2015年4月28日

経済オンチが歴史を作る?

歴史と経済の雑感。カテゴリーはどっちにしようか迷ったが、歴史にする。
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犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

歴史の勉強をして最近思ったことは、「経済オンチほど本を残す」ということ。日本の歴史上、解明的名経済マインドを持ちながら、政敵によって長く評価がゆがめられていた人物は、平清盛や田沼意次がいる。彼ら自身が日記や本を残さなかったため、政敵の記録が一休史料になってしまった点もある。

2015-04-28 13:01:50
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

「商業は虚業」という経済オンチの新井白石は「読史余論」という歴史書を執筆し、平氏一門と対立した貴族勢力の筆頭で、また当時の保守派の代表でもある九条兼実は筆マメな人で、詳細な日記を残した。経済オンチの記録によって、歴史はつむがれてきたのかもしれない。

2015-04-28 13:02:02
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

戦後の歴史学も、マルクス主義歴史学者が「日本はまだ近代化されていない」という議論が、日本経済の見方をゆがめていた面は否定できない。企業や資本の自由な移動ではなく、株式の持合や家族主義経営に代表される日本型経済は、「後進的である」という「勘違い」が社会科学を支配していた。

2015-04-28 13:07:38
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

訂正 解明的名 → 開明的な 一休史料 → 一級史料

2015-04-28 13:09:28
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

今ではなかったことにされているが、左翼にとって日本のバブル崩壊は、後進的な日本経済の「罪と罰」という論調であった。女性や在日外国人を差別し、第三世界を搾取していた日本経済の繁栄は、虚構だった、いやそうでなければならない、というイデオロギー。

2015-04-28 13:33:32
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

こういう心理は普遍的なもののようで、右翼がいつもいつも韓国経済・中国経済の崩壊論を唱えるのも、「きらいなものが崩壊してほしい」という願望の現われ。

2015-04-28 13:35:02
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

アメリカ経済を見れば分かるように、人種差別や貧困の放置があっても、ある程度経済的繁栄は達成できる。悲しいかな。そういえばサブプライム問題のとき、「アメリカ経済の崩壊必然論」を言ってた人たちは、今どうしてるんでしょうね。

2015-04-28 13:34:43
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

経済的不平等と経済的繁栄は全く関係ないという経済思想がうかがえるのは、元アメリカ連邦銀行理事ローレンス・メイヤーの言葉である。「社会的不平等という問題に対して、私が一体何をするのかということでしょう。その答えですが、全く何もいたしません」。

2015-04-28 14:11:33
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

儒教が女性や宦官を差別し、見下すのは、現実の歴史がしばしば女性や宦官に牛耳られていたことに対する、知識人のルサンチマンという説をどこかで読んだ。韓国や中国の歴史学とか、露骨にルサンチマンだしなぁ。

2015-04-28 14:08:37
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

政治にかかわった女性や宦官の中にも有能な人はいたのだが、中国の歴史でそれは低く評価されていた。則天武后は代表的な例である。

2015-04-28 17:36:13
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

ちなみに新井白石は、平清盛も批判している。清盛一門が多くの官位・所領を独占したため、「王室の権さらになきがごとく」という、いかにも空虚な名文論を好む白石らしい評価である。

2015-04-28 16:15:14
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

白石は朝鮮通信使が、江戸幕府の征夷大将軍に「日本国大君」という曖昧な名義で親書を送ってくることにも大いに不満で、「将軍は天皇の下に位置しているから、はっきりと国王とすればいい」とか役に立たないことを言っている(小島毅「足利義満 消された日本国王」)。

2015-04-28 16:15:31
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

一応白石の為に言っておくと、白石は当時最高の知識人の一人であるし、朝鮮と平和的関係を推進しながら、朝鮮通信使の接待を簡素にすることなど、意味のある政策も数々提唱している。

2015-04-28 16:15:49

追加

犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

追加。元アメリカ連銀理事メイヤー氏の発言は、日本では政治家はもちろん、日銀関係者でも大胆すぎて口にできないものだ。日本の文化と政治風土では、経済的不平等は歓迎されない。

