忍殺二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯５（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

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◇銃◇ドーモ、シカナです。これよりピストルカラテ重点なニンジャ二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】の最新セクションを投下します。TLの流速増加、あるかもしれぬネタバレに備えたい方は #4215tk をミュートしよう。これは実況にも使えるタグだ◇拳◇

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【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯５ #4215tk

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BLATATATATA！「ザッケンナコラー！」「イヤーッ！」「アバーッ！」「スッゾオラー！」スニーキング・スコーピオン・ヤクザクラン事務所前に響く銃声と悲鳴。ワンヒットワンダーの指揮するクローンヤクザ軍隊は、己の命を省みることなく銃弾で敵ニンジャを削り続ける。1 #4215tk

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ニードルシューターはその様子を満足げに眺め、次いで空中に視線を転じた。スナイパーライフル反動で宙を舞うクレヴィースが、眼下のニンジャたちの妨害、狙撃を着実に行っている。彼の火力は最大脅威であるジェノサイドを屠るには足りぬ。しかし、削り取ることはできる。2 #4215tk

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肝要は相手にこちらが時間稼ぎをしていると思わせること。その実、確実にトドメをさせる範囲まで相手を疲弊させることだ。もはや戦略上での勝利は確定している。先ほど、トランキライザーらから取引の終了連絡が来たばかりである。彼らもまたこちらに急行中。イクサの勝利も近い。3 #4215tk

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しかしニードルシューターの表情は硬い。到着予定時刻が既に３分ほどオーバー。取引に時間がかかったか、あるいは。『ザザザザッ、こちらザリザリザリこちらスライハンド』不意に無線端末から聞こえた声に、彼の眉間にシワが寄る。「ドーモ、スライハンド=サン。非常事態か？」4 #4215tk

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『ザリザリ非常事態。敵襲』「敵襲だと！？」思わずニードルシューターの声が跳ねる。表情も険しく彼は問い返した。「サヴァイヴァー・ドージョーか？」『否ザザザッ、情報と違います。二人組、所属不明』「ヌゥーッ……！』ニードルシューターは眼下を見やる。奴らの仲間か？5 #4215tk

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『これから交戦しザザザッ、ザザザザザ！』「スライハンド=サン？モシモシ？」「ザザッ、ザリザリザリザリ』もはや返ってくるのはノイズばかり。ニードルシューターの眉間のシワが深くなる。彼らのワザマエであれば並みの相手ならあしらえる。しかし、時間はかかるだろう。6 #4215tk

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ニードルシューターの握りしめる無線端末がミシミシと音を立てる。最悪の事態を想定せよ。トランキライザーらはもはや戦力としては数えられぬ。自分も加勢し、一気に……下を見た彼は不意に気づく。敵の一人がクローンヤクザ包囲網を突っ切り、事務所内に駆け込んでくることに。7 #4215tk

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時はやや前後する！INWとの取引を終えたトランキライザーとスライハンドはカラテ警戒しながら下水道通路を進む。ニードルシューターから警告された、サヴァイヴァー・ドージョーなるニンジャのゲリラ集団のトラップを索敵しつつ。「ネオサイタマってのは下水道も物騒なんだなァ」9 #4215tk

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トランキライザーの軽口に、スライハンドが咎めるような視線を向けた。が、その軽口は止まらない。「しかし、ブキミな奴だったよな？あの……なんだっけか」「ブルーブラッド=サン」「そう、そいつだ。あいつ息してたか？してないよな」「ええ」「態度もでけえし。気に食わねえ」10 #4215tk

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スライハンドは答えない。トランキライザーには、それが彼なりの肯定だとわかっている。他人の悪口を言わぬ奥ゆかしい男なのだ。「まあいいさ。次のビズだ。あの腐れゾンビー野郎……エート」「ジェーノ、サイード……」「そう、そいつ……あン？」トランキライザーは足を止める。11 #4215tk

