松田未来@MacchiMC72氏の語る、「表現規制」にどう「反対するか」・・・何よりも、「読んで面白い」作品を書いてナンボだ

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松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

自分は比較的装丁には恵まれてるほうだったけど、某大手にいた頃はそのデザインのひどさを作家さんが嘆いている場面に何度も出くわした。我慢ならなくて自分でデザインするようになった人もいます。ひどい、と言うよりはホントに面白くもなんともないデザインが多かった。タイトルロゴなんかもそう。

2010-12-20 13:38:26
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

週刊とかだと作家さんが忙しすぎてデザインとかやってる暇がないというのもある。メジャー誌はまだ書棚のポジションを確保できるからいいけど、マイナー作品は書棚で目立たないと手にもとってもらえないから表紙のデザインは死活問題。

2010-12-20 13:42:13
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

だから作家も編集者も色々工夫しようとするんだけど、営業からすればお約束や売れ筋のフォーマットを外すデザインはなかなかオッケーがでない。読者からすれば、見慣れてありがちな構図やデザインよりは目を引く「何か一つ外した」物を見たいと思ってしまうんだけど。

2010-12-20 13:49:14
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

セオリーと言うのは「成功したフォーマット」だから、それを踏襲するのは当然。ただし、それだけで固めた物は他の売れ線と区別がつかなくなる。漫画がほっといても売れてた時代はそれでよかったのだろうけど、発行点数だけは増えてる今、別の意味での工夫をしないと見てももらえなくなってしまう。

2010-12-20 13:56:48
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

そういうことを考える機会が多くなったので、こういった装丁があるのを見ると嬉しくなる。http://bit.ly/gZMERq デザイナーさんの力を感じますね。単に文字や絵を並べるお仕事ではない、と言うことを再認識させられます。

2010-12-20 14:07:30
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

大多数の一般人にとって戦争と言うのは日常の中に忍び寄ってきて、気がつけば巻き込まれている物、と言うお話。http://bit.ly/e4J9Wj

2010-12-20 18:20:27
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

この日記を読んで考えたのは、規制に反対する手段として「これこれこう酷い事が~」とか「こんな目にあっている人がいるのに」という書き方ばかりになるのは、何も知らない人たちにこの問題を知ってもらうにあたってはベストではないだろう、と言うこと。

2010-12-20 18:22:59
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

別に現状を訴えることを控えろと言うわけではないです。それは必要なこと。ただそれ「だけ」ではひく人もいるかなと思いました。

2010-12-20 18:24:30
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

なぜそんなことを思ったかといいますと、昔から平和を唱える人たちの語り口に違和感があったからなのです。彼らはどうしても視点が偏ってしまう。民間人は被害者で軍人は全て犯罪者あつかい。戦時の惨禍をすべて高尚な悲劇に無理やりしているような気がして仕方なかった。

2010-12-20 18:30:33
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

戦時下でも普通に生きてた人はいただろうし、軍人でも職務を全うした人もいた。それを一括りに「ひどいことだった」としてしまうのはどうも納得いきませんでした。お涙頂戴演出ばかりの語り口がいやだったのかもしれません。

2010-12-20 18:34:27
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

そう思っていたので、いわゆる平和を訴える人たちの作るものにはいまひとつ興が乗らなかったのですが、こうの史代先生の一連の戦時下を書いた作品を見て、やっと自分の読みたい物があると感じました。

2010-12-20 18:37:18
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

では「この世界の片隅で」を読んで戦争について考えさせられないかと言うとそうではなく、日常を生きた人の声だからこそ届く物があると思っています。そしてそれは「ほらほらこんな酷い事が~」的な方法よりも深く胸に刺さると思ったりするのです。

2010-12-20 18:40:34
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ここでやっと話が戻りますが、規制について異議を唱える一つの方法として、直接死体や廃墟といった惨禍の写真を見せる方法だけではなく、規制が行なわれないことで手に出来る物がある、と言うことを別の切り口で見せる手練手管が我々作家には求められているのかもしれません。

2010-12-20 18:43:57
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

元々作家と言うものは、まったく違う切り口で自分の語りたいことをそれとなく滑り込ませることに長けているのですから、それも利用しない手は無いと思うのです。直接的な抗議と比べて即効性には欠けますが、ボディーブローのように「何も知らない人」達に対する効果は積み重なるのでは、と考えます。

2010-12-20 18:47:45
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

不特定多数の規制に問題意識を持つ作家がいろんな切り口、様々な視点で同時多発的に作品を発表すること、そういった動きが直接的な抗議と重なって初めて、この規制に反対する動きに厚みが出てくるのではないか、と主張しつつ、自分ならどうするだろうと考えています。

2010-12-20 18:55:05
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

要は「向こうがプロパガンダすんならこっちもやってやろうぜ!ただしこちらのスマートなやり方でな」と言う感じです。せっかく漫画・アニメと言う規制側も認める影響力(笑)を持った表現方法を持っているんだから、使わない手は無いと言うことです。

2010-12-20 18:59:43
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

個人攻撃でも、弾劾でもない、何よりも「読んでおもしろい」が前提にある作品としてのアピール。それが出来れば強い味方になるんじゃないか、とか考えています。

2010-12-20 19:01:58