#日詩 まとめ

リハリハビリビリ
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四月

林明乎 @acico55

どこにも行けないと地面が言う 伸び縮みする影が言う 澄んだ空が 若葉が 半月が言う お前はどこにも行けない 一歩も進めも戻りもできず その場所に立ちつくしうずくまっていろくりかえし 道は断たれない 日常は終わらない 行き過ぎ留まるたくさんの声を聞く #日詩 04.30.2015

2015-04-30 15:44:10
林明乎 @acico55

電車にもカフェにも孤独ばかり連れまた孤独を呼んで昏々 #10秒で書く詩

2015-04-28 17:37:57
林明乎 @acico55

なんてこった 内側の棒きれが熱を持ち 廻る火車 白い灰纏った消し炭 だったのに 火薬が体のどこかに残って はじけて 溜まった灰は知らぬふりで 温度が上がる 皮膚を 心臓を 中から あかく照らす 喉の骨すら 燃やしきるまで 今度こそ消えるなよ 炎 #日詩 04.22.2015

2015-04-22 22:03:19
林明乎 @acico55

爪先立ちで若葉にふれて 柔らかかったって言って笑った 夢だったろうか ここはとても殺風景で 風すらない 季節はどこで 時計はいつですか 持ち続けることはできますか 忘れたくないものを 忘れたくないまま ガラスにも溶けない強かさで 炉から出た後までも #日詩 04.21.2015

2015-04-21 21:01:43
林明乎 @acico55

深海魚の退化した目は 口から昇る泡を映さず ならその感触は 捉えているか 屈折して青さえないそこ 水圧にだけ耐えるしろい体 くねらせて ひとの いられない場所 海と宇宙は似て 青から昏みゆく間隙に手を伸ばして のばして 意識は 底に 届く前に 切れ #日詩 04.20.2015

2015-04-20 21:36:32
林明乎 @acico55

泥に指だけ埋めて 乾くのと 飽きるのと 雨が降ってきて 蟻が逃げるのと 屋根に入るのと どっちが って 爪をずっと噛んでた 嵐は予報どおりじゃない ここから北極星は見えない 北極星は見えない 金木犀の香りがする そして窓を開く そして宇宙に落ちる #日詩 04.18.2015

2015-04-18 20:34:44
林明乎 @acico55

重なっているのだろうか僕や君が どこかの地平で 同じ茎を持って 円の重なる部分は花びらにみえる 大きさのちがう相似形を描く 重なりが増えても 引き裂いたぎざぎざの破片ずっと持ってる ついたまま萎れてるの裂かないで 指先で弄んで 裂けないで 春の嵐 #日詩 04.17.2015

2015-04-17 17:08:05
林明乎 @acico55

レンタカーを飛ばし九十九里まで。砂浜、朝日、散歩にきた犬やひと。拾った貝殻は欠けている。潮は引いていくところ。小さい穴を見続けた。「よく飽きないね?」 遠いものだから海岸の思い出は上書きされずにモチーフを残す。それでも波の音で眠れる夜はある。 #日詩 04.16.2015

2015-04-16 22:26:53
林明乎 @acico55

強い風に乗って行間をすり抜ける。zapping. 見当たる場所に見当たらないあれやそれ。類語辞典が差し出してくる単語はビュッフェ。能のないKnowing 知らない処で知られてるんじゃないWeb 蜘蛛の子みたいに飛びだしたそこは銀河だったりしませんか。 #日詩 04.15.2015

2015-04-15 14:07:49
林明乎 @acico55

雨とシャワー。点と線。鉛筆で引いていく曲線がだんだんと形になるのを横から覗いた。目は真剣で口元は微笑んでいた。描くのが好きなのだと思った。とても凛々しく大人びてみえて、うらやましかった。シャワーに打たれながら両手をみる。好きなことをしている姿。 #日詩 04.14.2015

2015-04-14 18:15:21
林明乎 @acico55

蒲公英の綿毛が飛ぶ。どこかにぶつかって、風に乗れたり乗れなかったりして。土の上に落ちるとも限らないのに。そうしていくつかだけ、知らない場所に落ち着いて、きっと雨の数をかぞえて根を張るんだわ。 #日詩 04.13.2015

2015-04-13 20:28:45
林明乎 @acico55

ぼくはこんななのに やさしいひとがたくさんいて ひとりのときこうして おもいだして 涙を ながしたりできる #ボーダー・ポエッツ

2015-04-10 16:52:50