
9
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

『三原順傑作選'80s』(白泉社文庫 1998.9.16初版発行)収録の 「Die Energie 5.2☆11.8」というマンガを読み返している。 初出の雑誌『LaLa』1982年6~8月号は、発売当時に読んでいた。原発問題を取り上げた作品だという事は、覚えていた。

2015-04-18 23:00:43

白泉社文庫セレクション
三原順 特集
http://www.hakusensha.co.jp/hbstation/selection/select25.html

宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

原発事故発生直後に、コミックス『夕暮れの旅』を読み直したことも、今回思い出した。「やはり、原発事故は起きた」と読み直したときに感じたことも思い出した。 そして、今日。原発事故直後は思い出さなかった、「ALARAの原則」に関する記述を初めて読んだ時の感想を、思い出した。

2015-04-18 23:05:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「Die Energie 5.2☆11.8」には、白泉社文庫版のP152にあるように、 「ALARAの原則」について、主人公が言及していた。 雑誌掲載時に、私はこの記述を読んで、「小難しい言葉で、経済優先・生命軽視の思想を誤魔化している」と感じたのだ。

2015-04-18 23:08:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

原発事故発生直後に「Die Energie 5.2☆11.8」を読み直した時には、 まさか「ALARAの原則」などという誤魔化しの論理が、 マンガ初出時から30年近く経過した日本で、適用されるなどとは思わなかった。 「反原発の科学者が、生命と健康を守る主張をする」と期待していた。

2015-04-18 23:12:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

では、日本で、東京電力の原発事故が発生した後、「反原発の科学者」は何をしたか? その成れの果てが今、ETV特集で今称揚されている安齋育郎氏らの様子だ。 「避難や保養はリーズナブルではないので、そこに住民を生活させたままで出来る範囲の『除染』を行ってみせる」のだ。

2015-04-18 23:15:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「食材の汚染を計測するのは、これまでの方法では現実的ではありませんでした」とNHK三宅キャスターがナレーションを加える。 「現実的でない」=「リーズナブルでない」のだ。 現実に起きてはならない事が発生しているのに対して、「現実的な対応」の範囲内で収めようとすれば、こうなるのだ。

2015-04-18 23:18:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「山道の放射線量は思ったより低かった」とナレーションが入るが、 なぜか、線量の具体的な数字は言わない。 それでいて、採集してきたボタンの実の計測はする。 さらに一手間加えて、半分にする。278Bq/kgになったと。 「触るだけなら心配ない」と断言する安齋氏。 まさに「ALARA」

2015-04-18 23:22:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

なぜ、「可能な限り被曝を減らすのが良い」と言いながら、住民を汚染から遠ざけようとしないのだろう? なぜ、子どもだけを低い被曝に留めようとするのだろう? なぜ安齋育郎氏は「放射性物質に近づかないこと」と表現して、 「放射性物質から遠ざかること」と表現しないのだろう?

2015-04-18 23:28:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

安齋育郎氏が考えていることは、まさに「ALARAの原則」に沿っているのだ。 「放射性物質から遠ざかること」を推奨するなら、周囲の山林や河川に放射性物質がある所から移動せざるを得ない。また、住民の大人自身に「除染」をさせることも出来ない。 安齋氏がさせる「除染」で大人は被曝するのに

2015-04-18 23:32:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

安齋育郎氏たちのグループは、国に再「除染」を要求する。が、その要望が容れられないとみると、 国を批判することや裁判闘争に参加するのではなく、 成人住民を被曝させながら、住民自身に「除染」させたのだ。

2015-04-18 23:36:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

家守りの杉の木を切っても線量が下がらない(事実)。 杉の木の下の土を計測したら25000Bq/kgを超える汚染(事実)。 杉の木についていた汚染が土に沁み込んだと断定(推測)。 これが、安齋氏のグループのやり口。 事実の理由を根拠ない推定で決め付け、安心に導く。

2015-04-18 23:40:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

土に汚染が付着していたとして、 それは杉の木から土に移行したのではなく、 周辺からの再飛散で付着したのではないかという、別の推定を根拠なく切り捨てた。 しかも25000Bq/kgの土を採取するときにも、防護はしないで作業して見せる。 これが「専門家」の「防護姿勢」か?