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今の声は？スライハンドではない。彼はカラテを構えている。少し前にある横穴、声の響いてきた方向に。「いるのかァー……？」またも声。足音。声の主が姿を現す。山高帽を目深に被り、ズタズタのロングコートを着込んだ男。顔には黒い包帯が乱雑に巻き付けられている。異様だ。12 #4215tk

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「なんだ、貴様は」トランキライザーは反射的に麻酔ピストルを構える。「ジェーノ、サイード……いねェなァー」山高帽男は答えない。代わりに白い煙を吐きだす。トランキライザーは気づく。包帯から覗き見えるソクシンブツめいた肌に。「ゾンビーだと？INWの身内か？」13 #4215tk

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トランキライザーは一歩踏み出し、声を張り上げた。スライハンドが携帯無線の準備を始めたのを悟らせぬためだ！「関係ねェー」山高帽男が吐き捨てる。「ジェノサイド、知ってるのかァー？」「貴様に答える必要はあるまい！」トランキライザーが眉をひそめる。なんだこいつは？14 #4215tk

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「ヒヒッ、いけないぜお二人さん。ネオサイタマってのはどこに耳があるかわからない」そこに割って入る新たな声！トランキライザーは即座に発言者を見つける。長髪の男だ。山高帽男の出てきた横穴から顔を突き出している。目周りの赤紫隈取が薬物中毒者めいたイメージを醸し出す。15 #4215tk

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トランキライザーはうんざりとその長髪男を眺める。「次から次へと。なんだ貴様は！」「ドーモ」山高帽男の横に並んだ長髪男がアイサツを繰り出す。「フィルギアです。で、こっちが」「エルドリッチです」山高帽男もアイサツ！ナムサン！両者ともニンジャだ！16 #4215tk

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「ドーモ、トランキライザーです」「スライハンドです」トランキライザーのアイサツに合わせ、無線を切ったスライハンドがオジギを返す。アイサツ終了後、二人は同時にピストルカラテを構えた。「貴様ら、あの探偵の仲間か？」「探偵？」ニヤニヤと笑うフィルギアが首を傾げる。17 #4215tk

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「さてね。探偵は知り合いにいないよ……今はね。注目してる奴はいるんだが、たぶんあんたらの言ってる奴とは違うだろ」このカラテアトモスフィアの中でも、フィルギアは臆した様子もない。「そういうあんたらは……アー、INWとか言ってたっけ？つまりアマクダリ？困ったな」18 #4215tk

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「困るとは？」スライハンドが油断なく問う。「無関係ならばどいてください。無駄なイクサをする時間はない」「わかる、わかる。俺もイクサは嫌いだからさ……でも否定なしってことはアマクダリなんだろ？困るんだよな、始めるのは今じゃない……予定の前倒しはあいつが怒るんだ」19 #4215tk

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フィルギアの謎めいた言い回しに、スライハンドは片眉を跳ね上げる。「いやね、アマクダリにはケンカを売る予定なんだが……」「何？」「最後まで聞きなって。宣戦布告は派手にやる予定なんだ。あんたら相手でもなく、こんな場所でもないとこでさ」なんたる不敵！20 #4215tk

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「だから、ほら、今ネタバレはマズいんだ。悪いんだけどさ」トランキライザーはその言外に澱んだ悪意を感じ取る。彼は躊躇なく引き金を引いた。麻酔弾が音もなくフィルギアに向かう！「おっと」フィルギアが片手を上げる。その中指と人差し指に、麻酔弾が挟まれていた。21 #4215tk

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トランキライザーが眼を見張る。フィルギアが嗤う。「ハハ、血の気が多い……エルドリッチ=サン」「やるのかァー」エルドリッチが背中に背負った二丁のソードオフ・ショットガンを手に取る。「めんどくせェー……いいけどよォー」彼は無造作に銃口をトランキライザーへ向けた。22 #4215tk