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2015年5月9日

学芸員による研究情報の発信/学芸員養成システムについて

@sapokachiさんによる「怒涛の疑問自分用まとめ」として投稿されたツイートを、ご本人の承諾を得て作成しました。 関連の学会発表が2015年6月27/28日の全日本博物館学会第41回研究大会で行われます。http://www.museology.jp/15soukai/soukai15627628.html なお、この問題については過去のまとめサイト「日本博物館協会から国立国会図書館に出された要望書をめぐって」をご覧ください。http://togetter.com/li/595786
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持田 誠 @sapokachi

学芸員の資格には確かにさまざまな問題がある。課程のあり方、資格の意味、任用の方法、さらには現場での発令の問題などなど。地方史研究協議会でも、学芸員や博物館制度の問題点について議論されていたが、自然史系でも最近議論がされている。だが、資格が不要とは私は思わないんだなあ。

2015-05-08 06:16:38
持田 誠 @sapokachi

私も経験があるのだが、自然史系で学んでいると今の学芸員課程の中身は人文系資料に関するものが大半で、あまり意味が無いような気になる。自分は自然史系の学芸員を目指しているので、もっと自然史系の講義や実習が受けられる課程に行きたかったなと思った事もある。

2015-05-08 06:18:19
持田 誠 @sapokachi

だが、博物館の歴史や学芸員ってなんだろう?という事を繰り返し繰り返し考える良い時間になったと思う。あの時間が無く、大学院で自然史の研究だけして博物館現場に入っていたとしたら、今のように博物館という制度や学芸員の存在意義について、俯瞰して考える見方は身につかなかったと思う。

2015-05-08 06:19:34
持田 誠 @sapokachi

これはよく言われる事だが、学芸員課程の中身だけでは資料の扱い方も研究技能ももちろん身につかない。だが、これは自然史系に限らず人文系や美術系も同じ。動物園に至っては全く中身が異なるだろう。だが、そもそも学芸員課程の中身は、学術専門分野についての技術や知識を習得するものではない。

2015-05-08 06:21:26
持田 誠 @sapokachi

学芸員課程の最も大きな役割は、博物館の独自性と学芸員という職種の特殊性、専門性を知るところだと思う。同じ研究者でも、博物館と大学や試験研究機関とは全く異なる。この違いをきちんと分別しておかないと、むしろ優秀な研究者が博物館現場に入ってから苦労するのではないか?

2015-05-08 06:23:02
持田 誠 @sapokachi

博物館と大学の違いって何?おんなじで良いの?むしろ館の規模や専門性は違えど、博物館という業界でどう協力しあえるのかを学んで欲しいし、考えられる人材を育てたい。もちろん研究者として優秀な人材を博物館としては欲しいけど、優秀な研究者=優秀な博物館人かと言うと、それは幻想だろう。

2015-05-08 06:26:19
持田 誠 @sapokachi

あ、これはもちろん逆もあるし、逆の方が多い。すなわち、学芸員の資格を持っているから優秀な学芸員とは絶対にならない。それは大前提。資格は資格でしか無いし、今の資格課程ではいろいろと足りない面も多い。そこを直していく事を考えたいのだが、例えば資格を不要にという発想は私には無いなあ。

2015-05-08 06:28:08
持田 誠 @sapokachi

私はむしろ、今の日本では学芸員課程が多すぎるか偏っていると思う。専門の訓練(実物の資料を扱ったり研究をする、そもそもの学部の専門課程)ができないような大学に資格課程が設けられている姿が散見される。また、短大で「学芸員補」しか取得できないような課程は、全廃すべきだと思っている。

2015-05-08 06:30:23
持田 誠 @sapokachi

かくいう私も短大で非常勤を持っているのだが、毎年毎年学生にこの問題点を語って聞かせるのが心苦しくて仕方が無い。ただ、短大生だからと言って学芸員を志していけない訳ではなく、ぜひ志あるものは学芸員を目指して苦労して学んでいってくれと、その学びの方向性を指し示すように努めている。

2015-05-08 06:32:08
持田 誠 @sapokachi

学芸員である以上、一定の研究者としての能力が求められるのは論を待たない。これはもう、大学が大衆化してしまって、卒業論文すら必修でない大学もある時代に、資格だけで学芸員任用をはかろうなどというのが無理な相談である事は間違い無い。資格で研究者としての能力ははかれない。

