toriiyoshiki氏「クロ現の「検証番組」を視聴。制作現場の実感からいうと幾つかの点で違和感があった。」
「過剰演出」!? 現実に報道番組を作ってきた経験から言えば、あれは捏造だよ。/ NHKの過剰演出認める 「クロ現」問題、最終報告へ - 朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASH4W…
2015-04-28 09:26:49ドキュメンタリー番組専門のTVディレクターでしたが、六十歳で定年退職、ハーフ・リタイアしました。これまでの取材で得た知識をベースに主に時事問題について呟きます。酒好きの恐妻家。みなさんの「呟き」をきちんと読むためにフォローは増やさないようにしています。失礼は平にご容赦ください。
@mamasan_h 残念で悔しいことですが、同意。現在明らかにされた範囲で、すでに「過剰な演出」とは言えない。それ以前に、そもそも問題の(ディレクターならぬ)記者に「演出」という意識があったかどうかも疑問。
2015-04-28 15:05:12その最大のものは「チェック体制の不備」を指摘したところだ。国谷さんがお詫びをしていたが、記者が嘘をついていたとした場合、彼女はもちろん、編集済み映像しか見ていないデスクやプロデューサーに嘘を見抜ける可能性は小さい。そこを疑い始めれば、現実問題として制作現場は機能しない。
2015-04-28 20:03:58つまり、一人が取材したものを常に誰かがチェックする必要があるとしたら、現実問題としてトンデモナイ二度手間にならざるを得ないからだ。そういう意味で、制作現場は基本的に「性善説」に則ってしか成立しない。
2015-04-28 20:07:36「管理職が報道内容の真偽をすべてチェックせよ」などと言い出したら、末端の現場は独自取材を忌避し、安全な「発表ネタ」に傾斜していく可能性が強い。番組内容は今よりさらに「広報」に近づいていくことになりかねない。
2015-04-28 20:10:15記者と検証番組でいうA氏、B氏との関係はいかにも奇妙である。記者と「ブローカー役のA氏」は撮影以前に一度会ったことがあるとしていたが、何のための取材で、実際どういう取材が行なわれたのか、そこへの言及がないのでとても納得できない。撮影現場に記者とA・B両氏が一緒に来る関係は不自然。
2015-04-28 20:15:34そういう意味で、その不自然さに気がつく可能性があったのは、(管理職などではなく)取材に行ったディレクターやカメラマンなどのスタッフ、さらには撮影映像をすべて見ているはずの編集マンである。彼らと記者との関係は基本的に(同じ番組をともに作り上げていく仲間として)水平なはずである。
2015-04-28 20:21:46現場の力関係というのはあったと思うが、明らかな不自然さを彼らスタッフがさほどの疑問を持つことなく受け入れたとしたら、あるいは「役割分担」に徹して淡々と(?)自分の仕事をこなしたとしたら、ぼくはその現場の頽廃こそが一番ヤバいと思っている。そこに全く触れない検証には違和感を拭えない。
2015-04-28 20:26:57ついでにいうが、現場での「声かけ」なんて俺は日常的にやっているよ。ドキュメンタリーは取材行為が触媒となって様々な化学変化を起こしていく「現場」を撮ることによって成立する。取材者はある意思を持って現場に存在する。取材スタッフは「現場」の一要素といっても過言ではない。
2015-04-28 20:33:12視聴者がもし番組に、「現場」をそのまま、まるで取材スタッフがそこに存在しないが如くに撮っていることを「期待」しているとすれば、ぼくはその「期待」を裏切り続けていることになる。だからといって、謝るつもりは毛頭ないけれど。
2015-04-28 20:36:07取材者は「空気」にはなれないし、なるべきでもないとぼくは思う。取材者が「いる」ことを否定するなら、ドキュメンタリーは隠し撮りでしか存在し得ないことになる。そんなバカな話はない。もっとも、今回のように、当事者が撮影を了承済みにも拘らず、わざと隠し撮り風に撮影するのはNGだと思うが。
2015-04-28 20:41:01つまり、今回の「検証」が現場のダイナミズム、つまり塀のどちら側に落ちるかギリギリのところでバランスをとろうとしている「映像取材」というものの性格をよく知らない人たちの手によって行われたらしいことをぼくは危惧する。変な方向に「反省」が働けば、テレビはますますダメになる。
2015-04-28 20:45:18誤解されると嫌なので一言補足。現場で「声かけ」することと「(テレビ用に)やってください」ということは同じではない。ぼくはドキュメンタリー番組において「やってください」というお願いはしない主義で通している。念のため。
2015-04-28 20:59:17はて?…「多重債務者」(というのは事実らしい)のB氏がいままで複数の番組で(もちろん違うネタで)覆面インタに応じてきたという話は、検証番組の「クロ現」には出ていなかった気がするのだが。これって取材者として安易も安易、心証的には真っ黒な話なのだが…。
2015-04-28 22:04:55別の記者によるインタビューもあったって話で、これはダメだと思うんだけど…。顔隠しインタビューを安易に使いすぎるきらいは、(かつて散々やった)俺としては日頃から感じていて、憤懣やるかたない話だったのだけれど。リアリティをどう担保するかということに関してあまりに安直なので。
2015-04-28 22:09:55@toriiyoshiki 管理職はそれだけの処遇を得てなませんか?それとも、年収半分にして、人数増やせばよい。それを他者に強いてきたのだから、今度は自分の番。 「過剰な演出」より、正確な広報の方が必要とされるのです。
2015-04-28 21:46:12@toriiyoshiki それをやりたければ、間違ったときには峻烈に処分しろってことです。「映像取材の性格」を知っていたなら、どういう検証をするべきだったのか例示すべき。でなければ、検証の否定だけなら、映像取材の関係者の甘えにしか思えない
2015-04-28 21:53:31@pxf03241 ぼくの見方は今回の「検証委員会」よりもずっと厳しいはずですけどね。例示も何も、現場の人間なら一目瞭然に不自然なことはたくさんあります。「例示」をひとつだけ挙げるとすれば、書いた通り、水平関係にあるはずのスタッフワークに対する検証です。
2015-04-28 22:17:10@toriiyoshiki 指摘で終わっては検証とは言えないですよね?指摘したら、その原因や背景の分析までが絶対に必要、さらに再発防止策まで入れるのが一般的では?そうでなければ、その指摘がどう厳しいのかが我々には伝わらない。
2015-04-28 22:32:00つらつら考えるに、今回の検証報告の最大の問題点は「視聴者の期待を裏切った」という判ったようで判らない評価基準に託したことではないか。「視聴者の期待」とは何か?…正体不明の、なにやら鵺のような、他律的な基準に報道機関が身を預けていいのか。それよりも職業倫理で自ら律するべきでないか。
2015-04-28 22:46:20では、過剰な演出の存在意義は何なのでしょうか?娯楽ではなく報道というのなら、「過剰な演出」と「正確な広報」のどちらが、社会に必要とされるかということでは? @toriiyoshiki 「正確な広報の方が必要」という話には全く賛成できませんが。
2015-04-28 22:38:24