茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1496回【選挙に勝って首相になるひとが楽しむperk】連続ツイート

2015.5/9 茂木健一郎氏【選挙に勝って首相になるひとが楽しむperk】連続ツイート …英語の単語にperkがある。何か仕事をしていて、その仕事に伴う栄誉や、喜び、心のボーナスがあると、それをperkという。ぼくは語感も字面も好きだが、自分が書く文章の中では、今まで使ったことがないように思う…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1496回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、ニュースに接しての感想。

2015-05-09 06:33:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語の単語にperkがある。何か仕事をしていて、その仕事に伴う栄誉や、喜び、心のボーナスがあると、それをperkという。ぼくは語感も字面も好きだが、自分が書く文章の中では、今まで使ったことがないように思う。

2015-05-09 06:35:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

英国の総選挙で勝利した保守党のキャメロン首相が、引き続き政権を担うことを報告するために、ダウニング街10番からバッキンガム宮殿に向かう様子を、テレビが生中継する。長くて激しかった選挙戦のフィナーレ。そこにはドラマがある。 youtube.com/watch?v=7iqfoM…

2015-05-09 06:37:18
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茂木健一郎 @kenichiromogi

選挙で勝った党の指導者が君主に会って政権を担う認証を受けるプロトコルを、イギリスの憲法(非成文)では、kiss handsという。以前は本当に忠誠の象徴として君主の手にキスしていたが、今は会見するだけである。それでも依然としてkiss handsと呼ばれる。

2015-05-09 06:39:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

選挙で勝って、首相になったひとの職分の本来は、国のために政策を進めることだろうが、その仕事にはperkがある。そのperkの最大のもののひとつは、宮殿に行き女王に謁見することだろう。その栄誉やドラマは時代の脈絡からは離れているが、ひとの心を動かす物語がある。

2015-05-09 06:40:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

キャメロン首相によって任命された大臣たちも、また、宮殿に行って女王に会うというkiss handsのプロセスを経る。大臣になるというのは政治家としてはひとつの達成だろうが、そのperkとして、このプロトコルがあるのである。

2015-05-09 06:41:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

このように書いていくと、英国の政治制度と日本に大いに共通点があることに改めて思い至る。日本でも、選挙に勝利して首相に指名されたひとと任命された大臣たちは、皇居で天皇陛下の前で認証を受ける。政治家として国のために働くという仕事に伴う、最大のperkであろう。

2015-05-09 06:43:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

英国の興味深いところは、たとえば同性婚を容認したり、死刑を廃止したり、人権を徹底的に尊重したりという進歩主義的な部分と、立憲君主制のプロトコル、それに伴うperkを大切にするという保守主義が共存している点で、これは、歴史的共通点の多い日本にとっても、参考になるモデルだと思う。

2015-05-09 06:45:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1496回「選挙に勝って首相になるひとが楽しむperk」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2015-05-09 06:46:42