雑考#1:「涼宮ハルヒの消失」考
- terry_rice88
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消失みてる。なんだろう、この一大ブラックジョーク巨編。やっぱり演出が面白くないなあ……。見始めて、35分くらいだけど。なんか平板な話の印象。エンドレスエイトと似た雰囲気だなあ。
2010-12-19 12:53:21消失見終わる。なんだか盛り上がりのない話だったなあ・・・・。個人的に特に引っかかるものなし。あ。唯一、朝倉さんがいいキャラしてたのは間違いない。他は「ねーよw」って感じだった。えーと、映画と長編アニメはまったくの別物だよねって言う違和感が終始拭えない作品だった。
2010-12-19 15:10:33つまり実写映画の演出法でアニメ作ってもアニメにはならないし、アニメのような演出で実写作ってもそれは映画じゃないよね。どちらも似て非なるものになる。
2010-12-19 15:15:00消失はそんな感じの映画。まあ、一種のアニメ表現の極北ではあるけども。それが成功してるとは言いがたいんじゃないかな。もし時間を忘れてあっという間に見れたって人がいたら、それはそれで凄いかなあ。個人的には長ったらしくて、ちょっと辛かった。
2010-12-19 15:18:22で、結局のところ、涼宮ハルヒの消失って話の構造的には逆ビューティルフルドリーマーだよなあ。ビューティフルナイトメアラーとでも言うべきか。もちろんあたるのポジションはキョンなのだけども。キョンはラムの思想を若干一部受け継いでいる。
2010-12-21 11:51:35で、消失長門がビューティフルドリーマーのラムの思想の逆の思考の持ち主だと考えるとなおのこと分かりやすいかな。騒がしいモラトリアムを否定したキャラクター。消失長門が消極的なのはそういうことだと思う。
2010-12-21 11:54:53で、キョンは「騒がしいモラトリアムをうっとおしいと思いながらもその実、楽しんでいる」キャラなので、その点はお話的に捻りが入っているような気がする。ただ、キョンはハルヒのいる美しい夢から、消失長門のいる静かで穏やかな悪夢に放り込まれた。
2010-12-21 11:59:21あたるは至極単純に「ラムのいない世界には興味がない」から元の世界へ戻るけど、キョンは「騒がしい二次元を脱走したいと思って三次元的世界に放り込まれたら、やっぱり自分は二次元のキャラクターだった」と自覚したのが消失という話。
2010-12-21 12:37:43ここらはあたるはマンガのキャラで、キョンはラノベのキャラという差かもしれない。絵で行動を表すのと、心理描写の積み重ねでキャラを表すのの差。 アニメで表現する際にどちらが明朗になるかと想像するとやはり前者だろう。
2010-12-21 12:43:29表現が失敗してるとか成功してるかの問題ではなくて、単に快不快のレベル。どっちが気持ちよく見られるか。個人的に消失は見ていてうっとおしかった。楽しくはない。そこに描かれる物は面白いのだろうけど。
2010-12-21 12:56:21消失長門に関しても少し。まあ、あの手のキャラと言うのが心惹かれないので、なんとも言えない所ではありますが、さっきも言ったとおり、ラムとは逆の思想を持ったキャラであり、つまりそれはハルヒの反対の性質を持ったキャラともいえる。
2010-12-21 13:27:42個人的には元の長門も消失長門もあまり現実感のないキャラではあるけど、消失長門は現実にいそうでいないキャラなのだろうと。いてもかなり稀有な存在。それよりかはハルヒとか朝倉さんの方が現実の女性像に近いように思える。元の長門はリアリティーのなさに二次元のみで生きることが許されるキャラ。
2010-12-21 13:32:22消失長門も別に二次元(もしくはリアル)にはいてもいいけども、どちらにしろ中心には出てくることはあまりない中途半端なキャラとも言えそう。消失ではヒロインとした扱われてるけど、やっぱりハルヒのような強烈さがない。
2010-12-21 13:35:44逆にハルヒというバイアスがあってこそ映えるキャラで、そのキャラ自体にそこまで特徴のあるキャラではないように思う。たしかに小動物みたいな可愛らしさがあるけど、そこがあざとくもある。
2010-12-21 13:37:56被虐的なヒロインって言うべきだろうか。可愛がりたくもあるけど、苛めたくもあると言うキャラで、弱者ヒロインなのですよね。いわゆる純情可憐な女性像が肥大化して出来たようなもので。こう言っては悪いのだけれども、これを好きな人って、女性を支配したいっていう思いが強い人なのかも。
2010-12-21 13:42:43こういうヒロインの書き方はもう古臭くなってる感じがする。だって、すでに女性は家庭に収まるのではなく、男性と同等に社会に出て、働くのが世の常識であるから。消失長門は絶対的な弱者然として描かれているから、現代社会においてはもう現実的な女性ではない。
2010-12-21 13:47:37これでまで語ってきたように消失はビューティフルドリーマーの逆奏曲であり、そこにおけるメインヒロインである消失長門は前時代的なヒロインである。以上のことから、考えるとそこに映し出されるハルヒと言うのは非常に現代的な存在だ。闇が大きいからこそ、光が輝くように彼女は未来でもある。
2010-12-21 13:53:26ただ原作小説が滞っているのは未来の停滞とも言えるのかもしれないがまあ、モノトーンな色彩に演出された消失で、色が華やぐシーンはハルヒの出ているシーンであることからも消失という前時代の標榜を通り越して、前に行かなければならないのだろう。
2010-12-21 13:57:46それは多分原作者も消失を書かなければ前に進めなかったのだろうけど、そこから先にどう先鞭をつけるかで立ち止まっているようにも見える。なにせ、実質的に最終回のようなものだから。
2010-12-21 13:59:41キングクリムゾンが「エピタフ」を1stアルバムに書いてしまったように、終着点を先に書いてしまったのが問題なんだろうなあ。いくら書いてもたどり着く先は一緒だから。キョンは二次元の人物で読者の共感者じゃないという結論が出てる。
2010-12-21 14:02:10消失はそこのカタルシスがやっぱり弱いように感じた。そこは多分、キョンがハルヒに直接言わないといけない問題だからではないのだろうか。少なくとも消失長門、もしくは長門にいうべき問題ではないし、自己完結する問題でもないからだ。
2010-12-21 14:04:04キョンが自覚して前に進まないと物語は完結しないだろう。消失は涼宮ハルヒシリーズと言うラノベの問題点をあぶりだしたと言う点で意義深い映画なのだろうと思う。しかし、そこにカタルシスはない。そしてエンターテイメントでもない。アニメの極北に辿り着いた作品ではあるのだろうが。
2010-12-21 14:07:36だから「面白い作品ではある、楽しくはない」。アニメーションという言葉に立ち返ってみれば、動きやアクションに快感を覚える作品でないことは確かだ。消失は視覚的快感を一切排除したアニメ作品であると考えるならば、やっぱり歴史的な作品だろう。そこに未来があるかどうかは別だが。
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