茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1486回「スターは多くの人を幸せにできる。そのために尋常ではない努力をする」

脳科学者・茂木健一郎さんの4月29日の連続ツイート。 本日は、「思い」について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1486回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「思い」について。

2015-04-29 07:31:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

入場するために、日本武道館の前の列の中にいたら、料理評論家の山本益博さんがいらした。49年前のビートルズの来日公演のときには、北海道に住んでいて、高校生だったのだという。ものすごく行きたかったが、行ったら退学だと言われた。「49年越しのリベンジですよ」とおっしゃって、笑った。

2015-04-29 07:34:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

49年前に果たせなかった思いを果たそうとチケットを握りしめて列に並んでいる山本益博さん。思いが募るのか、自然と前傾姿勢になる。同行している方を、まったく振り返らない。「このままはぐれたら、入れなくなる。でも、山本さんは、気にしていない」と笑った。山本さんは、夢中になっていた。

2015-04-29 07:35:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

席に着いた。湯川れい子さん(@yukawareiko )のお姿が見えた。となりは、クリス松村さんだった。『ヘイ・ジュード』の時に、ポールが、「男子だけ」「女子だけ」と聴衆に歌うことを促したときに、隣のクリス松村さんは、小さな声で恥ずかしそうに「女子だけ」コーラスに参加していた。

2015-04-29 07:37:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

2時間余りのコンサートは、本当に夢のようで、スターというのは、こんなに多くの人を幸せにできるのだなあ、そのために、尋常ではない努力をするのだなあと改めて感じた。ポール・マッカートニーという人は、永遠の青年のようであった。名曲の数々が、心のど真ん中に、ずどーんと届いた。

2015-04-29 07:39:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

1966年のビートルズ来日公演の際には、ぼくは3歳だった。今や教科書にも載っているビートルズ。しかし、当時は不良視されていた。「古典」になった楽曲は、この宇宙に誕生したばかりの元素のようにピカピカと光っていた。その来日公演の武道館にかけつけた人たちは、本当に伝説である。

2015-04-29 07:41:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

人間は、自分たちが経験したことがない新しい何かに出会うと、とにかくもう興奮してしまって、黄色い声で叫んでしまったり、飛び跳ねたり、時には失神してしまうものだろう。1966年のビートルズ来日公演の音声を聞くと、観客の叫び声がもう胸に迫ってしまって、それだけのことだったのだとわかる。

2015-04-29 07:42:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

コンサートの途中で、ポール・マッカートニーが、「この前の武道館に来ていた人」と挙手を促した。湯川れい子さん(@yukawareiko )をはじめ、何人かの方が手を挙げた。ぼくはスタンディング・オベーションをした。あなたたちは、伝説の一部です。100年に1度しかないくらいの。

2015-04-29 07:44:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

ポール・マッカートニーの姿に、1966年のビートルズ来日の残像を重ねることができた人は幸せだったろう。「アイ・ラブ・ユー・ポール」という声があちらこちらから飛ぶ武道館で、ポールは水も飲まずに歌いきった。ほんもののスターとして。勇気をもらった者たちは、それぞれの人生にかえっていく。

2015-04-29 07:47:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1486回「スターは多くの人を幸せにできる。そのために尋常ではない努力をする」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2015-04-29 07:48:50