映画「ノルウェイの森」を読み解きながらほとばしるドーパミンっ、村上隆さん @takashipom の 壮絶・悶絶・絶賛!っぷり。

eiga,comより/3位には、「ノルウェイの森」が初登場。オープニング2日間の成績は、動員が13万2220人、興収1億8371万4500円と、ひとまず10億円が見えた。平日と正月の稼働次第ではあるが、何とか20億円を目指して欲しいところ。#norway1211
2010-12-20 18:12:05
今、「ノルウェイの森」の映画の感想、書こうと思って、久々に下書きした。ぶっつけ本番だと、誤字脱字多いし書いてるコンテクストがおかしくなって、突っ込まれる事が最近多くなって来たから。でも、全く脳みそ動かない。ツィッターで書くのと原稿書くの違う脳の部位みたいです。
2010-12-21 10:02:51
「ノルウェイの森」の映画、は、ハッキリ言って最高だった。もう脳みそがちょちょぎれた!例えていうなら、、、って、俺の個人体験だから比喩にもならんが、生まれて始めて現代美術観て感動したけど、その意味、理由、全然わからん。だから勉強し始めなきゃという感じ。なんの勉強か?って??
2010-12-21 10:05:35
映画の文法「グラマー」をしっかり勉強せねばならないと言う事。そして、もひとつ。村上春樹の文法。これもしっかり分からないと何がなんだか分からなくなると思う。「ノルウェイの森」は村上春樹ワールドの代表的な作品だけれども、こっちの世界、向こうの世界、の構造が
2010-12-21 10:07:46
融和した世界観をどのように感じ、解釈可能か、という作者からのチェスゲームのような作品だ。そのゲームの応酬のライヴを見せてくれるのが、映画「ノルウェイの森」だ。ベトナム系フランス人監督トラン・アン・ユンの映画の文法を利用して、村上春樹の世界へダイヴして行こうと言う試みの1つ1つが
2010-12-21 10:09:45
もう、死ぬ程スリリング!菊地凛子演じる直子が、松山ケンイチ=主人公ワタナベの前に再降臨するあたりから、その原作との応酬がはじまって、まさに息もつかせない。2人が散歩するシーンで、直子がもの凄い速度で歩き、ワタナベが追いつけないシーン、つまり幽霊体のような直子が
2010-12-21 10:12:55
口割け女の逸話よろしく、車を追い越して走るエピソードばりに、ズームとカメラワークで車を追い越す。モブシーン学生紛争をあれだけリアルに表現した後に来る、直子の部屋のアールヌーボー調だが貧しい感じのランプのある鏡台(だったかな?)へのカメラパン。そして雨。
2010-12-21 10:20:23
直子のサナトリウムにワタナベが向かい、2人で草原で秘められた過去を直子が独白するシーンのカメラパンのピストン運動=線楠の暗喩、、、だが、直子は濡れなかった過去を激烈に告白。
2010-12-21 10:22:34
ワタナベは震え、直子は発狂。。。そのショットで異界に突入してしまった事を表そうとする監督の意思の強靭さ。あらゆるショットがコンテクストの積み重ねであり無駄を省いたまさに映画的アクロバット。
2010-12-21 10:25:12
同じような世界観を構築したのが「インセプション」のクリスノーランだ。しかし「インセプション」は小道具を大げさに配置する事で万人を騙くらかして自身のイマジネーションへの旅へ誘おうとする。その対局の表現方法をトラン・アン・ユンはまさにヨーロピアンな映画的な文法で切り抜けようとする。
2010-12-21 10:27:54
「インセプション」は映画の教養が無くても理解出来るが「ノルウェイの森」は映画のグラマーが理解出来ないと全く分からない、ただの直子とワタナベの激情のほとばしり映画、としてしか理解出来なくなってしまう。事実、多くのブログの感想がそこにしか終始していない。
2010-12-21 10:31:28
水原希子 演じる緑の台詞は当時の学生運動風の「賛成の反対なのだ」的台詞回しは、かなり意図的な棒読み状態。つまりこの世があの世よりアンチリアルになって行くそう言った設定を重ねて行く。小じゃれた先輩永沢さんとその恋人ハツミさんとの掛け合いも、そらぞらしい。
2010-12-21 10:44:54
しかしハツミさんの未来、カミソリで手首を切って自殺、、、が説明されて行くシーンの前段での食事シーンでハツミさんの浮気の話にメンチ切ってるシーン等、ハツミさんのあの世からの脱出を賭けた闘いのシーンにも見え、演技、映画の構造、小説の構造、が融合して、得も言えぬ感動を導きだしている。
2010-12-21 10:47:33
映画「ノルウェイの森」は本当に現在観れる最高のハイコンテクスト映画であり、これは去年の「アバター」を超える映画の新しい挑戦の作品だ。長く疲弊し、新たなコンテクストを表出出来なかった『映画』というメディアのリボーンの瞬間を体験しないでどうする。
2010-12-21 10:55:20
松山ケンイチ、菊池凛子の日本人の役者としての最高峰的な演技にも世界各国の映画賞は喝采を送る事は間違いない。現代日本を解剖し作品化するにあたって、ベトナム系フランス人という立ち居地がどれだけ必要だったか。その辺は日本の映画評は完全にスルーなのか?
2010-12-21 10:59:03
絶賛してもその表現の核心までは貫通仕切れぬ最高の映画「ノルウェイの森」は、映像に関わるクリエーターは全員観た方が良い。
2010-12-21 11:00:23
いい足りない。全部のシーンが挑発的であり、計算をしており、熟成している。ワタナベが冒頭でどこかの誰かと寝たシーンでのカメラパンの中で、歪んだミラーに裸のワタナベがちらちら写り込むシーン等、奇跡じゃないのか!と思った。
2010-12-21 11:03:54
つまり、『映画』という箱が「インセプション」しかり「ノルウェイの森」しかり、全く違ったフェーズを観客のニーズと共に進化し始めて来たのだ。つまり、現実から逃避したくてわずかな予算でトリップ(旅)が出来る事を望む
2010-12-21 11:06:34
オーディエンス側の期待が、ゲーム的インタラクティヴなストーリーの消費を超えて、自分自身へ深くダイヴする手続きの導線引きを求められている、と言う事かと思う。
2010-12-21 11:07:28
それにしても「インセプション」と「ノルウェイの森」の映画的グラマーには恐ろしく似たモノがある。海、波=自分自身への懐帰。雪=遠い世界、あちらの世界の暗喩。睡眠=死。こうした文法が僕の知らない所で映画人達が標榜しているのかと思うとゾクッとする。
2010-12-21 11:09:41
モノを造って表現し、他者とのコミットメントを求めようとする。しかも深いコミットメントを。と思うと、勢いSEXとのワルツを踊らねばならぬ。映画の本質の一つは「見せ物小屋」的なモノ。「アバター」はそこに忠実だった。他の本質としては「現実逃避」の手引き、というのがある。
2010-12-21 11:15:03
ゲームを体感しているオーディエンスは既にストーリーの多様性を刷り込まれているが故、1方向性の物語には飽き足らなくなる。しかし物語の消費の脳の隙間を探し当て、そのツボに鍼を侵入させる。それがプロの仕業であり、
2010-12-21 11:19:32