俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 1

ドラクエ10二次創作。 Twitter小説の形で投稿したものをまとめています。 本編のネタバレがございますので、不快に感じられる方は、各自ご対応をお願いいたします。 原画 http://u111u.info/kAsJ
ゲーム ドラゴンクエスト
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ぺりめに@ドラゴンMFDあるくゴリラ @Buts_Kirisaki
#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 《ご注意》ドラクエ10二次創作物です。バージョン2のメインストーリーを攻略していない方はネタバレになります。不快に感じられる方は、各自ご対応お願いいたします。 これより投下はじめます。 #DQX #二次創作 #Twitter小説
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 1   私は勇者だった。  生まれた時から勇者としての教育を受け、剣術を学び、修練を積んだ。  グランゼドーラの民は、私を勇者と呼び慕う。  妹も、私のことを勇者と呼んだ。  誰も疑いようもなく、私を勇者だと認識していた。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  己の運命を知ったのは、勇者だと告げられたその時。  すぐにそれを受け入れられたかというと、そうではない。  ――幼いころ、私がまだ勇者だったころ。  妹に絵本を読んであげていた私は、つい口をすべらせてしまう。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 〈空が割れ、大地が裂け、地獄の扉が開いてゆきます。  なんと裂け目から大勢の魔物が現れ、アストルティアを震撼させます。  しかしアストルティアの民は嘆きません。  大いなる闇に立ち向かう勇者が、グランゼドーラにいたからです〉▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「すごい、にいさまもいつかこんな風にっ?」 「そうさ。僕は勇者。勇者だからね」  けっして見栄を張りたかったわけではなく。絵本のようになりたかったわけでもない。  認めてしまわなければ、受け入れてしまわなければ、いづれ私はどうにかなってしまう。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  何とも名状しがたい不安に、苛まれ続ける。そう思ったからだ。  楽になりたかった。  本当は妹の方が辛い思いをするかもしれない。いやきっとそうだ。  それなのに私は、肩を寄せ合っているときだけは、アンルシアとは幸せな兄妹でいようと。ずるい兄だ。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  その絵本には続きがある。 〈勇者はペガサスにまたがり、魔王城を攻めた。  しかしあえなく、罠にかかってしまう。  ここまでか、と勇者の心が折れかかったそのとき〉 「そこでわたしの出番ね!」  妹は、ぬいぐるみにまたがり力強く言った。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「わたし、にいさまの盟友になるわ!」  アンルシアは勇者を支える存在、〈盟友〉になろうとした。  勇者である私を支えるのだという。我が妹ながら健気である。妹は、私が勇者になると信じて疑っていないのだ。  しかし私は…。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  妹にも、国民にも明かしていない私の運命。  勇者だと告げられたその時。同じく告げられた役割。 「わたし、大好きなにいさまの助けになるわ」  ありがとうアンルシア。けれど…  私は勇者ではない。  真の勇者を隠す存在。私は――勇者ではないのだ。▽
ぺりめに@ドラゴンMFDあるくゴリラ @Buts_Kirisaki
#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  そう私は影。  真の勇者、アンルシアの影にして、盟友にも成り得ない存在。  わからない。わかりたくもない。私とは一体何者なのか。  一国の王子か。はたまた勇者の兄か。それともただの身代わり人形か。▽
ぺりめに@ドラゴンMFDあるくゴリラ @Buts_Kirisaki
#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  それが運命だと言うのなら、私は従う。  この身をささげ、守って見せよう。妹を、国を、母なる大地アストルティアを。  受け入れよう、己の境遇を。  何も持たずに生を受けてしまったと、親を呪わぬように。嘆かぬように。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  いや違うのだ。  私はただ、言い聞かせていただけだ。  それがきっと、己を、妹を、世界を、救うことになるのだと。  勇者とはそういう星の命を受けているのだと。  そう…、何度も、何度も、私の背が父上に追いついてしまうまで――何度も。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「伝令です! 大魔王軍が城に取りつきました!」  西の塔3階。妹にあてがわれた寝室で、私とアンルシアは凶報を受けた。 「堅固を誇るグランゼドーラの城壁も長くはもたないだろうな」  妹の成長を見守ってきた剣を一振り妹へ差し出す。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  ついに来る戦いのため、鍛えなおしてもらったものだ。 「できることなら…。お前をあんな血生臭い戦場に連れて行きたくはないんだけどね」 「いいえ兄さま…わたしも強くなったわ。剣の腕だって兄さまに劣らないもの」  アンルシアは剣を納めながら言う。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「いざとなったら、わたしが兄さまを守って差し上げるわ!」  まったく…。一国の姫でありながら、随分とおてんばに育ったものだ。 「アンルシア。一つだけ、約束してくれ。お前は私のだいじなだいじな妹だ。それはもう、かけがえのない」▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「ここから先は壮絶な戦いだ。ほんのカケラほどの迷いが、お前の命運を左右してしまうだろう。いいか、くれぐれも私を守ろうなんて考えるな」 「兄さま…」 「いま渡した剣で、自分自身を守り抜け。それができねば、お前を連れていくことはできない」▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  アンルシアは一度目を伏せたが、すぐに私を見つめなおし、「はい…わかっています」とうなずいた。  私もうなずき返す。覚悟は、できた。「…さあ、行くぞ」▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  腰に携えた剣を抜き、戦場へ躍り出た。  すぐに耳元で賢者ルシェンダの念話が響く。 「出陣して早々で悪いが、魔元帥の侵入を許してしまった。奴の前では結界も役に立たんようだ」  はじかれたように城壁周囲を見渡す。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  這い上がってくる魔物、空からくる魔物、城門は突破され、そして砂埃にまぎれ悠然と歩いてくる影。遠目にもわかる禍々しいオーラ。気づく。奴が魔元帥か。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  瞬間、私は翔けた。  奴はここで抑えなければならない。  深く闇色に染まった鎧と、そのすき間から漏れ出る魔力の奔流。剣を交えずとも、相当の手練れだということは傍目にも明らか。  全速力で駆けながらも一度納刀し、初太刀の渾身撃へチカラをためる。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「ほう。貴様がグランゼドーラの」 「はぁぁぁっ!」  語らせる時間は与えない。初撃にありったけを乗せる。  空を裂く激突音。  チカラとチカラがぶつかり、刀身が悲鳴を上げる。 「くはは。わしに剣を抜かせるか」▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  防がれた…ッ!「だが…っ!」二、三、四、五、六、七、八、九……、ッ!  数え切れぬほどの斬撃を無呼吸で繰り出していく。  此奴に自由を与えてはいけない。▽
ぺりめに@ドラゴンMFDあるくゴリラ @Buts_Kirisaki
#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  突如はげしさを増した大魔王軍の侵攻は、ついにこの国、勇者の象徴たるグランゼドーラまで迫ってきていた。その全勢力が集結している様相だ。城内防衛線も、佳境を迎えつつある。▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない 「……くっ」一撃が重い…ッ!  しかし微細たりとも退くわけにはいかない…ッ。  私の剣が折れればたちまち、無数の魔物がなだれ込んできてしまう。 「勇者よ、魔元帥ゼルドラドの太刀。食ろうて無事でいられようか!」▽
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#俺の妹が勇者姫で盟友と危ない  刃を打ち鳴らすその振動が、脳を殴りつけ、そのたびに私の意識は消し飛びそうになる。  実際に剣を交えてみて気づく。魔元帥ゼルドラド、私の手に負える相手ではない。それはきっと、妹にも。▽
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