2015-04-28 21:38:21
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

それがアメリカのようなひどい格差社会にしていないのかもしれないが、おそらくそこには一長一短があって、一方で富裕層がより潤っているような状況、つまりこれまた格差が開くようなバブル景気に対し、過剰な金融引き締め、バブルつぶしが支持される土壌がある。

2015-04-28 21:38:46
犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi

とにかく日本人はバブルを怖がっている。バブルとセットで、その後の20年にわたる長期不況の経験が染み付いているからだろう。しかしバブル悪玉論は、歴史的に全く根拠のないものだ。バブル崩壊のあと、金融緩和によって数年で経済を立て直した国はいくらでもある。

2015-04-28 21:41:15

コメント

犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi 2015年4月28日
まとめを更新しました。ツイートを追加。
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犬沼トラノオ@liberalism @inunohibi 2015年4月29日
まとめを更新しました。ツイート追加。
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
本題とはずれますが、新井白石が『「将軍は天皇の下に位置しているから、はっきりと国王とすればいい」とか役に立たないことを言っている』というのは誤り。むしろ、徳川話政権の権力構造の問題に明確に踏み込もうとしていた
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
『読史余論』などで白石が主張していることは、足利尊氏以降、政治の実権は武家が完全に掌握し、天皇は権威のみの共主となったのに、その地位はあくまで天皇の臣下なのだから、他の諸侯も同じ臣下という事で反乱を起こしたりして社会が不安定なままだった
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
白石は「足利将軍の時点で”日本国王”というような、実態と一致した地位・称号を新設するべきだった」と主張していた。これは徳川政権が結局、幕末になって求心力が薄れると、とたんに天皇に求心力が集中し、徳川政権自体も天皇の威光を気にせざるを得ず、そのまま崩壊してしまったというその後の展開を見れば、適切な考え
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
ただし、白石個人以外にこの日本国王号使用はほぼ総反対でしたし、仮に白石の影響力が史実より長続きしても、結局白石の問題視した権力構造の問題は大きすぎて克服は無理だったでしょうが
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
ついでに言えば、新井白石の貨幣、経済論は「経済オンチ」というより、「当時の現状を把握して分析はできてて、現代から見ても納得がいく部分も結構あるし、荻原重秀の高評価の反動で言われるほどトンデモないこともしていないが、自身の朱子学とかのイデオロギーがいろいろと足を引っ張ってる」
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2015年5月10日
ut_ken 新井白石による日本国王の称号の狙いは【中国「皇帝」⇒その臣下の朝鮮「国王」】=【日本「天皇」⇒その臣下の日本「国王」】という形でのカウンタパートを明確化させる狙いがあった、とも言われていますがどうでしょう(もしそうであっても、幕府の要人としては、おおっぴらには言いにくいので明確な文書記録はない)
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ut_ken @ut_ken 2015年5月10日
例えば白石、どちらかといえば経済固定(実質縮小)論者だったのですけど、貨幣流通量が必要なことは理解していて、急激に流通量を縮小すると危険だし(それをぶち壊しにしたのが次の吉宗)、それを確保するために兌換紙幣の発行まで提案していた。しかしイデオロギーには反していて自伝では、同じ提案をしている一般からの意見を否定して、そんなことを考えていないかのように取り繕うという事をしていた。
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2015年5月10日
新井白石はまさに典型だけど、経済面だけに留まらず「物語を語る者が、歴史における最終的な勝者だ」と自分は思うのです。政治的敗者であっても。例としては孔子と、ユダヤ戦記のヨセフスも挙げられますかね。日本だといま現在、警察内での現実の敗者だった「佐々淳行」がまさに「歴史の勝者」になりつつある(笑)
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2015年5月10日
討ち入りは成功したものの、最終的には「全員切腹」となったはずの赤穂浪士・大石が勝利宣言をする。「わしらの勝利は まだまだこんなもんやない 百年や二百年は勝ち続けるでェ……」http://f.hatena.ne.jp/gryphon/20140918083734(みなもと太郎「仁義なき忠臣蔵」より) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141214/p6  
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2015年5月10日
togetterには写真がUPできないので、こちらにUPしました。「白石晩年」(高島俊男「お言葉ですが…」11巻より) https://twitter.com/gryphonjapan/status/597163968281518081
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