2015-05-08 06:34:21
持田 誠 @sapokachi

だが、資格だけで能力がはかれないから資格は不要かというと、それは違うと思う。任用にあたっては資格を最低限度の条件とし、それに如何に採用の条件(求めるレベル)を付加していくかが問題になるだろう。資格だけで学芸員にはなれないんだよ、という事を徹底する事の方が大事かと。

2015-05-08 06:36:20
持田 誠 @sapokachi

分野によって実情は異なると思うが、自然史系の学芸員の任用にあたっては、大学院修士修了程度の技量が求められるというのは必須だろう。もう今はそれだけでは不足で、きちんと実績を評価する事を条件にすべき。一般の履歴書のような書式に資格だけ添えて受験できるような事はやめるべきだと思う。

2015-05-08 06:40:58
持田 誠 @sapokachi

まあ、ただ任用は博物館があまり関与できなくって、人事部局でいろいろと決めるらしいから、むしろその点が問題なんだろうなあと思う。もっと現場に即した任用の仕方ができるように改める事の方が先なのかなあとも思う。

2015-05-08 06:42:17
持田 誠 @sapokachi

もうひとつは、館の規模の大小や専門性の如何に関わらず、学芸員の任用にあたっての条件は研究者としての実績だけではかって良いのか?という疑問がある。研究者って、結局自分の業績の為に論文書く人でしょ?(かなり偏見ですね)標本整理したり情報発信したり、裏方の仕事してくれるのかなと不安。

2015-05-08 06:45:56
持田 誠 @sapokachi

大学院時代からの私の小さなテーマの中に、博物館の図書館化ってのがある。図書館は学びたい調べたい人が必要な情報を引き出しやすいような資料の整理の仕方や情報発信技術の進歩を至上命題としている(ように見える)。博物館は学芸員が用意した展示や情報をどうぞ使って下さいっていう感じ。

2015-05-08 06:49:17
持田 誠 @sapokachi

博物館も、学芸員が用意したプログラムや展示を見てもらう場から、図書館に調べ物に来た人達が自由に資料を選べるように、資料を調べたり調査できたりするような、そんな場にしたい。そのシステムがデジタルかアナログかわからんが整うようにする事が私が思う「博物館の図書館化」のイメージ。

2015-05-08 06:51:47
持田 誠 @sapokachi

で、これについては昨今、多くの博物館でたくさんの人達が頑張っている。学芸員だけでなく、中には大学の先生も居られるし、図書館や文書館とどう連携しようかって頑張っている人達もいる。だが、一方で「これって研究者の仕事なのか?」と疑問を呈する人にもよく出会う。ここがひっかかるんだな。

2015-05-08 06:54:11
持田 誠 @sapokachi

雑誌記事索引の話もそう。研究者ベースの人達から「研究情報を発信するのは、学芸員のような研究者の仕事ではなく、そういう役割の別な人がするべき仕事だ」というような事をよく言われる。著作権法などの話をしていても学芸員からも同様の話を聞く。では「そういう役割の別な人」って誰なんだよって。

2015-05-08 06:57:11
持田 誠 @sapokachi

私は博物館に関しては「そういう役割の別な人」なんていない、学芸員自身がみんなそうなんではないのかい?と言いたいのです。そして、こういうセンスを持つ人間にもっと学芸員になって欲しい。ある意味、研究者としては二流かも知れないが、研究者を支える一流の人が現場には欲しいと思う。

2015-05-08 07:00:15
持田 誠 @sapokachi

ああ、もちろん博物館にも一流の研究者は必要なんだとは思ってますよ。そこを否定する訳ではないのですが、ただ、大学と同じような人ばかり集まった博物館って、こういう機能がうまくいくものなのかなあと疑問なのです。私が見て来た事例が悪いのかな。かなり偏見が入っていると自分でも思うが。

2015-05-08 07:04:32
持田 誠 @sapokachi

以上、今朝の「怒濤の疑問自分用まとめ」終わり。さて、展示つくりに出勤します。

2015-05-08 07:05:27

コメント

ひろ@猫もふ欠乏症 @hiro_h 2015年5月9日
大学が教育ベースであるように、博物館は「リソース」ベースなんだろうなとは思う。なので、スミソニアンは大学の研究室をホスティングして、研究室が生態調査で採って来たサンプルが博物館に収蔵される→リソース(コレクション)が最も良い方法で利用されている、という理解。
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