和歌山県太地町のイルカ捕獲をめぐる世界動物園水族館協会(WAZA)の会員資格停止問題についてまとめました。

4月21日に、WAZAが日本動物園水族館協会(JAZA)に対し、WAZAの会員資格停止を連絡してきました。太地町が捕獲しているイルカをJAZA加盟の水族館が取得していることが理由です。この問題の事実関係についてまとめました。
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Masaaki Sasaki @izasasakima

①【WAZA問題】世界動物園水族館協会WAZAが日本動物園水族館協会JAZAに対して、太地町の追い込み漁により捕獲したイルカを国内の水族館が取得していることはWAZAの規範に反すると会員資格の一時停止を通告した。JAZAは5月21日まで最終報告を行う。その事実関係をまとめました。

2015-05-13 23:37:35
Masaaki Sasaki @izasasakima

②【WAZA問題】JAZAは動物園89園、水族館63館で構成。総裁は秋篠宮文仁親王殿下、会長は荒井一利鴨川シーワールド館長。152会員にWAZAから「離脱」か「残留」かの多数決を取り、5月19日までに判断を決める。イルカ展示のない動物園が多いため、WAZA残留の見通しが高い

2015-05-13 18:02:08
Masaaki Sasaki @izasasakima

③【WAZA問題】WAZAはスイスに本部を置く民間団体。会長は米ミネソタ動物園の園長。全世界50カ国以上の動物園や水族館の300団体が加盟。JAZAのような国の組織のほか、個人会員として動物園単体が加盟している場合もある。日本は上野や多摩など8動物園が単体で加盟している。

2015-05-13 18:06:30
Masaaki Sasaki @izasasakima

④【WAZA問題】WAZAに加盟していれば世界的ネットワークで動物種ごとの個体の入手が可能。もし脱退すれば「キリンやゾウなどの希少動物が日本の動物園から姿を消す可能性がある」と関係者は指摘。一方で、残留の場合でも水族館側は館の華であるイルカを太地町から入手することは不可能になる。

2015-05-13 23:38:53
Masaaki Sasaki @izasasakima

⑤【WAZA問題】反捕鯨団体が標的にする和歌山県太地町はJAZA加盟の水族館にイルカを供給してきた。一方、太地町はこのほかにもWAZAに加盟していない約20カ国の国にイルカを輸出してきた。2013年には中国、ウクライナ、韓国、ロシアなどに96頭を輸出。国内でも年間20頭ほどを供給

2015-05-13 18:14:52
Masaaki Sasaki @izasasakima

⑥【WAZA問題】水族館展示用イルカについては、世界的な趨勢としては捕獲ではなく繁殖させる方向に向かっている。米国では20年ほど前からイルカの捕獲はやめ人工授精などにより繁殖させるシステムが主流。オーストラリア、ニュージーランドでは世論の影響もあり、イルカの展示自体を止めている

2015-05-13 23:39:48
Masaaki Sasaki @izasasakima

⑦【WAZA問題】イルカショーは水族館の大きな売り。国内では250頭が飼育されている。そのうち水族館で繁殖されている個体は約13%。残りはほとんどが太地町から供給を受けているイルカ。繁殖は技術が難しく施設拡張の問題もある。WAZA残留の場合、水族館の運営は難しい状況に追い込まれる

2015-05-13 23:41:35
Masaaki Sasaki @izasasakima

⑧【WAZA問題】和歌山県太地町はJAZAとの協議を経てイルカ捕獲の方法を改善してきた。食用の追い込みイルカ漁とイルカ生体の捕獲の方法は違うと主張している。それぞれ違う時期に行ったり、子供は逃がすなどの取組みも行われている。「イルカの供給は各国にも受け入れられており、やめない」

2015-05-13 23:43:32
Masaaki Sasaki @izasasakima

⑨【WAZA問題】WAZA離脱でも残留でもどちらも国内の園・館はデメリットがある。WAZA離脱は動物園にとって痛手。残留の可能性が高いが太地町のイルカを希望する水族館はJAZAを離脱する選択肢もある。太地町が輸出する中国、韓国などはWAZAに加盟しておらず、輸出継続には問題はない

2015-05-13 23:45:28