生体ユニットと悪堕ち(基礎編)

「生体ユニット」というジャンルがあり、悪堕ちにおいてよく用いられる手法となっています。ここでは生体ユニットとは何かを説明しつつ、後半では悪堕ちと相性が良い理由について考察します。
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悪堕研究機構 @utakuochi

「生体ユニット」という言葉を御存知でしょうか?機動武闘伝Gガンダムのレインが特に有名であり、現在では一大ジャンルとなったこの概念ですが、悪堕ちとの絡みもあり、悪堕ちジャンルにおいても人気が高い手法となっております。今回は生体ユニットに迫ってみましょう。

2015-05-03 20:21:59
悪堕研究機構 @utakuochi

「生体ユニット」という言葉自体はこれで意味が完結していなくて、正しくは「生体ベースの演算ユニット」という概念になります。平易に言えば「生きたパーツ」で、例えば機械兵器や生体兵器、モンスターに生きた人間がパーツとして組み込まれ、それらを支援する働きをすることを指します。

2015-05-03 20:46:09
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニットの役目は、主に次のようなものが挙げられます。 ‐ (1)制御 (2)性能の強化 (3)エネルギータンク (4)人質 (5)感覚の共有 - (1)(2)が本来の意味で、(3)は拡大解釈によるもの、(4)(5)は生体ユニットジャンルにおいて後ほど確立された概念です。

2015-05-03 21:09:07
悪堕研究機構 @utakuochi

(1)制御 :は機械の3柱「入力」「演算」「出力」を狂いなく円滑に進めるもので、これがないと動かなかったり、意図した挙動でなく暴走してしまいます。制御には高度な技術が必要で、この制御を行うために、意志を持った人間を生体ユニットとして組み込む場合があります。

2015-05-03 21:28:42
悪堕研究機構 @utakuochi

(2)性能の強化:制御性を上げることを性能の強化と呼ぶかは定義次第なので置いておいて、対象者を生体ユニットとして取り込むことで、対象者が持っている能力を使えたり、相乗効果で新しい能力を生み出せたりする場合があります。制御下においた対象者自身に能力を使わせる場合もあります。

2015-05-03 22:55:38
悪堕研究機構 @utakuochi

(3)エネルギータンク:生体ユニットとしての役目は制御であったり性能の強化であったりするわけですが、対象者が無尽蔵のエネルギーや魔力を持っている場合はこれを取り込んでエネルギー源とすることがあります。

2015-05-04 00:36:05
悪堕研究機構 @utakuochi

(4)人質 :生体ユニットとして取り込まれ、支配下に置かれるということは、対象者を自由に扱える人質とすることも可能となります。前述の制御、強化、エネルギー源という目的に合致しなくても、人質として取り込むことは有効です。(生体ユニットとして役割を果たさないため派生概念としました)

2015-05-04 00:46:02
悪堕研究機構 @utakuochi

(5)感覚の共有 :この場合、主に性的な要素を含みます。取り込むモノの中には、生体ユニットとなる対象者から「快楽」を受け取ってエネルギーに変換する存在や、対象者をいたぶるサディスティックな面を見せつつ、同時に共有される感覚に恍惚となるマゾヒスティックな面を見せる存在もいます。

2015-05-04 02:28:56
悪堕研究機構 @utakuochi

(4)人質  と (5)感覚の共有  があるなら (6)生産 も含めていいかもしれません。こちらも「苗床」に代表されるように主に性的なものとして扱われ、特定の存在を生み出すための母体として利用されることを指します。こちらも本来の生体ユニットの役割から外れるため、発展形とします。

2015-05-04 10:26:42
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニットが悪堕ちと相性が良い理由、それは対象者が取り込まれて生体ユニットと化す「変化」と、取り込まれていく「過程」、生体ユニットとなってからの「苦悩」といった、悪堕ちを魅力的にする要素を兼ね備えており、さらに裸体となる場合の多い生体ユニット自体が性的というのもあります。

2015-05-04 11:20:41
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニットは悪堕ち8種の内の「同化」に該当します。ただし、悪堕ち8種上「対象者の境界外にいる主人の直接支配を受ける」ことを「同化」としているので、悪堕ちの区分上、生体ユニットが「同化」ではなく「改造」に該当する場合がありますがこれは稀です。

2015-05-04 14:08:07
悪堕研究機構 @utakuochi

さて、悪堕ちジャンルでは「生体ユニット化」という手法が取り入れられておりますが、これは以下の傾向があります。 (1)裸になる (2)両腕と腰から下が埋まり上半身が露出する形で拘束される (3)皮膚が金属質になる (4)自我の消滅

2015-05-04 15:09:49
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニット化することで裸になるのは、生体ユニットが純粋に「制御」や「能力強化」、そして「エネルギー源」として使われるためであって、これらの役割のためには服装は不要であり、むしろそれらを取り去り一糸纏わぬ裸になったほうが本体との接続率も上がるという意図に基づいています。

2015-05-04 16:49:13
悪堕研究機構 @utakuochi

皮膚の金属化に関しては、金属が「生体ユニットという機械と化した」という印象を与える点で有効な表現方法です。かつ、金属化というのは不可逆変化の代名詞であり、生体ユニット化したら元に戻れないという、「不可逆変化が見えることが魅力の悪堕ち」の表現としても有効です。

2015-05-04 16:56:55
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニット化を視覚的に表現するために ・異質な存在 ・本体との接続 ・自由の剥奪 が必要です。特に生体ユニット化するのは女性キャラが大半ということもあり、女性であることを強調しつつ、本体との接続を表現するために「両腕と腰から下が埋まり上半身が露出する形で拘束される」わけです。

2015-05-04 17:15:25
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニット化における自我の消失は必須ではありません。自我を残しておくか、自我を消してしまうかは役割によって変わり、自我を消したほうが生体ユニットとしての役割を果たせるものと考えます。一方で、人質とするなら自我を残す方が良いですし、絶望のエネルギーを吸い上げる場合もそうでしょう。

2015-05-05 00:20:39
悪堕研究機構 @utakuochi

悪堕ちの根本はギャップ萌えですから、生体ユニット化においては ・裸 ⇔ 衣服着用との対比 ・拘束 ⇔ 自由との対比 ・金属化 ⇔ 生命との対比 ・自我の消滅 ⇔ 自由意志との対比 というように、対比できるギャップがあればあるほど、悪堕ち生体ユニット化が魅力的になるわけです。

2015-05-05 01:16:03
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニット化の特徴は、対象者が物語を左右する重要な存在であることを示唆し、生体ユニット化した当人を救出する流れまでがセットで描写される点です。基本的に生体ユニット化は不可逆変化であるため、救出は絶望的と考えられますが、その状況をひっくり返す奇跡を彼らは起こそうとするわけです。

2015-05-05 11:40:57
悪堕研究機構 @utakuochi

生体ユニット化した対象者を助けるのを一連の流れとするならば、助け出せるという希望を物語中に散りばめることが重要です。そのひとつが、生体ユニット化しても人間の形を保っていることだと考えます。たとえ四肢が融合し、金属化し、物言わぬ状態であっても、人の形を保っていることが重要でしょう。

2015-05-05 11:49:27
悪堕研究機構 @utakuochi

結論です。能力を持った対象者は「制御」「強化」「エネルギー源」といった役割を担う生体ユニットと化す場合があります。生体ユニット化において、ギャップ萌えが視覚的にわかることと不可逆性が見えること、生体ユニットと化していく過程が描写されることで、悪堕ちと相性が良いことを述べました。

2015-05-05 12:14:46