∀から見るGレコの作劇上の問題点。Gレコには視聴者が物語を味わう為の足場が無い。
- atochi_kanri
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しかしGレコの続きを観るという手も……いま10話まで観た。面白いけど前フリ長杉とオモタ。本題をはじめながらベルリの右往左往を混ぜ込むことはできなかったんだろうか?その方(右往左往も納得いく状況がすでにある)が感情移入を促せると思うんだけれど。
2015-04-18 11:16:10ターンエー好きな人がロランに感情移入できるのは、ムーンレィスの移住計画という状況がまずあって、その中でどちら側にも感情移入している少年(ロラン)がいて、という構図がはじめから打ち出されているため。
2015-04-18 11:18:57そこで感情移入でき、物語を味わう上での足場をえることができるから、情報量も飲み込んでいけるし、大群像劇になっても無意識のうちに「本筋」「本筋でないこと」を取捨選択していける。この仕組みには、ロランとディアナ、ハイム家姉妹との関係性の設計も寄与している。
2015-04-18 11:21:30Gレコにはそういう設計、構造、話法がない。なので物語を通り過ぎる膨大な情報がラフに、ありのままに流れていく(従来作より目立って多い富野説明台詞をまじえつつ)。
2015-04-18 11:24:09世界や社会を巡る多様な情報が主観には完全には把握できぬまま主人公(=ぼくら)の周囲を流れていって、それを後追いしていくなかに生がある、という現状認識はリアルで、Gレコのドラマ風景も確かにリアルで、面白い箇所なんだけど、Zガンダムと同じでそれは「ただの現状認識」なんだよね。
2015-04-18 11:25:40気になる女の子を巡る状況にふらふらとついていっていたら、知らぬうちに人を殺していたし、成り行きで敵の船に連れて行かれて、いつのまにか敵の敵は味方…アレ?みたいな状況で自己規定をしなおして戦うことになってしまっている。それがベルリ
2015-04-18 11:28:40これは、現代の戦闘者(まぁ現代のアイヒマンと極論してしまってもいいかもしれないが)の事情をかんがみてもかなりリアルな状況描写、人間描写だといえるのだけれども、その生(なま)の必然性=動機のなさが、ターンエーのような設計もなくそのまま放り投げられているのがたぶん一番の問題
2015-04-18 11:30:20確かにロランも、人物固有の状態でいえばベルリと同じような行動をとっているし、ロラン自身は目の前で起きる状況に反応して生きているに過ぎない。
2015-04-18 11:33:00でも、ロランは知らない・知っていても意識していないけど観客は知っている、という状況(ムーンレィスの移民計画をめぐって色々なことが起きている)が整理されて伝わっているので、いわゆる「登場人物が意識していない本質的な動機」というのを感じながら彼の生を観、考えることができる。
2015-04-18 11:35:44その本質的な動機が、あの世界で起きてる事をある視点(ロラン達「間に立つ者」の視点)で観客が並び替える補助線にもなっているので、過剰な難解さはなくなるし、ムーンレィスと地球人という対立項の外に立ちたいと願う(ロラン含む)ふつうの人々の真情を愛しながら観ていけることにつながっている。
2015-04-18 11:38:44そういった設計すべてがGレコの前半戦にはないんですよね。どういうわけか。ターンエーで会得してたはずだし、キンゲにも薄いけどあったんですが。でも10話前後で明らかになる事態を中心に物語っていれば、それがその設計に発展可能なので、なんとかなったはず。
2015-04-18 11:41:29今回全部シナリオも本人書いてるし、アレもコレもやりたかったのかなあ。スクリプトドクター入れば、内容・テーマ・モチーフは維持しながら解決できたと思うんだけど。
2015-04-18 11:44:12しかし、とはいえ実際のところ種々の違和感と(人口に膾炙するという意味では)ダメだこりゃ感ありながらも十分、面白いのである……ベルリの母ちゃんと法王とアイーダの父ちゃんがリアルタイプデザインではなく、もうちょっとマンガ的なハイムさん的な面白い顔してたらもっと面白かったのに。
2015-04-18 11:46:49一回乗ってしまうと、各登場人物の言動がいちいちおかしくて、観てしまうんですけど。でもターンエーみたいな設計で説得されていないので、おかしい言動で楽しませてもらえる雰囲気と、人死にがけっこう容赦なく(富野的に)出る雰囲気の齟齬に、歯の奥にモノ挟まったような違和感をずっと感じはします
2015-04-18 11:52:35