『KAGEROU』について本気出して考えてみた。

もう説明不要かと思いますが、水嶋ヒロの話題沸騰の処女作『KAGEROU』。批判するのはたやすいですが、ここまで批判されるとかえって擁護したくなる持ち前の反骨精神が、このツイートをまとめさせました。
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たはたほん @tahatahon

それではぼちぼち水嶋ヒロの処女作『KAGEROU』について、語ります。ちゃんと1470円払って読んだので、しっかり元は取らせていただきます。

2010-12-23 23:43:58
たはたほん @tahatahon

『KAGEROU』考察①「「ゼンマイ式の心臓」は現実と空想の分水嶺」

2010-12-23 23:44:16
たはたほん @tahatahon

件の『KAGEROU』だけど、色々と批判の的になっている。大体が文章に関することで、そのことには異論を挟む気はない(確かにあんまりうまくない) あと、よくつっこまれるポイントに「ゼンマイ式の人工心臓」というものがある。僕は、ここに新たな解釈を加えたい。

2010-12-23 23:44:47
たはたほん @tahatahon

リアリティに関して、読者が一番違和感を覚えた部分は、「ゼンマイ式の人工心臓」だろう。中盤に突然登場する不思議な心臓に、戸惑った人も多いのではないか?

2010-12-23 23:45:15
たはたほん @tahatahon

物語の序盤は、全ド協などというやや突飛な設定もあるものの、基本的にはリアリズムに徹して物語が進んでいく。しかし、中盤、主人公ヤスオの一回目の移植手術が失敗に終わり、外された心臓の代わりに「ゼンマイ式の心臓」を装着させられるという妙な展開に。

2010-12-23 23:45:58
たはたほん @tahatahon

「ゼンマイ式の心臓」、文字通りゼンマイで動く心臓。普段は電動式だが、なにかアクシデントがあって電源が落ちれば、手動でハンドルを回せば心臓が動いてくれるという摩訶不思議なもの。

2010-12-23 23:46:27
たはたほん @tahatahon

プロット上、人工心臓で動き回る必要があったとしても、なぜゼンマイ式なのか、補助バッテリーで動くという設定でもよかったのではないか?と蓮舫大臣じゃなくてもつっこんでしまう。

2010-12-23 23:46:51
たはたほん @tahatahon

第一、一番はじめに移植されるのが、心臓というのはおかしくないか?いくら優れた人工心臓があるからって、臓器の根幹を為すものを、最初に取り除くといったリスクをとるのは不自然に思える。

2010-12-23 23:47:09
たはたほん @tahatahon

それどころか、「ゼンマイ式の心臓」が登場するやいなや、突然リアリティのタガが外れ、物語が幻想の色を帯びてくる。国籍不明、カタコトを話す男の看護師。窓を開ければ、会いたかったヒロインが唐突に現れ、森の洞窟で駆け落ち。と思ったら倒れる人も出てくるわ。人格は入れ替わるわ。

2010-12-23 23:51:16
たはたほん @tahatahon

ご都合主義といってしまえばそれまでなんだけど、前半と後半で物語の温度が違いすぎる。そこまで考えて、僕はあることに気づいた。

2010-12-23 23:51:38
たはたほん @tahatahon

ここから本題なんだけど、もしかして、一回目の手術以降は、すべて主人公ヤスオの夢なのではないか。つまり、眠らされている間、また移植手術の行われている際に、脳がみている幻想なのではないのかと。

2010-12-23 23:53:34
たはたほん @tahatahon

そうすると、すべての展開が説明される。そして、タイトル『KAGEROU』の意味さえも。

2010-12-23 23:53:53
たはたほん @tahatahon

こういう発想も「ゼンマイ式の心臓」という物が出てこなければリアリティの差異に気づかず、生まれなかった。つまり、「ゼンマイ式の心臓」とは、読者に現実と空想の境目を知らせる一種の分水嶺になっているのではないか?

2010-12-23 23:54:30
たはたほん @tahatahon

(カチャカチャカチャ…)(ッターン!)

2010-12-23 23:57:33
たはたほん @tahatahon

『KAGEROU』考察②は疲れたのでまた今度。テーマは、「『KAGEROU』は、わざとらしい小説だけど、実はそこが魅力なのでは」乞うご期待。

2010-12-24 00:12:35