2015-04-18 23:43:49
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

本来なら、これほどの汚染がある場所ならば、放射性物質が体や服に付かないようにして作業するのが「専門家」の姿勢だ。 「専門家」が防護せずに作業していたら、「専門家」に来てもらった住民も「防護」できない。 安齋氏は、住民が「防護」しなくても済むように手伝っている。

2015-04-18 23:49:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

何よりも、安齋育郎氏は、チェルノブイリ原発事故発生後に、旧ソ連住民が体験した教訓を無視している。事故原発付近の住民に、教訓を伝えないでいる。 環境に対する「除染」は成功しない。 それを伝えるのは「リーズナブル」ではないから。

2015-04-18 23:53:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この番組だけでなく、安齋育郎氏を含む、 「反原発だけど現在の避難指定以上の避難は不要で、大人はある程度汚染されたものを食べても良い」という人達は、立場を鮮明にしない、重要な点がある。 広島や長崎の被曝の影響に対する日本政府の現在の評価は、正しいと考えるのか?

2015-04-18 23:57:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

安齋育郎氏らは、チェルノブイリ原発事故後の健康への影響評価について、 どのように考えているかも、明確にしてほしい。 長瀧重信氏や山下俊一氏と同様に小児甲状腺がんの増加だけだと言うのか? ICRPやWHOの報告書のように、小児甲状腺がんと白血病や白内障の増加は認めるのか?

2015-04-19 00:01:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

それとも、ウクライナ政府報告書のように、原因や機序は不明であっても、 原発事故の健康影響は、遺伝する可能性もある、と認めるのか? 安齋育郎氏らは、その立場は取れないだろう。 「被曝の影響は遺伝しない」とあちこちで、断言しているからだ。

2015-04-19 00:10:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

住民自身による「除染」をさせる「専門家」たちは、 なぜか口をそろえて使う言葉がある。 「国や東電に任せていたら、間に合わないから」と。 本来行うべき責任を国や電力会社がうやむやにしてしまうことを、 まるで手助けするように。 そして、なぜか成人住民に被曝作業を積極的に実施させる。

2015-04-19 00:13:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

先ほどのETV特集では、「地物のマツタケを食べたい」という住民に、 「食べたほうが良いですよ」とまで、安齋氏は言っている姿が映っていた。 そこまでして、住民に追加被曝をさせたい理由が、安齋育郎氏には、 おそらくあるのだろうが、 私には納得できない。

2015-04-19 00:17:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ここまで、住民に徹底的に被曝を推奨する安齋郁郎氏が、 原発に反対する理由というのは、私には一つしか思いつかない。 それは、原発自体が、電力会社にとっても、政府にとっても、リーズナブルでないから、ということだ。 三原順のマンガの主人公と同じに「オレは加害者でいい」と考えているのか?

2015-04-19 00:24:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

三原順は「Die Energie 5.2☆11.8」の中で、 「私達一般の国民も、エネルギー問題に関しては単純な犠牲者ではいられない」と示しはしたが、 だからと言って「一般国民は加害者であることに徹するべきだ」とは言っていない。 むしろ「責任を自覚しながら主張しろ」と言っている。

2015-04-19 00:29:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

私達は、過酷事故が起きる前に原発をなくす事が出来なかった。 その責任を自覚した上で、改めて、私(個人)は主張する。 これ以上の事故が起きる前に、原発をなくそう。 事故が起きたことは変えられないのだから、事故による健康への影響を出来るだけ防ごう。 そのために、被曝防護をしよう、と。

2015-04-19 00:32:51