滞英中の大屋雄裕教授、イギリス総選挙を語る。「多党化というより、分権で地方ごとの『大政党』が生まれる」
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おおや教授
英国へいく
(このへん、ただの旅日記です)
校務のためイギリスに行ってまいります。ちょうど選挙なので結果も見られそう。 ところで昨日一昨日に仕事を送り付けてきて締め切りが10日過ぎ、連休に作業させればいいだろうという腹らしい案件が複数あったのだがGWはこちらにとっても出張シーズンで私が戻るのは10日だ。知らね。
2015-05-03 10:02:46エディンバラ着。ここまで丸一日。21時なのにまだ明るい。 pic.twitter.com/wfLH2AZXzW
2015-05-04 05:22:55(なおどういう状況かというとほとんど寝ないまま20時間以上かけてエディンバラのホテルにたどり着き早々に寝てしまったので目が覚めたら朝4時、なんかもう寝られないっぽいのでだらだらとネット関係の処理を)
2015-05-04 14:25:13霧雨に煙るエディンバラ城(裏側)。これから鉄道でロンドンに移動します。 p.twipple.jp/xOhSj
2015-05-06 18:37:43イングランド北部、一面の菜の花畑(なお補助金の有無については不知)。 p.twipple.jp/BNgyc
2015-05-06 20:19:20ロンドン着。「ホテルが高い」とかわめいて今回も貸し部屋(丁寧語ではサービストアパートメントという)にしたので、夕食から帰ったら洗濯機を回す予定。 p.twipple.jp/fpJrA
2015-05-07 00:49:32
選挙戦の
観察記
①イギリスの選挙戦を見ています。二大政党制の終わりかというと、しかし保守・労働二党とそれ以外には画然たる実力差があり、その連立政権というのもなさそうで、二大政党中心という点はまだ変わらないのではないか。中政党が(従来のLDP以外に)増えたので混迷中の二大政党制という感じかなと。
2015-05-08 01:25:22②中政党が伸びてきた背景にある一要素は、選挙制度の違う別のシステム。特に欧州議会とカントリー議会(スコットランド等)が比例代表的なので、ウェストミンスターでは小勢力でもそこで存在感を示せるというのがある感じ。BBCの討論番組でも中政党の代表はMEP(欧州議会議員)が目立った。
2015-05-08 01:25:50③ちなみに昨夜のBBCだと討論番組の構成メンバーは保守・労働・自民に加えUKIPとスコットランド国民党。このあたりまでが「中政党」という感じなのかな。ニュースで「党首が投票しました」が出てきたのはこれに加えて緑の党とプライド・カムリ。
2015-05-08 01:26:05④勢力には大差がある中政党に対等の発言機会がある状況に保守・労働党の参加者がいらだっているっぽいシーンも見かけたりして、なんかどこかの国の選挙みたいやなあと思ったり。まあ比例代表部分が中小政党の基盤になっている点も共通ですねと。投票終了まであと4時間半くらい。(終)
2015-05-08 01:26:19選挙結果を
受けて
BBCの出口予想。保守が316議席で最大、労働党239、スコットランド国民党が58議席を獲得して第3党、LDPは10議席に転落、UKIPは2議席のみ。
2015-05-08 06:02:16①朝になって見たところ保守党が意外と健闘し単独過半数もあり得るかという状況(以下いずれも現状)。労働党敗北だが多少複雑で、イングランドでは自民の減少(-33)を保守 (+18)と分け合うように勝っている(+14)。得票数で増えているのはUKIP(+10.5%)。
2015-05-08 15:20:00②大きく動いたのはスコットランドで、ス国民党がほぼ議席独占の勢い(59議席中55確定、+49)。減らしたのが労働党(-40)・LDP(-9)。なおウェールズはほぼ動かず、北部アイルランドは独自の勢力図。なお現体制の正統性を認めないシン・フェイン党は当然のように出馬し4議席獲得。
2015-05-08 15:24:41③つまりLDPの全国的な大敗+スコットランド国民党の急成長(=同地域での労働党大敗)。イングランドではほぼ完全な二大政党、スコットランドは単一政党になっている点に注意。つまり大政党のサイズが縮んだように見えるが、それは地域ごとに「大政党」の中身が違うせいで、中小の増大ではない。
2015-05-08 15:28:45④それを象徴するのがUKIPで、イングランドで15%、全国で12%程度の得票を得ているが獲得議席は現時点で1。逆に地域政党の民主統一党、シン・フェイン(ともに北アイルランド)、ブライド・カムリ(ウェールズ)は全国得票率1%未満ながら順に8・4・3議席獲得。
2015-05-08 15:32:19⑤「薄く広い支持」では勝てない、選挙区ごとの有力政党数が長期的には2に収束するという小選挙区制の特徴は損なわれていないと見るべきではないか。むしろ大きな影響を与えたのは地方分権による有力地方政党の成長、ということだろう。(終)
2015-05-08 15:34:08手前味噌ながら、まとめ者の感想を追加
(※ここは飛ばして結構です)
今後の英国で労働党とスコットランド独立党が手を組むならともかく、国の分裂を招くという批判ゆえに両党連携ができないなら、SNPにかつての票田だった地域を奪われた労働党が、保守党に対して常に数的不利の基調が続くだけ…ってことにならないだろうか? @takehiroohya
2015-05-10 06:29:59選挙結果は、A党1位、B党2位、C党3位。だがB+C>A…の時、B+Cが連携して政権を取るのは民主主義のモラル(ルールではない)的にNGか許容範囲か、という議論がありましたよね?こういう場合、投票前に「連立枠組みを表明すればセーフ」かな? @takehiroohya
2015-05-10 06:34:35しかし、「小選挙区制でも、地方分権が強まれば『有力な党』が地域ごとに生まれる」というテーゼを読んだら、「大阪都構想」とそれに一蓮托生の某政党・某指導者の動向が、全国的な意味を持つということだな…。 @takehiroohya
2015-05-10 06:37:47